漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

豊国か写楽か

2015年08月28日 | 美術

自宅から、
歩いていける距離に美術館がありましてね。

そこで、「写楽と豊国」と云う特別展をやっているので見に行ったんですよ。

「東洲斎写楽」と云えば、
どなたも御存知でしょうけれど、

「歌川豊国」となると、ハテ?と云う方も多いかもしれない。

この同時代の二人を、
今の作家に例えるとすれば、

写楽を、
いささか個性的な似顔絵で知られる、山藤章二さんとすれば、

豊国の方は、
美女とともに歌舞伎の写真も多い篠山紀信さんと云う処か。

おもしろいのは、この二人浮世絵師、

現代の知名度では、
写楽が圧倒的ですが、江戸時代だとその人気はまるで逆になること。

それは、もし、
歌舞伎ファンが、玉三郎サマの作品集を買うとして、

篠山紀信作と山藤章二作、
どちらを選ぶか、と考えれば、答えは明白、と云うことでも分かる。

と云う分けで、
実は私も豊国が好きでしてね、

で、行ったところが、
いつもなら、私一人と云うことも多く、

静か過ぎる美術館なのに、
その日は平日にもかかわらず、ケッコウな人の入り。

察するところ、入場者の方たちの多くは、
写楽目当てだと思うんですけれど、お目当ての絵はあまり多くない。

特に一番有名な、
「大谷鬼次の奴江戸兵衛」のないのが残念かな。

それでも、歌川広重の肉筆画があったり、
葛飾北斎の春朗時代の浮世絵が何点かあったりして、

たとえ写楽目当てで行ったとしても、
損はさせない展示内容、これで800円は、安い!安い!。

と宣伝しても・・・、30日で終りですけれどもね。







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