漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

やぐら太鼓

2014年01月23日 | 

稀勢の里、やっぱりダメでしたねぇ。

北の富士さんが言ってたけど、
ほんと、「期待すると負ける」 (笑)

そこがチャーミングと云う女性ファンも居るんだけど。

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国港は将来有望だが、まだ修行中の取的、
親方に連れられ、成田不動尊に参った時、
出世するまで女を断ちますと、固く誓ったことを忘れ、

お供で付いて行ったお座敷で
馴染んだ見習い芸者の国香と深い仲に。

処が、以来、二人の逢引した翌日には必ず負ける。

お不動さんの罰かもしれぬと気づいた二人が、
「夫婦になります、遊び心じゃありません」と誓ってみても、

やっぱり逢引の次の日には、
今まで負けたことの無い相手に負けるし、
逢うのを辛抱した次の日には強い相手でも勝てたりする。

「そんなバカな」、
何かの間違いだ、と、三日続けて逢ったら、三日続けて格下に負けた。

そんなことが続くと、心優しい国香は、
「これは私がこの人にとって“けつまずき”だからなんだ」と、気づいた。

恋しい男の出世をとるか、恋の成就をとるか、

思い詰めた国香は、
ついに自分が身を引く決心をすると、
国港に行く先も告げず芸者置屋を去る。

月日は流れて、
名大関の名をほしいままにした国港改め柏木にも、
やがて引退する日が来た。

その夜、柏木の前にあらわれた国香は、
「これからは心おきなく会える、この日をどんなに待ったか」と心情をうちあけるが、

時すでに遅し、柏木はすでに妻子持ち、
不実を詫びる柏木に、「それでもいいのよ」と国香はほほえむのだった。

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近頃のテレビドラマは漫画原作で、
若い人に向けたものばかり、と、お嘆きの中高年の奥様方になら、

チトお古い作家ではありますすが、
お気に入ると思うけどナァ、この人情小説の名作短編集。

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「人情馬鹿物語」  川口松太郎/著

※大正期の東京下町を舞台にした人情小説12編、
  




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