面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

文化を売れ

2012-05-07 07:03:08 | 政治
「文化」。巷間に言うところの「ソフトパワー」という奴だ。

売国奴を税金で養うなかれ
http://blog.goo.ne.jp/mubenrokka/e/41735d2d4a57817d74172ec4cce8abdb

でも述べたが、どの国も自国のイメージを高めるためにあの手この手を使っている。自国のイメージを高めることで国際社会で支持されたり、自国の製品が売れたり、観光客が増えたりと国益に繋がるからだ。

ハリウッド映画やハンバーガー、自動車等が米国のイメージを著しく高め、米国に多大な利益をもたらしてきたことは論を待たない。誰もが米国に憧れ、米国の財やサービスを買い、米国を支持した。

言うまでもなく文化、ソフトパワーには娯楽だけではなく、高等教育や芸術も当然含まれる。

米国の初等・中等教育は誉められたものではないが、高等教育は間違いなく世界一だ。世界一の教育を受けるために世界各国から留学生が集まることで、留学生が支払う学費と将来のエリートが親米になる二重の効果を見込める。

日本のように留学生の学費を支払って来てもらっているのではその効果はあまりない。その国の一番のエリート候補は欧米各国に留学するので、二番手、三番手のグループしか来ないからだ。

現状では文部科学省の予算獲得と大学の補助金、政治家の「実績作り」と「友好ごっこ」のために税金を捨てているようなものだ。

そんなことより研究予算を増やしたり、苦学生に対する奨学金を増やしたり、高学歴ワーキングプアをもっと職員に採用するなど有意義に使わなくては税金の無駄だ。

また大学教授は誰も彼も偉そうにしているが、高等教育の質向上にもっと尽力して欲しいものだ。

自然科学系は実績をそれなりに出しているが社会科学系は二流、三流でしかない。社会科学系は実績が見えにくいことを加味してもやはり二流、三流だ。ついこの間までマルクス経済学を大真面目に教えていて、消費税増税を主張する財政再建原理主義者の学者が主流の経済学など三流の最たるものといえよう。ノーベル賞も経済学は日本人は誰も受賞していない。ノーベル賞ノーベル賞と言って過度に権威化するのもあれだが。

教育に類似する点では「思想」「宗教」もソフトパワーだ。ソ連が崩壊するまでは知識人や学生が共産主義に傾倒していたことは記憶に新しい。ソ連に利益をもたらしたし、共産主義が広まることで共産党はそれまでの権力集団から権力を奪取した。

戦国時代にイエズス会が日本にキリスト教を広めに来た目的は日本を侵略するためだったことは、今では広く知られている。キリスト教信者を増やし、反乱を起こさせ、傀儡政権を樹立させるか植民地にする。

昨今では米国による「民主主義」の「布教」もその亜種と言える。

「軍事力」や「経済力」といった目に見えやすい力だけではなく「文化力」もそれに勝るとも劣らない力があるのだ。

韓国ではそれに着目し、国を挙げてコンテンツを売り出している。「韓流」だ。はっきり言って嫌いだが、日本でもそれなりに広まっていることは認めざるを得ない。それが電通やテレビ局を買収したものであったとしても、ある程度流行しているのは事実だ。

むしろ日本でも韓国と同じことをするべきだ。テレビドラマでも映画でも、アニメ、漫画でも、伝統的な芸術でも何でも国が支援して世界に売り出せばいい。

それが売れれば売れるだけ「輸出」になるし、日本の「ファン」が増えればそれだけ外交でも有利になる。

それを「文化は国が口出しするべきではない」などもっともらしい理由を付けて邪魔することのなんと多いことか。

芸術はそれ自体では生産しない。誰かが、どこかが莫大な金を出さないと娯楽を含んだ芸術は花開かない。欧州の芸術が隆盛を誇ったのには、芸術家にパトロンがついて莫大な金を出したからだ。米国でハリウッド映画が躍進したのも景気が戦争で景気が上向き金が回るようになったからだ。約260年の江戸時代で文化が盛んであったのは経済的に上向いていた時期だ。緊縮財政を引いた時期は文化も下火になっている。

必要条件であっても十分条件ではないので、金を出せば良い文化が生まれるというものでもないが。似非芸術に金を出しても金をどぶに捨てる行為と変わらない。

そこでまずはテレビドラマやアニメなどを国が支援して輸出して、外国のテレビ局で流させるか、ネット等で格安で見れるようにする。一度流したものだから安く売れるはずだし、始めのうちは補助金を出しても良い。日本の広告、宣伝だと思って売れば良いのだ。当然「反日」的なものは排除する。

その際著作権は五月蝿過ぎない程度に主張する。海賊版でも文化が広まることは同じだからだ。国内でも著作権、著作権言い過ぎで再放送さえ満足に出来ない現状は異常ではないか。

ほかにもたとえば国が支援して、演歌歌手等を中南米の日系社会を対象にコンサートでもさせれば良い。日系人との繋がりは国家の財産になるし、年寄りの日系人も喜ぶだろう。広がりそうであれば日系以外も広めれば良い。失敗であればまた別の手段を考える。

欧州、北米、東南アジア、中東、アフリカ・・・でも集客が見込めるところにはどんどんツアーを組めばいい。勿論、演歌歌手に限らない。芸能人を国が支援して海外に売り出せば良い。誰がどこで売れるかはわからないから失敗も多いだろうが、始めのうちは数打ちゃあたるの精神で売れば良い。

無目的にODAをばら撒くよりよほど効果があるのではないか。外国への「バラマキ」は国益に繋がらない。

国を挙げて「文化」を売り出すべきだ。

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