小佐内「6月に入り梅雨入り間近を思わせる、この数日」
小鳩「でも、その間隙を縫って、この日は雨の心配も無さそうな6月6日」
小佐内「小佐内スィーツセレクション in 京都出町柳、後編のはじまり…なの」
小鳩「presented by 小鳩常悟朗…だよ」
小佐内「で、小鳩君。今日はどこへ案内してくれるの?まだ8時30分だと言うのに」
小鳩「それはね、前回のリベンジからはじめたいと思ってね」
小鳩「先ずは名代豆餅でその名を全国に轟かせる『ふたば』さんから」
小鳩「8時半の開店と同時に既にお客さんが列を成している京都を代表する和菓子屋さんだよ」
小佐内「凄いのね?列が無くなったと思った途端に。次から次へとお客さんが買い求めにやってくるのね?」
小鳩「そうなんだ。日中は普通にお客さんの列が途切れることの無い和菓子屋さんで、この前は並ぶことも覚悟していたけど、今回は10分くらいで買えそうだね」
小鳩「小佐内さん。ここでひとつ、試食してみるのもいいんじゃないかな」
小佐内「あら、小鳩君にしては気が利く演出ね。京都を代表する和菓子を、京都を代表する鴨川デルタで頂くの。しかも朝9時からと言う背徳感が堪らないのよ」
小鳩「今回は豆餅のほかに田舎大福と季節限定、京水無月と抹茶水無月のチョイスだよ」
小鳩「ここでは名代、豆餅を味わってもらいたいな。どうかな」
小佐内「豆餅は結構、塩味が効いているのね。でも塩加減と甘みが丁度、良い感じね。お豆も口に残らないのが不思議なのよ。いくらでも食べれそうだわ。小鳩君もどう?」
小鳩「いや、僕は今は遠慮しておくよ。それよりも水無月は後で冷蔵庫で冷やしてから食べようね。それがふたばさんのお勧めだからね」
小佐内「残念だけど。うん、わかった。そうするよ」
小鳩「次は下鴨神社、糺の森の中にある茶屋“さるや”さんだよ」
小鳩「平安時代から続く『葵祭』に“葵祭の申餅”と呼ばれ広く親しまれていた申餅も明治の法制化の際には、庶民に伝わってきた習慣は廃止される運命となり、その名物も姿を消してしまったんだ。ところが、途絶えていた“申餅”を見事に復活させたのが、2011年5月にこの地に開店した“さるや”さんなんだよ」
小佐内「へぇ~。小鳩君、物知りね」
小鳩「とんでもない。付け焼刃だけどね。それよりも平安時代のスィーツをどうぞ、召し上がれ」
小佐内「食べやすいひと口サイズに甘さも控えめ。確かに時代を味わうお菓子て言う感じね」
小佐内「ところで小鳩君?豆茶の黒豆も食べていいんだよね」
小鳩「小佐内さん、それ、ちょっ」
≪モグモグ・・・≫
小佐内「小鳩君?これ・・・歯に残る。硬い。甘くない」
小佐内「こんなのスィーツじゃないよ」
小鳩「じゃ、小佐内さん。ここは一旦、間を開けて商店街に行こうか。僕も少し何か食べたいからね」
小佐内「わかったよ。そうするよ」
小鳩「今回も焼肉・さが喜さんでランチを頂くとするね」
たまこ「もしもし、もち蔵。どうぞ」
もち蔵「どうした?たまこ。どうぞ」
たまこ「今回もなにか、黒い影が暗躍しているみたいだよ。どうぞ」
もち蔵「それは心配だ。けど、俺たちも結構、暗く映ってるんじゃね?どうぞ」
たまこ「大丈夫かな?少し心配だよ。どうぞ」
もち蔵「確かに。京都の治安が悪くならければいいんだけど。どうぞ」
たまこ「じゃなくて!私たちの写真写りが使えるかどうかだよ。どうそ」
もち蔵「そっちかぁ~」
たまこ「うさぎ山商店街は私たちの手で守るよ。どうぞ」
もち蔵「・・・・」(うさぎ山限定なんだ…)
小佐内「小鳩君、ここは?」
小鳩「出町柳駅から柳通りを百万遍交差点に向かった途中にある『グリーンファーム』さんと言うお店だよ」
小鳩「大正3年から続く宅配牛乳屋さんが運営するお店で、店主は特技が“きき牛乳”と言うほどに牛乳好きな牛乳マニアらしいよ」
小佐内「流石、小鳩君ね。予習はバッチリだと思うの。是非、さっきの黒豆の減点を取り戻してね」
小鳩「奥さんは以前、洋菓子屋さんに勤めてもいたし、卵や野菜の仕入れにも拘っているみたいだね。」
小鳩「そして今回、小佐内さんに食べてもらうのは“ふんわりシフォンケーキ”と“ノンホモプリン”に“アイスカフェオレ”を添えて。どうぞ、召し上がれ」
小佐内「小鳩君!このシフォンケーキ、衝撃なの。全然、パサつかないの。かと言って、チーズケーキのようなベタつき感もないのよ。流石、京都。スィーツでも懐の深さを感じる逸品なの」
小鳩「それは何より。小山内さんに喜んでもらえて僕もひと安心といったところかな」
小佐内「それに、このプリンも!濃厚。だけど優しいの。作り手の拘りが感じられるのよ」
小鳩「近くには京都大学、少し離れたところには同志社大学とキャンパスの中には安価でボリュームのあるスィーツもあるんだけど、それはまた、いつか…」
小佐内「うん。楽しみにしているね、小鳩君」
小鳩「次がスィーツセレクションのラストになるんだけど、そのお店がこちら。阿闍梨餅本舗満月本店さんだよ」
小鳩「基本はお持ち帰りのお店で、店内に茶房は無いけれど、今すぐに食べてみたいと言うお客さんのために食事エリアも設けているんだよ。先ずはここで小佐内さんに食べて欲しくてね」
小佐内「ねぇ、小鳩君…」
小鳩「どうしたのかな?」
小佐内「まだ、温かいの。その温かさが空気に広がって、ほのかな甘みを臭覚に伝えてくる感じなの。期待に胸を膨らますって、こういう感覚だったのね」
小佐内「衣のしっとり感は、三笠饅頭やどら焼きとは全然、違うのね。忘れられない味になりそうなの」
小鳩「以上で京都出町柳のスィーツセレクションは終わりだけど、どうだったかな?パフェやケーキよりも京都らしさを求めたつもりだったけど、小佐内さんには満足してもらえたかな?」
小佐内「そうね。小鳩君にしては上出来だったと思うの。及第点と言ったところね」
小佐内「私、決めたわ。大学は京都にしようと思うのよ」
小鳩「小佐内さん。それって…」
小佐内「別に言っても構わないと思うの。アニメ本編とリンクしちゃっても」
小鳩「ま、いいか。それよりも、そろそろ帰ろうか。早く帰って持ち帰りのスィーツも食べなくちゃね」
小佐内「そうね。でも、帰ると言っても…やっぱり京阪電車なの」
(※店内外風景、提供された商品は許可を得て撮影しています)