この昭和30年製作の映画を見ているうちに思いがけず出演者に「鏑木はるな」という名前が出ているのに気付いた。この映画に出演しているのだ。鏑木はるなさんには私は会ったことがある。私が昭和30年から31年にかけて大学の1年目の後半と2年目の前半の頃に私が家庭教師に行っていたお宅に住んでおられた。この女優さんは私が教えていた中学生のお母さんの妹さんだった。「はるな」という名前は本名で、何でもお父様が海軍で軍艦榛名に勤務しておられたことに由来した名前だということをお聞きした記憶がある。吉祥寺の成蹊学園の近くにお家があった。二十代の中ごろの方だったろうか。二十歳になったばかりの私にはまぶしいような人だった。
この映画のどの役で出ておられるのか。録画を注意して見てみよう。あるいは主人公の富岡(森雅之)の家の近くの飲み屋の若い女の子の役をやっていたのかもしれない。不良少女のような感じの若い女の子であり、富岡の留守に女主人公のゆみ子(高峰秀子)が訪ねてくると、いかにも自分と富岡とが関係があるようなそぶりをしてゆみ子を動揺させる。
鏑木はるなさんの役がこの役だったのかは、もう一度ゆっくりと録画を繰り返して見ないとわからないが、NHK BSで見たこの映画は思いがけず私を昭和30年ごろの思い出にふけらせてくれた。
小説の中のこの娘のことももう一度ゆっくり読んで見ようと思う。
画像:中央公論社「日本の文学 林芙美子集」昭和39年初版
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1 コメント
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- 鏑木はるな (映画好き)
- 2006-08-15 02:42:09
- 成瀬監督の映画「晩菊」(原作は林芙美子)で、耳の聞こえない女中役で出ている女優の鏑木さんが非常に印象に残りました。この人がどんな女優なのかネットで調べていても、ほとんど情報がありませんでしたので、この情報は興味深く読みました。他の映画でも、どれが鏑木さんなのか、いつも注意して見ているのですが、チョイ役が多く、良く分かりません。浮雲でもそうなのでですが、新興宗教の巫女さんがそうなのではと思ったりしています。いずれにしても、1本でもいい芝居ができれば良いと思うので、「晩菊」で杉村春子、上原謙の脇役として良い芝居のできた鏑木さんは幸せと思います。少なくとも私は、それで名前を覚えましたから。
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