drop.

こんなにもこんなにもこんなにも伝えたい情報や語りたい胸の内や叫びたい想いや吐き出したい真実や細胞の成り立ちからこの宇宙の果てについての妄想や証言や希望や現状や向上心や怠惰や劣情や欲情や性欲や支配欲や独占欲や所有欲や開放欲や笑顔を見たときの肌の高揚感や声を聞いたときの鼓動の大きさや触れたときの実態感やアレやソレやコレやその一つ一つが肺胞の一つに詰まりすぎて全てが爆発しそうになってきていて吐き出さないとどうにかなってしまいそうな自分をいつまでもいつまでももてまして居続けるわけがないんだからいつか全てが爆発する前に吐き出そう吐き出そう吐き出そう吐き出そうと計画を立てて計算をして練習をして稽古して準備をコレでもかコレでもかコレでもかと繰り返してみるけどあなたの前に立つと喉の奥に来たところで全てが二酸化炭素と同化して声帯を震わさないで喉頭を抜けてそのまま空気と一体化して世界に溶けきって何も残らずに消えてしまいそうな感触を錯覚しておびえてしまうからなにも声が出ずに言葉は全て飲み込んでただ作り出すのに慣れてしまった無味乾燥な笑顔とそれでも本当は全て知ってるんじゃないかと疑いたくなる感情を抑えて一言口にするだけで僕は何も変わらないからそのままここから抜け出して駆け出してさらけ出してしまいたくなる衝動を抑えながら戦い続けながらソレでもいつかは答えを出さなければいけないことぐらいとっくに気づいていてソレを自分の中で隠すのに必死になって無視して誤魔化して距離を開けて立ち尽くす。

僕は生きている。
僕は生きてなんかいない。

僕は食べている。
僕は食べてなんかいない。

僕は吐いている。
僕は吐いてなんかいない。

僕は眠っている。
僕は眠ってなんかいない。

僕は歩いている。
僕は歩いてなんかいない。

僕は笑っている。
僕は笑ってなんかいない。

僕は死んでいる。
僕は死んでなんかいない。


僕はあなたのことを愛している。

僕はあなたのことを少しも愛してなんかいない。


そんなたわごとを何度も何度も何度も何度も繰り返し繰り返し繰り返し飽きずに繰り返してそんなことばかり繰り返して。



僕はどこに落ちるのだろう。