BOYSCOUT TROOP74, NAGOYA, AICHI, JAPAN

ボーイスカウト名古屋第74団のブログです。
各隊のプログラム、活動報告、コラムなどを掲載しています。仲間になろうよ!

Do a Good Turn Daily vol.30

2006年03月03日 | コラム:日日の善行


 狼森(おいのもり)に入る…

 ボーイ隊のプログラムの3月のテーマは「狼森(おいのもり)に入る。」です。
 このテーマは、宮沢賢治の作品「狼森、笊森、盗森(おいのもり、ざるもり、ぬすともり)」にちなんでいます。
 この物語は、宮沢賢治の物語のうちでも、おおらかな楽しさに満ちた作品といわれています。

 お話は、農民たちがある原野の開拓にやってきたところから始まります。
 農民たちは、畑の開墾に取りかかる前に、そこにあった大きな森に、「ここに畑をおこしてもいいか」と尋ねます。
 すると、森は「いいぞ」と答えます。森の許しを得たので、農民たちは畑を耕すこととします。
 
 次に、農民たちは、住むため家を建てる前にも、森に、「ここに家建ててもいいか」と尋ねます。
 森は、「いいぞ」と答えます。森の許しを得たので、彼らは家を建てます。
 そして、子供もでき、そこには小さな村が誕生します。
 農民たちは、前にも増してせっせと働きます。

 やっと粟(あわ)が実るようになった秋、彼らの幼い子どもたちが突然姿を消すという事件が起こります。
 農民たちは、森に行ったのではないかと考え、一番近い狼森へ探しに行きます。 すると…

 この物語は、人間と自然が対等に、しかも親しいく付き合っていた頃の感覚が描かれています。
 そして、自然と人とが共生していくために何が必要なのか、何を考えなければならないのかを教えてくれています。
 人間が自然に対し、「ここを開発してもよいか」と尋ねる姿勢を忘れていなければ、昨今の環境破壊の問題など起こらなかったかもしれません。

 今月のボーイ隊はキャンプでは、ぜひ、じっくり自然と対話して見ようよ。


 舞台となった岩手県岩手郡雫石町には、実際に狼森、笊森、黒坂森、北のはずれが盗森と呼ばれる黒い松の森があります。

<参考>
「狼森、笊森、盗森」は、宮沢賢治の『注文の多い料理店』に収録されている作品です。一度読んでみてください。インターネットができる人は、次からも読むことができます。(扉の写真は狼森)

 「狼森、笊森、盗森」(宮沢賢治作品館) http://www.kenji.ne.jp/why/douwa/02oinomo.html
 宮沢賢治(花巻市) http://www.city.hanamaki.iwate.jp/kenji/index.php
 小岩井農場。狼森はこの農場の北にあります。 http://www.koiwai.co.jp/



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