ディメンション・ウェンズデー

トレーディングカードゲーム「ディメンション・ゼロ」カードゲームの攻略ホームページです。水曜日深夜更新。リンクフリー

GP6優勝「青黒不能極ティアー」解説~GP優勝デッキにみる構築術~

2007-07-25 | デッキ考察
こんばんは! 毎週水曜日は「ディメンション・ウェンズデー」の更新です!
このホームページ「ディメンション・ウェンズデー」は賞金制TCG「ディメンション・ゼロ」カードゲームの攻略ホームページです。

 あらためまして、こんにちは。「ディメンション・ウェンズデー」管理人の千里夜行です。
 グランプリの熱も冷めやまぬまま、構築済みデッキの発売、シーズン制限の発表、そしていよいよ今週末に迫った新エキスパンションの発売とワクワクが止まらない今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 今回は先日のグランプリ6大阪優勝デッキより「青黒不能極ティアー」デッキについてのお話です。その強さと構築について、私なりに紐解いてみましょう。

グランプリ6優勝平見プロ使用Aデッキ
青黒不能極ティアーデッキ 「ブラックティアー」

(黒の大陸×19、青の大陸×21・・・ユニット×18、ベース×5、ストラテジー×17)

1*イビルアイ・ベイビー【I-3】
3*イビルアイ・ドライバー【I-4】
2*ギガンティック・スカルドラゴン【I-1】
2*幻影王ルドルフ【I-2】

3*失恋の痛み【I-1・II-1】
1*黄金色のお菓子【I-3】
3*真夜中のダンスパーティー【I-3】
2*冥界の門【I-1】
2*冥王の鈎爪【I-1】

1*濃霧の魔氷フォッグ【I-1】
3*粉雪の魔氷パウダースノー【II-1】
3*センチネル・センチピード【I-4】
3*深淵竜エメラルドティアー 【II-3】

3*海洋到達不能極【I-4】
1*流氷の大陸【II-1】
1*水底の歌劇場【I-1】

3*サイバーチェイス【II-1】
3*欲望の連鎖【I-4】


 かつて「赤黒トロールバレー」が制限により崩壊した直後、昨年の日本選手権で【海洋到達不能極】入りの歌劇場デッキが活躍しましたが、そこに強いシナジーと単体でも高い戦闘力を併せ持つ【深淵竜エメラルドティアー】が組み込まれ、盤面の支配力は更に高まっています。そういう面から見ると、この「青黒不能極ティアー」デッキは「オベラハウス」デッキの流れを汲んでいるのですが、平見プロの使用されたデッキはそれにとどまらぬデッキ構築がなされています。

★君臨!最強の不能極ティアー!?
 随所で話題となり、またオープングランプリでの上位入賞からもその存在は広く認識されていたであろう【海洋到達不能極】と【深淵竜エメラルドティアー】を軸にしたコンボデッキ、通称「不能極ティアー」は強さと面白さを兼ね備え、多くのプレイヤーの心を捉えました。そして実に様々なバリエーションが作られました。グランプリでも【深淵竜エメラルドティアー】がカード別使用率トップとなるほど多くのプレイヤーが使用されたのです。(参考「グランプリ6緊急レポート!」FB徳島HP「いけっち店長のひとりごと」19/7/15日分参照))
 その中でトップに立ったのが平見プロの使用された青黒の不能極ティアーデッキ「ブラックティアー」です。
 「不能極ティアー」コンボからそのまま【深淵竜エメラルドティアー】がスマッシュして決めてくれることもありますが、このデッキの強烈な決め手となっているのが【ギガンティック・スカルドラゴン】の手札破壊です。【深淵竜エメラルドティアー】で移動させての誘発、さらに【冥界の門】【幻影王ルドルフ】で使い回すことで相手の対抗・反撃手段を削ぎ、最終的に詰めていく形が主となるでしょう。
 
★交錯する強烈なシナジー!
 他のカードとの組み合わせることで本来の何倍もの効果を発揮する、それをシナジーと呼びます。
 この不能極ティアーデッキでは軸としている【深淵竜エメラルドティアー】&【海洋到達不能極】コンボはもちろん、それぞれがデッキの他のカードとも高いシナジーを持っています。

 例を挙げてみましょう。
 【深淵竜エメラルドティアー】が置かれることで相手ユニットを移動させ、【海洋到達不能極】の効果を強制的に誘発させて相手のユニットを手札に返します。デッキの基本となるコンボですね。
 【ギガンティック・スカルドラゴン】はスクエアに置かれる度に相手の手札をランダムに破壊しますが、【深淵竜エメラルドティアー】が場に置かれた時、自分の【ギガンティック・スカルドラゴン】も一緒に動くので、相手の手札を更に破壊します。(【深淵竜エメラルドティアー】と【ギガンティック・スカルドラゴン】のシナジー)
 このとき、【海洋到達不能極】の効果で相手の手札にユニットが戻っていたら、それを捨てさせられるかもしれません。つまり、疑似ユニット破壊の効果をも期待できるのです。(【海洋到達不能極】と【ギガンティック・スカルドラゴン】のシナジー)
 といった感じで、各カードがクロスするように幾重にもシナジーを形成しているわけです。(このデッキには他にも大小様々なシナジーがあります。ここではすべては説明しませんが、気が向いたら探してみてください。)
 これらを更に、【幻影王ルドルフ】【水底の歌劇場】【流氷の大陸】【冥界の門】といった第一級のカード達が後押しするわけで、終盤の支配力・制圧力はとんでもなく強力です。

 このようなシナジーがデッキに多くあればあるほど、そのデッキは強力と言えますし、そのデッキが機能するかどうかの一つの目安になります。みなさんもこれから新エキスパンションを組み込んだデッキを作るでしょうけれど、組んでみたそのデッキを調整・確認する時、このシナジーという考え方を意識してみてください。きっとデッキ構築や調整の精度の上昇に役立つことと思います。

★コンボ形成までを助けるカード達~3枚入れないことの利点~
 かくも高い支配力を持つコンボデッキですが、このデッキが本領を発揮するのはデュエルの中~終盤。それまでの相手の攻勢を凌ぐ必要があるわけですが、これは青と黒の得意とするところ。
 序盤は【海洋到達不能極】による足止めと、【濃霧の魔氷フォッグ】【粉雪の魔氷パウダースノー】【黄金色のお菓子】による相手ユニットの排除。
 中盤は、おなじみ【イビルアイ・ドライバー】【センチネル・センチピード】といった通称プランジャーユニットによるコントロール。
 大型ユニットは【冥王の鈎爪】【真夜中のダンスパーティー】【イビルアイ・ベイビー】により排除。
・・・と、相手の攻撃のテンポを崩す様々な手段が組み込まれています。

 元来青黒で組まれたコンボ・コントロ-ルデッキは、ユニット除去、手札破壊、墓地利用が組み込まれ、潜在的に高い盤面コントロール力を備えますが、この平見プロが組まれたバージョンはグランプリ環境に合わせ、想定される様々な対戦相手に五分以上に戦えるようチューンされています。
 レシピを見ると1~2枚積みのカードが多く見受けられますが、相手に合わせて様々なカードを使い分けたいという意図からでしょう。
 例えば、【黄金色のお菓子】は4コストユニット(例えば【ハウス・オブ・ヘル】(Ⅱ-2)など)を主力としてビートダウンしてくる相手に対しては除去兼手札破壊カードとして期待でき、非常に効果的です。が、大型ユニットを主力としてくる相手に対しては全く役に立たないカードだったりもします。その場合3枚投入してしまうと無駄なドロ-をする可能性が高い。そこで、相手によって効果が大きく異なるカードは枚数少な目にして、できるだけ多くの種類を投入し、潜在的なデッキの対応力を高めようという戦術が構築の段階で組み込まれています。不要な相手に対してはエネルギーゾーンにおいてしまい、有効な相手には手札に握って使用するというわけです。
 この構築手法のメリットは、より多くの種類のカードをデッキに組み込めることです。
 デッキを組み時、できる限りすべてのカードを3枚積みにした方がデッキの動きとしては安定します。各カードを引ける確率をできるだけ上げてあるからです。その反面、デッキに投入できるカードの種類は少なくなってしまいます。
 ですが、デッキに投入する枚数を2枚以下にへらしたら。投入できるカード種類が圧倒的に増えます。それはデッキの戦術の幅が広がるとともに、相手にこちらの動きを読まれにくくなるというメリットも得られます。
 ただし、2枚以下の投入だと、そのカードをドローできる確率も下がります。ドローを無駄にしないためには相手に合わせた戦い方(そのカードを手札に留めるか、エネルギーにしてしまうか)の判断をよりシビアに求められることになります。このようにピーキーな(扱いの難しい)構築を見事使いこなし頂点に立った平見プロのスキルは非凡なモノといえるでしょう。

 ご本人のブログに本戦・決勝レポートも掲載されていますので、是非そちらもご覧ください。
○GP6本戦 ((’A`)だいありぃ
http://blog.livedoor.jp/zikuharudo/archives/51015369.html

○GP6決勝T ((’A`)だいありぃ
http://blog.livedoor.jp/zikuharudo/archives/51020713.html

★シーズン制限、そして構築済みデッキ発売!

 先週末にシーズン制限カードが発表されましたが、皆様チェックされているでしょうか。

・【バイオ・ブラスター】(I-3)
・【カオスヘッド・ドラゴン】(II-1)
・【犬闘士フェンリル】(II-1)
・【海洋到達不能極】(I-4)

 現環境を支配、または多数のプレイヤーが使用していたカードが制限にされたようです。
 私的に特に【バイオ・ブラスター】【犬闘士フェンリル】が気になるところ。
 中低速ビートダウン殺しにして大型ユニットコンボのキーカードだった【バイオ・ブラスター】と、高い戦闘力を併せ持った白のコントロールの要の【犬闘士フェンリル】。これらの制限は環境に大きく影響を与えるでしょう。
 後は今週末の新エキスパンション「新世界の呼び声」を待つばかり。わくわくしますね。
 また、セカンドセンチュリーのカードをすべて収録したオフィシャルカードリスト2も同時発売予定。今回もお役立ち情報が収録されているでしょうし、パラレル版【サウンドマスター・エンジェル】の付くということで見逃せませんよ。

 「新世界が待ちきれないぜ!」って人は、オフィシャルサイトの先行情報をチェック。また、今までの例から発売日にはいち早くカードリストが公開されるはず。
 また、グランプリ6大阪のユーザーズリポートも順次公開されています。こちらも興味深い記事がUPされていますので、是非チェックしてみてください。

●>ディメンション・ゼロ オフィシャルホームページ

 また、構築済みデッキの使い方・解説を四代目赤王ツイスラ陛下が自身のブログにお書きになっております。初心者の方ももちろんですが、御自分が初心者の方に使い方をティーチングされる際の参考にも。

○夏のオールスター感謝祭!(四代目赤王ツイスラのD-0コラム
http://dzerocolumn.seesaa.net/article/49111014.html

 というわけで、今回は終了の時間です。
 今回はGP6の優勝デッキの内、青黒不能極ティアーについてお話しましたが、他の上位入賞デッキについてもオフィシャルサイトで是非チェックしてみて下さい。今回のシーズン制限でそのまま使えなくなったデッキもありますが、次の新環境のデッキのヒントが得られるかもしれませんよ。
  それではまた来週水曜の更新で。次は新環境でお会いしましょう。ごきげんよう~
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グランプリ6大阪、レポート

2007-07-18 | Weblog
こんばんは! 毎週水曜日は「ディメンション・ウェンズデー」の更新です!
このホームページ「ディメンション・ウェンズデー」は賞金制TCG「ディメンション・ゼロ」カードゲームの攻略ホームページです。

 あらためまして、こんにちは。「ディメンション・ウェンズデー」管理人の千里夜行です。
 去る平成19年7月14日~15日に大阪ツインタワーにて、グランプリ6が行われました。参加された皆様、お疲れでした。台風が迫っているのも何のそので、グランプリ最大の参加者数、なんと306人! いやもうすごい熱気でした。
 というわけで、今回はグランプリ6に参加してのレポート、トーナメントについてと、サイドイベントについての雑感をお話したいと思います。

★ブルーサマー!~大阪は青く染まれり~ 

 「スターブラスター」と「青白グラシア」が2大メタ、というのはこのサイトも含めて皆の共通の認識でした。しかし、グランプリ本戦後のデータを参照すると、青の使用率の多さにビックリ! これは【深淵竜エメラルドティアー】系デッキの使用率の多さに尽きるでしょう。
 元々「青白グラシア」は多いと踏んでいたのですが、併せて【深淵竜エメラルドティアー】の人気が高かった所為ですね。しかし考えてみれば、「スターブラスター」で大型を振り回すのも、「青白グラシア」でじわじわ相手をコントロール&ビートするのにも飽きてきたプレイヤー達に、「不能極ティアー」や「勇者サイクロン」のような豪快なコンボが輝いて見えたとしても不思議ではなかった・・・のかもしれません。まぁ、それはともかく。

 自分の見解としては、メタの鍵を握るのは黒でした。【ハウス・オブ・ヘル】を中心にしたビートダウン、【サバトの祭壇】コントロール、青黒のティアーデッキ、2大メタをのぞけば、これらがパワー的にトップクラスのデッキだと考えていたからです。実際、上位陣にもいくつかこの流れをくむデッキが見受けられましたが、構成がそれぞれ個性的で興味深いです。そのあたりについては、機会があればあらためてお話したいと思います。

 ★平見プロ、大阪で雪辱を果たす!
昨年5月に行われたグランプリ2では準優勝と、あと一歩で優勝を逃した平見プロ。今回、同じ大阪で雪辱を果たし、見事優勝! おめでとうございます。
 グランプリではいつだってこんなドラマが起こりうるのです。次の主役は、これを読んでいるあなたかもしれませんよ。
 上位8名のデッキも含め、グランプリレポートがオフィシャルサイトにUPされてますので、そちらもご覧ください。

ディメンション・ゼロ・プレイヤーズ・アソシエーション オフィシャルホームページ
 

★盛況!サイドイベント~赤王戦&無限回収~

 グランプリではおなじみとなった、赤王決定戦。今回は、4代目赤王ツイスラ氏が初防衛戦で先々代赤王を迎え撃つというドラマチックバトル! さらには、初代小松田陛下と3代目赤王新井陛下による実況解説も有り、大変な盛り上がりの中、ツイスラ氏が見事防衛されました! おめでとうございます。
 活躍中の赤王ツイスラ陛下のブログはこちらです。ご本人の防衛戦を終えての感想もUPされていますよ。

四代目赤王ツイスラのD-0コラム

 そして、こちらもおなじみとなった無限回収グランプリ!
今回も幾人もの強者がエントリーしておりました。中でも、【待ち受ける獅子】(777枚!)、【カニソルジャー】(999枚!!)は圧巻! もはや常人の域を超えておりますな。それでもくじけない強者達は、次回日本選手権会場での決戦に向けて戦い(てか、回収)を始めていることでしょう! 次回は全部門で開催らしいです。頑張れ、愛の戦士達!

★ユーザーイベント開催!~ファンコンベンション&ネットラジオ収録~

 2日目の15日は、青王委員会主催の「ディメンション・ゼロ ファンコンベンション(DFC)」が行われました。ユーザー主導のイベントで、ガンスリンガー(赤王ツイスラ陛下も参加!)有り、詰めD-0も有り、盛況でした。こういった、ユーザー主導のイベントが行われるのは大変すばらしいことですね。
 そんな積極的な活動をされている青王委員会のサイトはこちら。
青王委員会
http://gotta2.sakura.ne.jp/aoou/

 また、ディメンション・ゼロをテーマにした非公式ネットラジオ「RADIO_ZEROSTART」の公開収録も行われました。ここでは、ディメンションゼロの著名人をゲストにトークをするという企画が行われまして、ボンガマスターや赤王を始め、様々なゲストをお呼びしたようなので、興味深い内容が聞けそうです。僭越ながら、私もゲストとして参加しました。いやいや、お恥ずかしい。
 そんなゼロスタートさんのサイトは、こちら。

RADIO_ZEROSTART」
http://radio-zerostart.cocolog-nifty.com/blog/


 ★グランプリ・日本選手権のススメ
 
 「ディメンション・ゼロは面白いけど、グランプリまではちょっと・・・」と言う声を聞くことがあります。でも、自分的には、それはもったいない。ディメンション・ゼロが好きで、もし、まだグランプリや日本選手権に行ったことがない方は、是非一度会場まで足を運んでみて欲しいと思います。別に本戦参加じゃなくても良い。入場は無料だし、気軽に見学でも。きっと、いつもの仲間とのディメンションゼロと少しばかり違う空気を感じることと思います。でも、やってることはディメンション・ゼロ! 200人も300人もが集まってディメンション・ゼロを遊んでいる。こんなに楽しいことはありません。
 また、サイドイベントなら当日にいきなりいって参加もできます。好きなカードをたくさん集めているなら、無限回収グランプリにエントリーしてみても良いでしょう(このエントリーは当日受付)。
 地理の関係上行くのが難しいこともあるでしょうけれど、自分が足を伸ばせる範囲で行われているなら、一度は行ってみて欲しいディメンション・ゼロのお祭り、それがグランプリ・日本選手権です。


 というわけで、今回は終了の時間です。
 今週末はベストスタートデッキの発売ですね。強力なカード満載の構築済みデッキです。一つ勝って仲間を誘うのに使ってもよし。自分の不足しているカードを集めてもよしのナイスな構築済みですよ。
 それではまた来週水曜の更新で。ごきげんよう~
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グランプリ6に向けたメタ考察(後編)~ひしめく強敵たち~

2007-07-11 | 雑考察
こんばんは! 毎週水曜日は「ディメンション・ウェンズデー」の更新です!
このホームページ「ディメンション・ウェンズデー」は賞金制TCG「ディメンション・ゼロ」カードゲームの攻略ホームページです。

 あらためまして、こんにちは。「ディメンション・ウェンズデー」管理人の千里夜行です。
 グランプリ6本戦まであと3日。もうほとんどの方が最終調整に入っていることだと思われます。
 そんなわけで、ディメンション・ウェンズデーもグランプリ前の最後の更新。今回は前回の予告どおり、メタ考察の後編です。前回はメインメタである「スターブラスター」「青白グラシア」についてお話しましたが、今回は、彼らに対抗するデッキについてお話です。


★スタフル包囲網!? 蠢く強デッキ達 

 「スターブラスター」と「青白グラシア」。これらが2大メタとして台頭する一方、様々な強デッキがオープングランプリ(以下、OPG)で入賞、あるいは予選を突破するなど活躍していっています。
 まずOPGの上位デッキからピックアップするだけでも、「黒単ビート」(OPG静岡6位)、「赤黒青3色プランコントロール」(OPG静岡7位)、「赤黒ウイニー」(OPG新潟2位)、「青黒(or青緑or青単)不能極ティアー」(OPG新潟3位、5位、6位)・・・と、種々様々。
ここに上げたデッキを始め、考えられる各デッキについての雑感を記していくとしましょう。


 ★デッキ雑感「黒単デッキ」編~ビートもコントロールも有り~
 いつの時代も緑と並んで人気色の黒。現在はコントロール系デッキが人気ということもあり、手札破壊の重要度がましています。

 黒のビートダウンといえば、グランプリ2覇者富田プロが使用された、OPG静岡6位入賞の呼声ユニットと【ハウス・オブ・ヘル】を中心にした速攻風のビートダウンが代表格でしょう。速度、パワー、ユニット除去、手札破壊、門によるフィニッシュ。すべて兼ね備えた強力なデッキで、2大メタへも対抗できると共に、ほとんどのデッキと5分以上に渡り合えるでしょう。

 表だった成績は少ないながら、【サバトの祭壇】と【悪魔竜嘲る】を中心にした「サバトコントロール」(または「嘲るコントロール」)も弱点の少ない強力なコントロールデッキです。
黒の優秀なユニットを【悪魔竜嘲る】で再利用して相手をとことん除去。【サバトの祭壇】上でユニットが死ねば闘気になるので、その闘気で【悪魔竜嘲る】を回収、さらにそれでユニットを回収し、とことん相手ユニットを除去しまくり、相手の攻撃力もやる気もすべて奪って、最後にちょこっとだけ殴って勝利する。
熟練したプレイヤーが使用するサバトコンは、かのGP2、GP3を連続で制した「赤黒トロールバレー」を彷彿とさせる絶望感を感じるほど。「虐殺です」。実際、「1対1」のカード交換を果てしなく「1対0」に近づけるという意味で同じデッキタイプと言えるでしょう。

 サバトコンデッキについては、GP1覇者中村プロのブログと、ボンガマスターshun氏のブログに掲載されているので、そちらをご参照ください。
●「ダイエットは明日から」 (「ちゃんぷのぶろぐ」
http://green.ap.teacup.com/d0_takuya/39.html

●黒単 嘲れ!祭壇コントロール(とりあえずやってみた)
http://bonga-bonga.cocolog-nifty.com/bonga/2007/06/post_b01c.html


 ★デッキ雑感「プランコントロールデッキ」編~今なお強力なコントロールデッキ~
 
 【花束を捧げる乙女】の制限でスマッシュコントロール力が落ちたとはいえ、今なお強力なコントロールデッキです。むしろ墓地除外が少なくなった今は、逆に生きやすいとも言えます。
 墓地効果ユニットが基本で、デッキの構成要素をメタに合わせて様々に変えられるのがこのデッキの良いところであり、相手にするとき恐ろしいところ。
 GP4覇者寺田プロが使用したOPG静岡7位入賞を最後に表にでていませんが、どんな進化を遂げているのか恐ろしいところ。


 ★デッキ雑感「赤系ウイニー」編~斬るか斬られるか、真っ向からメタに立ち向かう~

 コントロールデッキに対抗するのに、コントロールしきれない早さで速攻をしかけるのは、カードゲームではセオリーの一つですが、現在が正にそのような環境といえるでしょう。
 赤単色か、黒をまぜるか、はたまた【ニトロ・カタパルト】や【ドラゴン・スクリーム】を投入するか等、様々なバリエーションが存在する為、「赤速攻」とひとくくりにして対処使用とすると、足下をすくわれかねないので、注意しましょう。
 【ニトロ・カタパルト】を投入するかどうかはプレイヤーのスタイル次第。投入しないタイプの方がベースを多く使用しなくてよいので安定はするでしょうが、【ニトロ・カタパルト】はその若干のテンポを取り返すほどの爆発力を持っている。甲乙付けがたいところです。
 黒をタッチで投入して手札破壊を採用する場合もあり。これも強力な形で、OPG新潟2位入賞デッキもそのタイプです。

 ★デッキ雑感「不能極ティアー」編~最後に登場した挑戦者!~

 様々なサイトで取り上げられ、またOPGでも好成績を残した不能極ティアー。青黒、青緑、青単とそのバリエーションは豊富ですが、基本的には【海洋到達不能極】と【深淵竜エメラルドティアー】のコンボで相手をコントロールするというのが主軸に据えられています。
 もちろん【深淵竜エメラルドティアー】展開まで時間がかかるので、それまでの時間をどのようにつくるのかが、主にデッキの違いになっています。
 青黒なら、黒のカードで相手ユニットの除去や手札破壊で展開を遅らせ、緑が入ればエネルギーを加速、青単色なら青独特のバウンス除去を用いて相手のテンポを失わせるわけです。

 その中でも青緑タイプのおそらく一つの完成形が、先日のカードショップオーガでの予選1位となった、「青緑不能極ティアー」でしょう。不能極ティアーのコンボを中心に、【獣王の食卓】【スキップするフェアリー】でのエネ加速、【流氷の大陸】【水底の歌劇場】+8コストユニットによる攻撃力、闘気システムによる手札補充、【妖魔の勇者】と【深淵竜エメラルドティアー】のコンボまで組み込まれています。各カードのシナジー度も高く、完成度の高い強力なコンボデッキです。本戦が目前に現れた、新しいメタの一角と言えるでしょう。
 不能極ティアーデッキについては、ターパン牧場さんのところで詳しく考察されていますので、そちらを是非ご覧ください。
 
●「オペラパーティーが出来るまで~他者から学ぶ編~」  (「ターパン牧場IN新潟」
http://green.ap.teacup.com/tarpan/267.html



 といったカンジで、走り走りですが、メタに対抗するであろうデッキについて簡単に述べましたが、いかがだったでしょうか。
 主だったデッキレシピは、静岡、新潟のOPGの上位デッキにあります。オフィシャルページ左の「グランプリ」項目からとぶと、レポートにいけます。そこに上位デッキが掲載されているので、ご参照ください。

● >ディメンション・ゼロ・プレイヤーズ・アソシエーション オフィシャルホームページ

 今回取り上げたデッキ以外も、全国各地で牙を研いでいるに違いありません。特に、緑系ビートダウンは厳しいと言われていますが、前回のグランプリ優勝の赤と組み合わせた速攻風ビート、青のトリックを搭載した勇者ジャッカルの流れを組むデッキなど、油断ならない戦闘力を秘めているので警戒が必要でしょう。

★本戦目前!準備は万端?

 さて、ここまで敵となるであろうデッキについて考察してきましたが、しかしながらそのような分析と同じかそれ以上に重要な事があります。それは、自分のデッキをよく知ることです。
 すなわち、よく練習し、よくデッキを動かし、どのようにプレイすべきか、日々研鑽をつむこと。これに勝ることはありません。仮想敵の情報は、あくまでその為の参考にすぎないのです。そんなに難しいことじゃあありません。つまり、友人とディメンション・ゼロを遊ぶってことです。もちろんグランプリや日本選手権に向けての練習では、その為のデッキを使ったり、練習の密度をいつもより上げることになるでしょうが、基本は同じこと。遊べば遊んだだけ強くなるのがディメンション・ゼロですから。

 というわけで、今回は終了の時間です。
 次回は、グランプリ終了後にまたお会いしましょう。
 それではまた来週水曜の更新で。ごきげんよう~
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グランプリ6に向けたメタ考察雑感(前編)

2007-07-04 | 雑考察
こんばんは! 毎週水曜日は「ディメンション・ウェンズデー」の更新です!
このホームページ「ディメンション・ウェンズデー」は賞金制TCG「ディメンション・ゼロ」カードゲームの攻略ホームページです。

 あらためまして、こんにちは。「ディメンション・ウェンズデー」管理人の千里夜行です。
 グランプリ6予選期間もついに終了! あとは今週末の前週予選を残すだけです。
 本戦までも残り10日足らずと、いよいよ本番も迫ってきました。

 前週予選及び本戦の日程の情報はオフィシャルサイトでチェック。また、「無限回収グランプリ」や「日本選手権特別予選」「イラストレーターサイン会」など、充実のサイドイベント情報も見逃せませんよ。

●>ディメンション・ゼロ・プレイヤーズ・アソシエーション オフィシャルホームページ

 さて、今回は、いよいよ来週末に迫ったグランプリ6のメタ環境についてのお話です。「グランプリ出ないよ」と言う方も、今どんなデッキが流行ってる位に目を通していただけると幸いです。

★「スターブラスター」大暴れ! そしてカウンターの「青白グラシア」

 この環境で真っ先に注目された強力なデッキといえば、【妖精竜スターフルーツ】と【バイオ・ブラスター】のコンボを主軸にしたいわゆる「スターブラスター」です。「コンボで大型ユニットを用いて盤面を支配する」という点では従来の緑黒「ゴッドルドルフ」に近いものの、その爆発力は比べものにならないほど強力です。実際、予選突破デッキ(オフィシャルサイト参照)の緑系デッキのほとんどが【妖精竜スターフルーツ】が組み込まれたデッキになっています。
 そして、それをカウンターするように台頭してきたのが【機械竜グラシア】を主軸に据え、「スターブラスター」のキーカードを紙切れにする【犬闘士テリア】等を擁する「青白グラシア」デッキです。現環境2度のオープングランプリを制したこのデッキタイプは、青白の強いところを集めたような強力なデッキとなっています。

 「スターブラスター」と「青白グラシア」。これらが今の2大メタデッキと言えるでしょう。グランプリに参加するプレイヤー達はこれらを使うか、これらに勝つデッキを作ることを求められているといっても過言ではありません。

 ★デッキ雑感「スターブラスター」編~スターフルーツ7変化?~
 さて、このサイトでも何度か取り上げましたが、「スターブラスター」は本当に強力なコンボです。が、そのデッキは様々で、どれが代表的なタイプかというと、なかなか悩ましい。
 あえて大別するなら、「緑黒タッチ赤」(OPG静岡2位、OPG新潟4位等)、「緑白ブルマスティフ入り」(OPG静岡3位、8位等)の2種類でしょう。
 「緑黒タッチ赤」は、【失恋の痛み】の手札破壊と【蠢く死者】による墓地利用、また確定除去も組み込めるコントロール力の強力なタイプ。【冥王の鈎爪】などの黒の確定除去が採用されることも有り、天敵である【犬闘士ボクサー】への対応も比較的しやすい色選択でしょう。【生命の門】【冥界の門】が入った「緑黒ゴッドルドルフ」からの派生型かどうかでタイプも違いますが、大枠はそんなカンジです。
 「緑白ブルマスティフ入り」は、【犬闘士ブル・マスティフ】という勝ち筋があるのが大きな違い。また、【犬闘士フェンリル】や【束縛の連鎖】【聖騎士ホーリー・バスタード】などの白のビートダウン殺しのカードが採用しやすいのも特徴です。同型メタと除去回避を兼ねた【ドラゴン・パレス】が採用されるケースもあります。
 また、【深淵竜エメラルドティアー】&【妖魔の勇者】のコンボも組み込んだタイプ(OPG静岡4位)もありました。

 コンボデッキであるため速攻に弱いという弱点は先天的に持っていますが、決まれば勝つほど強力な勝ち筋を持っていること、ビートダウンデッキへの耐性、また、構築により苦手とされるデッキタイプへも(ある程度)アプローチできる為、今でもトップメタの一角であることに違いありません。

★デッキ雑感「青白グラシア」編~編み込まれた青白のシナジー~
「スターブラスター」への対抗手段を擁するだけでなく、【機械竜ドルチェ】の制圧力や【犬闘士フェンリル】【濃霧の魔氷フォッグ】【ペガサス・ポニー】のコントロールを備えた強力なデッキ。青のドローと白の制圧力・コントロールを備えた、青白のグッドスタッフ(良質のカードを集めできたデッキの意)タイプのデッキです。
【機械竜グラシア】にかぎらず、闘気を利用して強化するユニットの共通の弱点は、登場してから闘気を付けるまでの隙ですが、その隙を守るためのカードと、その後の【機械竜グラシア】を中心にした制圧するカードが美しいシナジーを形成する。それが青白グラシアデッキです。
 反面、先に盤面を制圧された場合、場のカードへの対処手段が少ないため、先手を取られると苦戦することもしばしば。しかしながら、【ペガサス・ポニー】【濃霧の魔氷フォッグ】によるスマッシュコントロールや【機械竜ドルチェ】の制圧力は強力で、生半可なビートダウンでは逆に返り討ちにあうことでしょう。


 これらのデッキレシピは、静岡、新潟のOPGの上位デッキにあります。オフィシャルページ左の「グランプリ」項目からとぶと、レポートにいけます。そこに上位デッキが掲載されているので、ご参照ください。
 また、予選突破レシピも様々な形のデッキがあるので、そちらも目を通されることをオススメします。
(参考)
・緑黒タッチ赤「スターブラスター」(OPG静岡2位、OPG新潟4位等)
・緑白「スターブラスター」(OPG静岡3位、8位等)
・緑青黒「スターブラスター」【深淵竜エメラルドティアー】&【妖魔の勇者】入り(OPG静岡4位)
 
・ 青白グラシア(OPG静岡1位、5位、OPG新潟1位、7位、8位)

 ●>ディメンション・ゼロ・プレイヤーズ・アソシエーション オフィシャルホームページ



 というわけで、今回は終了の時間です。
 次回は、これらに対抗するカウンターデッキについて、考えてみたいと思います。
 それではまた来週水曜の更新で。ごきげんよう~
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