漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

節電の夏

2011年08月24日 | せけんばなし

「 秋きぬと 目にはさやかに 見えねども
          風の音にぞ おどろかれぬる 」

いい歌ですね、
夏が去った安堵と、来る秋への感傷的な思いが伝わって来て。

だけど、このごろは、
どこの家でも皆、アルミサッシ、

「窓打つ風」ぐらいのことでは音もせず、驚くことも無かろうテ。

昔の障子は木と紙で出来てるから、
年月を経るうちには狂いが来て、風が吹くとガタピシするのが当たり前だったが、

今ではそんな経験のない人がほとんどだろう。

そう言えば先日、
放送作家の倉本聡さんが若い人たちと話していて、

「どうしても必要な電気製品」として、

「換気扇」をあげた女性が居て、

倉本さんから、
「そんなものなくても暮らせるだろう」と突っ込まれ、
「えっ、換気扇が無かったらどうするんですか!!」と驚いていた。

「窓や戸を開ければいいんだよ」と言われて、
「そうなんですか」と答えてはいたが、

その顔には「腑に落ちぬ」と書いてあった。

このごろの若い人で、
子供のころから「たいせつに」育てられた人は、

夏でも締め切って、
エアコンで温度管理だから、

臭いや煙は「換気扇で排気するもの」と思い込んでいても無理は無い。

先日、あるタレントが、
「今年の夏は暑かった」と言っていたので、

今年は涼しかったのにナァと不思議に思っていたら、

「節電しようと思って温度を高めに設定したから」と続けたのでズッコケタ。

ナニワトモアレ、
節電節電と大騒ぎした夏も何とか無事乗り切ったようで結構なことです。


 「 門を出れバ 我も行く人 秋のくれ 」 





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