漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

陽気な神頼み

2009年01月10日 | せけんばなし
きのうの続き。

昔、大阪は商人の町だった、と云う事で、
商売の神様、「えべっさん」の人気は今でも高い。

ことに1月10日は「十日エビス」、
前日の9日は「宵エビス」、
11日は「残りエビス」として、各地の恵比寿神社へ御参りが群集する。

「えべっさん」は、
鯛と釣り竿を持っているのを見ても分かるが、本来は漁師の神さん。

海の安産と大漁を願った。

それが何故、商売の神さんになったかは定かでないが、
ひとつには、
漁師の神様が、船乗り一般に信仰されることで、
海運業者の信仰を集め、そこから商品売買の業者へ拡大したと云う説がある。

しかし、十日エビスの賑わいは、
宗教行事と云うよりは、
野球の優勝パレードに参加しているような陽気さがある。

神殿前で祈るときも、
仏教のように来世を願ったり、
キリスト教のように、神に許しを乞うと云うようなことは無い。

もっぱら、商売繁盛による金儲け、
せいぜいが、健康や受験合格、と云った現世利益を願う。

商売は資本と才覚、それに実力、
自分が頑張るしかないが、それだけではどうにもならぬこともある。

そこに「運」の要素があり、その「運」を頼みに来る。

これを、「えべっさんに福をもらう」と云う。

参集する々の様子を見ていると、
祈っていると云うより、「縁起かつぎ」で「頼んまっせ」と云う雰囲気。

本気で信じている分けではないが、
頼んでおいたことで、うまく行ったら儲けものと云う気楽さ。

そこには、宝くじを買う人にある、
当たるのをと信じている分けではないが、
「浮き浮きと夢を見るのが楽しい」と云う考え方と似ているかなと思う。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。