万里村奈加の部屋

ネコとつまみ食いと、時々マンガの日々

神様はどこにいる?

2022年05月18日 | 雑感
お久しぶりです。

魔女は原因不明の倦怠感(何もしたくない病)に囚われてぼんやり過ごしていました。
身体に病気があるとは思えなかったのですが、
ストレッチをしても息が上がるので、
逆らわずに、なるべく多く眠り、本を読んで過ごしました。


以前、アニミズムの勉強するぞというようなことを書いたことがありました。
魔女自身は宗教に特別興味があるわけでなく、「神様はいるような、いないような。。」
日本人にありがちな「ゆるーい感覚」でとらえています。

ただ、宗教はその人種の住んでいる場所に沿ったものが生まれると考えていて、
砂漠には砂漠の、荒れ地には荒れ地の宗教が生まれ、
心を納得させる祈りが生まれると考えています。

魔女は学者ではないので、あくまで感性でとらえていて、
日本人の緩い宗教観は、
四季のある気候と台風や地震の災害と山と海が寄り添っている土地などが生み出したものと思っています。

なので、読んでいた本も、正しい知識が欲しかったわけではなく、
自分と同じ意見を持つ方の書籍を探す行為になりました。
ずるいけど、自分の答案に〇をつけてくれる先生を探した…という訳です。

ぴったりはまったのが、
 久保田展弘さんの『日本多神教の風土』


多くの宗教ではまず「神」がいて、その神が自然を作っていきます。
でも、日本の神話では神は自然から生み出されたことから始まります。

度々起こる自然災害をうけいれ、季節ごとに精神の折り合いをみつける日本らしい世界観です。



突然アニミズムだなんだと言い出したのは、ある一人の女性(故人)を思い出したせいでした。


ご縁があってその方と3年ほど暮らしたことがありました。
魔女母と同じくらいの年齢でしたが、魔女母が「神様?好きにすれば?」みたいな人(イメージ)だったのに対し、
その方は「仏教も神道も、アニミズムも全部大好き。ありがたい!」というタイプの人でした。
その方の生活は、魔女から見ると制約に充ち満ちて、息苦しくないかとおもうようでしたが、
本人はそれが心安らげる生き方だと語っていました。


ただ、魔女は暦とか神仏とは無縁な人間だったので、最初は一挙手一投足に至るまでダメ出しをされていました。
ストーブにやかんを載せると「やかんの口は西に向けないでね」と言われ、
「塩は午前中に買わなければいけない」とか、「新しい靴は午前中に下ろしなさい」とか。
「洗濯ものは全部裏返して(これは日に当たって色があせるからかな)、太陽に胸を向けて(太陽に背を向けないように)干しなさい」とか。

魔女に逆らう理由はないものの、何故そう言う決まりになっているのか知りたくて、
「やかんの口を西に向けると何が起きるのですか?」とその度に尋ねていました。

「だって、昔からそういうことになってるのよ。理由はないの♪」
その答え方が実にあっけらかんとしていて、なんのトゲもなく、
かつ、魔女が逆らっていうことを聞かなかったとしても怒るわけでもなく、とてもしなやかな対応だったので、
魔女は3年間、面白がってその方の価値観を観察しました。


いまでも古い習慣の残る家庭では続けていらっしゃることと思います。
鏡もち作り。
年末に自宅でお餅を用意し、手が真っ赤になるほどの熱々を丸めて小さな鏡もちをたくさん作りました。
「鏡もちなら床の間に一つ大きいのがあればいいのでは?」と問う魔女に
「神様はたくさんいるからたくさん必要なのよ」と10個ほどの小さい鏡もちを作り、
玄関、お風呂場(洗濯機の上)、キッチン(冷蔵庫の上)、ガレージ、勿論魔女の仕事場にも飾っていきました。
五行思想というよりアニミズムに近い水、火、土、どこにでも神は宿るという感じだったと思います。
信仰心はどうでもよかった魔女でしたが、飾った鏡もちを猫たちが片っ端から蹴倒していって、
気が付くと重ね直している楽しいイベントでした。

また、その方は年越し時には紅白歌合戦を楽しみ、見終わるとお風呂に入り身を清めてそのまま初詣に出かけていました。
「湯冷めしちゃうよ」と言っても「あったかくしていくから平気♪」と実にウキウキと自転車に乗って。
大好きな神様と向き合って生きている姿がなんだか魅力的でした。
後に、その方は、四国八十八か所めぐりも成し遂げたそうです。


すべてのモノに神は宿るのか・・・
結論は人それぞれの心の中にですね。

朝散歩の公園のアジサイがスタンバっています。


これから暫く雨の季節がやってきます。
程よく降る雨は作物を潤す。たけり狂う雨は災害をもたらす。

雨にも神がいるのなら、どうかご機嫌良くちょうどいい潤いをもたらしてくれますよう。


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