goo blog サービス終了のお知らせ 

ケセラ・イズム

~人生の微分理論~
今が大事,先の事なんて知った事か!

楽譜を疑え パート2

2025-05-28 02:06:31 | 音楽鑑賞日記
メトロノームってあるじゃない?



カチカチと音を立てて,

音楽のテンポをとる器械ですね。

ベートーヴェンの友人だったメルツェルって奴が発明したんだが,
(最初に考案したのは別の人らしいけど…)

これにはベートーヴェンも大喜び。

『タッタッタッ愛するメルツェル』と言うカノンを作曲して,

その功績を讃えたんだとか。


ちなみに,

この曲の主題をもとに,

交響曲第8番の第2楽章が書かれています。


それはそうと,

メトロノームが発明されてから,

ベートーヴェンはメトロノームのテンポ指定を書き入れるようになったんだが,

これが無茶すぎなんよ笑。



指示通りにやろうとすると,

速すぎて演奏が困難ってわけ笑。

んー,

これについては,

 ベートーヴェンのメトロノームは壊れていた。

とか,

 ベートーヴェンは耳が聴こえなかったからテンポ感覚がずれていた。

などと言った説がありますね。
(どれも微妙…)

とりあえず,

盲目的にベートーヴェンの指示を守るのは危険

って事は言える。

あー,

かつてドイツの指揮者シェルヘンが,



指定に近いテンポで交響曲全集を録音してたけど,
(1965年のライブ)

オケが下手くそだったのも相まって,
(ルガノ放送響)

かなりの珍妙行列でした笑。
(いくつか名演も紛れ込んでたが…)


そーいえば,

大学オケで『第九』をやったときに,

指揮者が頑なに指定のテンポを守ろうとしたんだよな。

合奏の途中で

 ちょっと"文明の利器"を…

などと言い出し,

メトロノームを取り出すんです。

んで,

非人間的なテンポで指揮し始める。

いや,

アマチュアには無理だって…。

ホントに楽しくなかった涙。

当時のブログに

 誰か,

 あの"文明の利器"を破壊しろ!

みたいに書いている笑。

相当,腹が立っていたんだろうな笑。


まぁ,

最近では古楽器系の演奏家を中心に,

指定通りのテンポでやる演奏も増えてきたんだけどね。

オケが巧ければ,

そして演奏家に

 かくあるべし!

って意志があれば,

アリな気がしている。

問題なのは,

 楽譜に書いてあるから

と言う理由だけで,

そのテンポを採用する事。

そもそも作曲家のテンポ指定って,

絶対ではないはずなんよ。

間違っていたとの説があるベートーヴェンはもちろんの事,

他の作曲家だって怪しい。

例えば,

ドビュッシーの『海』の初演の話を思い出したい。



初演に向けたリハーサルの前,

指揮を担当するシュヴィヤールは,

ドビュッシーと綿密な打ち合わせを行いました。

んで,

その翌日,シュヴィヤールが

 昨日,あなたから指示された通りのテンポで演奏します。

と伝えたところ,

ドビュッシーは待ったをかけた。

曰く,

 今日のテンポは昨日とは違う。

ほら,

作曲家の指示なんて信用しちゃいかん笑。


と言うわけで,

今宵の我がリスニング・ルームには,

ドビュッシーの『海』が鳴り響いています。

アンゲルブレシュト/フランス国立放管によるライブ録音です。



んー,

"本場ものが絶対"などと言うつもりはないが,

やはりドビュッシーを聴くなら,

アンゲルブレシュトは避けて通れない。

ザ・フランス!



参考
ドビュッシー:管弦楽のための3つの交響的素描『海』
アンゲルブレシュト指揮フランス国立放管
1962年録音,ライブ
[DM]
この記事についてブログを書く
« かまいたち | トップ | 絶対に盛っとるやろ?笑 »
最新の画像もっと見る

音楽鑑賞日記」カテゴリの最新記事