照れる

　　　　　シャンプーを終えて床掃除をしていたら、王様が何か言いたげに前に座る。　　　　　　　
　　　　　　　

　　　　　「ねぇ、僕ってどんな感じ？」
　　　　　
　　　　　雑巾がけの邪魔をしても言わせたいのはひとつ。
　　　　　
はい、王様はすっごくカワイイですよ！

洗い上がりにめちゃめちゃ褒めたので、すっかりその気になってしまっている。


　　　　　「・・・・・・・むふっ」
　　　　　
　　　　　そのくせ、　　　　　

「むふっ、むふむふ」

褒められると妙に照れる。

　　　　　そして、魔女に(くすりと)笑われたことに気づいて、　　　　　
　　　　　
　　　　　用を思い出したように

しゅだっと駆け出す。
駆け出した先には、何もない。

洗いたては、照れたお尻までふわふわだ。