日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

世知辛い世の中 2010初秋

2010-09-14 23:21:16 | 旅日記
自分の趣味活動に必須のツールでありながら、情報化社会の進展とともに急速に廃れたものが二つあります。一つはこのblogで何度も扱っているフィルム写真であり、もう一つが時刻表です。
Webの時刻表検索が普及して以来、"MATT"など都市圏の私鉄時刻表がまず姿を消したのを皮切りに、JTB, 交通新聞社と並ぶ全国版時刻表の御三家であった交通案内社の時刻表が次に姿を消し、決して好きではなかった交通新聞社のコンパス時刻表にやむなく乗り換えて6年ほど経ちましたが、ここへ来て再び動きが出ています。かつてはどこでも買えたこの時刻表が、どういうわけか店頭にほとんど見当たらなくなってしまったのです。
昔ながらのJTB時刻表と、駅でおなじみのJR時刻表、さらに二回り小さいポケットサイズの時刻表は健在なのですが、それらの中間に位置するコンパス時刻表の流通量が、目に見えて少なくなっています。なにしろ相当の大書店でもなかなかお目にかかれないばかりか、書泉グランデ栄松堂など、その筋では有名な書店の鉄道コーナーにも置かれていないのですから驚きます。たまに中規模書店で見かけたとしても、平積みにされた他のサイズの時刻表に比べて明らかに仕入れ数が少なく、この時刻表がかなりの危機的状況に陥っていることがうかがわれます。
問題なのは、交通案内社の時刻表がなくなった時と違って、今回は代わりになるものが存在しないということです。フルサイズとポケットサイズはJTBと交通新聞社からそれぞれ出ているのに対して、その中間のサイズは、交通案内社の全国時刻表なき後、交通新聞社のコンパス時刻表のみとなってしまったからです。大は小を兼ねるという言葉は時刻表については当てはまらず、フルサイズの時刻表は携帯に適さないという問題点があります。汽車旅の時はもちろんのこと、仮に全ての荷物をマイカーで運ぶとしても、地図などの資料とのバランス上もてあます大きさなのです。それではポケット版ならよいのかというとそうではなく、こちらには小駅が掲載されないという致命的な欠陥があり、どちらも(特に後者は)積極的に使いたくないという事情があります。携帯性に優れ、なおかつ全駅掲載という条件を満たすのはコンパス時刻表以外にないのですが、その特長が一般にはむしろ不利に作用してしまったのでしょうか。
汽車旅から離れて久しい今となっては、時刻表も年に一回程度買い換えるだけなので、活動再開を前に最新号を押さえて当面は安泰です。しかし余談を許さない状況には違いありません。果たして次号を手に入れることはできるのでしょうか(不安)
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