のんびり・・・いそいそ~(*くうかんあそび*付き)

なんとか音楽の勉強を続けているちょっと変な主婦兼ピアノ指導者兼ボランティア演奏者の日常。取り留めのない駄文揃い。

『無伴奏ソナタ』

2007-03-05 09:59:30 | ほんとえいがのこと
『無伴奏ソナタ』 オースン・スコット・カード   早川書房

マイミクさんにお勧めいただいた短編集の中の一作品。
市立図書館に蔵書はなく、近隣の図書館からとりよせてもらった。
読後2回目の短いながらの感想を少し。


1回目読了後の感想。

「SFって遠い世界の話だと思っていたけれど
 実はとても身近なんだなぁ。」ということ。
ワタシは日常はSFはあまり読まないジャンルだ。
虚構の世界の話はあまり得意ではなく、いつもリアルな内容を求めがち。
そんなワタシは当然
「SF=架空の世界の話」というイメージが強かったのだが
(↑当然か )
SFって、ある意味人間の欲望を具体化しているように感じた。
それはリアルそのものといえなくもない。


2回目読了の感想。

あらゆる手段をもって禁じられても
自らの音楽的好奇心と創造力を失いきれなかったクリスチャンに共感。
自分の指を根元から切り落とされ
(この辺のくだりはなかなか読んでいてキツい)
声を奪われ、歌うことすら禁じられ
年老いた彼がとうとう「刑期」を終え
自由の身になった時に耳にしたのは
見知らぬ人々が愛する自分が創作した歌だった。
それは「全てが平和と幸せに整えられた世界」の中で
禁を犯してでも
創造する喜びを捨て切れなかった彼への賛歌のように思えた。


他の短編は時間がなくて読みきれなかったが
機会があれば是非読んでみたいと思う。

ちなみに作品の主人公が禁を犯すきっかけとなった
バッハの無伴奏ソナタは大好きなヴァイオリン曲だが、
うんちくはあんまり詳しくない(笑)。
無伴奏チェロ組曲の方がひんぱんに聴くかも。