叢雲会ブログ

叢雲会 刀匠達の四方山話

結構な事で.   杉田

2009-04-05 21:12:19 | Weblog
名誉、や文化は、お金になりません。そんな話が来る事が名誉な事であります。この際金額など問題にしてはいけませんぞ。私なんぞは周防国分寺に奉納した折は、「タダ、」奉納ですからね。友人の好意で日本一の研ぎをする事が出来ましたが。それでも「タダ」ま、こんな事言ってているから何時までも「カスミ」食って生きていかねばならないのでしょうが。その代金が「いかほど」か私は知りませんが随分厳しいものだったのでしょう。まあこういう場合しっかり、吹っかければよかったのですよ。そうすれば腹も立ちません。そこが気のいい「赤鬼」の事、おおいに歩みよったのでしょう、そして、その心意気が表に出ないところが面白くありません。自腹を切らない人達には何を言っても解りません。
唯私としては大いに貴方に抗議したいのです。昨年新作名刀展において日本一に輝いた刀匠が、そこそこの金額で作刀しては情けないではないですか。
これは、聞いた話ですが。ある刀鍛冶が、世界的なカンフーアクターに1千万で納めたとか。最も外装付だそうですが。真偽はさだかでないですが。この位ホラふかなくちゃ。

WBC                 ひむかの國正

2009-04-05 08:47:55 | Weblog
プロ野球のペナントレースも開幕したみたいですが、こないだまで日本列島に歓喜の渦を巻き起こしたWBCの優勝は記憶に新しいところです。
メンバーのなかでも活躍した青木宣親選手は日向市出身で、高校も野球の名門校でなく県立日向高校を卒業し、早稲田大学に入ってからその才能を開花させた郷土の誇りです。(他にはかって熱血豪腕で知られた元ロッテの黒木投手もいます。)

宮崎県が県民栄誉賞を贈る事にしたそうですが、日向市でも何か顕彰しようという話が出たみたいです。
しかし、市民栄誉賞はすでに昨年贈っているので特別表彰することになって、侍ジャパンにちなんで刀を贈ろうということになったそうで、私に製作依頼がきました。
私を思い出してくれたことが嬉しくて雀の涙の予算しかないのですが、二つ返事で引き受けました。

しかし、翌日の新聞報道を見て少々複雑な感情を覚えました。
そこには私の犠牲的好意は全く記されていないのです。
高給取りの公務員が貧乏な私に犠牲を強いて、年俸2億を越えるプロスポーツ選手に刀を贈り、世間にいい顔を作っている...と取れます。
研師や鞘師にもお願いして工賃を安くあげてもらうことにしておりますので、お役人の、他人のフンドシで相撲を取る姿勢には納得できませんね。
無論、悪意はないのでしょうが、行政に必要なのはこういう気配りある感覚だと思います。
金にならなくても地域のために一肌脱ぐ人間を大切にすることは、お金のかからない地域活性化の強力な施策ですよ。

しかし、青木選手にお守り刀を贈ることは非常に嬉しいので、矛盾した思いが交錯しています。
アメリカのイチロー選手にも贈りたい...。