日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

夜の新宿裏通り

2008-04-09 21:18:12 | 居酒屋
今日は新宿で呑みます。学生時代の十数年間を過ごしたホームグラウンドであり、馬場と並んで私の呑兵衛としての原点というべき街ですが、よくよく考えると行きつけの店が一軒もありません。というのも、学生時代は決して上戸ではなかったからです。酒が嫌いというより、大勢で呑んで騒げばそれでいいという学生特有の呑みが嫌いだったとでも申しましょうか。カウンターの片隅で一人静かに盃を傾ける愉しみを覚えたのは三十路も近くなってからでしたが、その頃にはもう新宿から遠ざかってしまい、気がつけばホームグラウンドのはずが一番手薄になっていました。これではいけないということで、遅ればせながら開拓に乗り出した次第です。
居酒屋は自分の嗅覚で見つけるのが私の流儀です。小一時間歩き回った後で一軒目に選んだのは「うな鐵」です。その名の通り鰻料理の店で、鰻の串焼きを肴に全国の名だたる地酒がいただけます。
鰻の串焼きといえば私の中では新橋の「多吉」ですが、こちらの鰻はそれに比べてかなり上品です。悪く言うとあっさりしていてお腹にたまりません。だからといって鰻重などをいただいてしまうと、今度は酒が進まなくなるというジレンマを抱えることになります。
とはいえ一本当たりのお値段は200円台とお手頃で、そこそこ呑み食いしたつもりが想定よりもかなりお安く済んで驚いたほどです。多吉と違って女性客も入れそうな雰囲気です。串焼きとしての完成度と独特の雰囲気では多吉、取っつきやすさではうな鐵、値頃感では五分五分といったところでしょうか。生ビールがないのと、酒と焼酎(特に焼酎)が有名な銘柄に偏りがちなのが玉に瑕ではありますが、一部のプレミア銘柄を相手にしなければいいことです。
学生時代ならばこの店のよさはおそらく理解できなかったことでしょう。私も歳をとったものです(しみじみ)

★新宿うな鐵
新宿区歌舞伎町1-11-2
03-3209-3339
1100AM-200AM

住吉・磯自慢純米吟醸
お通し(ぬた)
串焼き8本・しじみ汁
〆て3610円
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