この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#4 シェークスピアⅡ-2(全戯曲集 悲劇 喜劇 史劇)

2005年01月13日 | 英米文学
私はシェークスピア全戯曲集をもう一つ持っている。一昨日のブログで画像を紹介したのだがもう一度画像を付けておこう。

これは前に紹介した1巻もの(ニューヨーク CrownPublishers,Inc発刊 AvenalBook)とちがって、悲劇、喜劇、史劇の3巻に分かれている。それぞれが1362ページ、1120ページ、1016ページ なので合計約3500ページもある大きな本だ。紙の質もよく1冊1冊がとても重い。今目方をはかったら3冊で5キロもある。出版社はニューヨークのThe Heritage Press とある。編者はグラスゴー大学教授のProfessor Peter Alexander とある。

この本は比較的新しく買った本だ。いわば私の本棚(本棚というと整理されたものを想像するが、正直いうと雑然とした本の山といった方が適当だろう。)では新参者だ。それにもかかわらず、この大きな体裁で威張って本棚のスペースを占領しているのは他の古い本たちから言えば不本意だろう。
 この本は7~8年前に、米国南部のノースカロライナ州の州都シャーロットのアンティックショーの会場で買ったものだ。その頃私は2度目の米国勤務のため米国南部のサウスカロライナ州のグリ-ンビルの近くのイーズリー(Eeasley)という町に住んでいた。ある休日の妻とシャーロットにドライブに行った。片道120Kmほどのドライブであろうか。
 
妻は行く先行く先で必ずアンティック・ショップを訪ねたり、アンティック・ショーを見たりするのが常であった。私は仕方なく同行するわけだが、妻が食器や家具などのアンティックを見ている間に私はぶらぶらして、もし古い本などが出ていればそれをめくったりして時間をつぶす。
 
このときも同じ行動パターン。駐車場で妻と待ち合わせる時間を決めておいたが、決められた時間に私が重い何冊かの古い本を持って現れると、いつものように妻は笑った。「邪魔になるようなものをまた買ってどうするの?」
邪魔になるものではない。比較的広い米国の家では問題はない。それにシェークスピア殿に身近におれるなんてこんな幸せはない。
 
日本に帰ってくるときに、向こうで大分本は捨てたのだが、この本は持って帰って来た。すでに10年ほど前に買った1冊もののシェークスピア全戯曲集が日本にあるのは覚えていたが、この3冊ものは、どうしてもすて難かった。
 
何故せまい日本の家で2種類のシェークスピア全戯曲集がいるのかと問い詰められれば苦しいのだが、前の1巻ものは活字が小さい。また段組が縦2段になっていて狭苦しい。それに較べると3巻ものは読みやすい。活字も大きいしもちろんページのスペースも十分ある。ゆっくりとシェークスピアの世界にひたれるような感じがする。
(それなら、1巻ものを捨てればいいのではないかというわけだが、これがまた1巻ものにも使い道がある。軽いので読書会などにも簡単に持っていける。1200ページもあるのに目方は1キロしかない。 )

この本はアンティーク・ショーで買ったのだがそれほど古いものではないようだ。初版は1951年のようだ。このテキストは英国スコットランドのグラスゴーのWM. Collins Sons & Co. Ltd から許可されて使用している旨の記載がある。

この本を買って偶然に思いあたったことがある。シェークスピアは悲劇、喜劇、史劇をほとんど同じ分量だけ書いたようだということだ。3巻が字の大きさ体裁など殆ど同じなのに、3巻それぞれが 殆ど同じページ数だということだ。私たちにとって、シェークスピアといえば悲劇を思い起こす。「ハムレット」、「ロミオとジュリエット」「オセロ」「マクベス」みな悲劇だ。しかし3つのジャンルのそれぞれがほとんど同じページ数というのは面白い。 ちなみに収録されている戯曲の数でいえば、悲劇が13 喜劇14、史劇が10である。
 
現役で毎日外で働いているときには、リタイアしたら、このような本をゆっくりと読みたいと思っていたが、リタイアした今、現実なかなかそう行ってはいない。しかし、いつでも読もうと思えば手のとどくところにこのような本があるというのは何となく嬉しいことではある。
                         (シェークスピア2-2 おわり)

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新作能「マクベス」 (山崎康啓)
2006-12-09 22:46:06
シェークスピアに大変思い入れがあると推察しました。ちょっと関連してこの度、シェークスピア作の悲劇「マクベス」の「能公演」を観賞しました。マクベスのテーマ「人間の苦悩、愚かさ、悲しさ、無常」を能の伝統的手法で表現するというものでしたが、違和感は無く感動しました。マクベスのテーマが伝統的能に取り上げられているテーマと共通部分があるという事と思いました。解説で、普遍的なテーマとありましたが人間の心理は洋の東西を問わないという事と思われます。私にとっては新作能を観るのは初めてでしたが、このような意欲的な活動も能の普及に貢献するものと感じました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。