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これはナサケナイ

2007-07-14 15:36:07 | 技術
強度不足のフジテック製エレベーター、各地で補強工事(読売新聞) - goo ニュース
強度不足ということは
そもそもの強度を満たしていないということで
SS400とSPHC どのくらい違うのか
材料の強度 引っ張り強さで言えば

SS400 400 N/mm2以上 510以下
SPHC 270 N/mm2以上

構造設計ではこんなSPHCなんて使うのはおかしい
深絞りでつかうものではないのか
SPHCの機械的性質はどうか
SS400であれば降伏点245以上(板厚16mm以下)なのであるが
SPHCに降伏点が定められていません
これは,この材料が箱もの(家電製品の箱や制御盤など)で比較的強度が重要視されないところに使われるものではないでしょうか

従って,許容応力を定めることが規格上できないものであります
機械的性質の詳細は知りませんが,下手をすると 引っぱり強度まで塑性しながら伸びていってしまうことも考えられます(弾性範囲が明確でないので もとに戻らない)
あまり私は構造で使わない材料(使えない材料)なので詳しくはないのですが

いずれにしてもとんでもない 

売った方も,コンプライアンス違反で,社会的制裁は免れないと思われます



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2 コメント

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実際の強度は (KS)
2007-07-15 14:08:55
誰も実績値の話をしないみたいですが、規格値と実績値は何時も余裕があるはずです。

どうしてこういうことを起こしたのかの疑問はのこりますが・・・・
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設計では (murano-brain)
2007-07-16 19:23:02
規格値と実際の強度とはとうぜん違います
ミルシートを見ていただければ歴然としますが
2割程度大きい値になっている場合もあります
しかし,通常設計する場合にはこの値を使う事はありえまえん
従って,実際の強度が高いからと言って
それが許容できるという話にはなりませんし
それを保証できるということにはなりません
実物を破壊試験して,大丈夫だったね という話しにしかなりません
設計段階で決めたとおり作らない,材料を変えるといったことは,あってはならないのです
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