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日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の能登を行く 完結編 - 未練

2019-11-16 07:52:32 | 東海
仮にあちらが晴れていれば、立山を眺めるべく新幹線で急行したかもしれません。しかるに期待すべくもなかったことが、北陸本線経由を選んだ理由の一つでもあります。特に急ぎはしない以上、空いた「ひかり」で下るのが今回は最善手でした。小田原で「のぞみ」に道を譲った後、再び西へ下っているところです。
先週末を泊まりがけにできなかったのが痛かったと昨晩申しました。そのことによる損失を、早くも実感させられました。冠雪した富士山を、都内からでも見渡せる快晴となったからです。これなら箱根経由で清水にでも行っていれば最高だったでしょう。富士山、駿河湾の眺望はもちろんのこと、紅葉狩りもできて一石二鳥だったのだろうと想像します。それをむざむざ棒に振ることに対して、未練が募るのは人情というものでしょう。たとえ結果論にすぎないと分かっていてもです。
もう一つ結果論をいうならば、一筆書きの乗車券を買っておく手はあったかもしれません。もちろん今回限りで完結させるつもりではありますが、そもそも長岡から富山へ下っていったときも、その週末で終わりにするつもりだったのです。ところが富山に着いた後、沖縄を延ばす代わりに能登へ行くという着想を得て、さらに三度の延長を繰り返し今に至ります。今回もさらなる妙案が閃いて、帰りを延ばす可能性がわずかとはいえあったわけです。200円少々の払戻手数料と引き換えにして、そのような余地に備えることはできただけに、何故そうしておかなかったかという考えが、今更ながら頭をもたげてきた次第です。
そのように思うのは、積雪の心配が当面必要なさそうな情勢にもよります。帰り道で雪に最も警戒すべきは白馬ですが、あちらでも日中の気温は連日10度を超えており、その予報は下旬になってもほぼ変わりません。ところが、北海道にいた頃は、いつ雪が降り出すかと気を揉みながらの道中でした。あれから一月経っています。やはりあちらは別世界です。
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晩秋の能登を行く - しらさぎ7号

2019-11-02 12:22:58 | 東海
新幹線で直行するつもりのはずが、図らずも「しらさぎ」に再び乗れることになりました。金沢まで三時間の汽車旅です。
それはよいことなのですが、乗車にあたっては一悶着がありました。いや、二悶着とでもいえばよいでしょうか。最初の一悶着は荷物を引き取り名古屋駅へ向かおうとするときに起きました。宿の最寄りは伏見ですが、歩けば10分弱かかります。重荷を担いで歩くのがいささか辛くなる距離です。バス停が近くにあるなら助かるという場面でした。幸い広小路へ出たところに停留所があり、駅へ行く循環バスも来るようです。渡りに船とばかりにバスを待ちました。ところがこのバスがとんだ代物でした。時刻表の上ではすぐに来るはずが、待てど暮らせど来ないのです。本来なら次の便が来るはずの時刻が近付いても、一向に来そうな気配はありませんでした。これ以上待っても埒が明きません。地下鉄の駅まで歩く余裕はもうなく、やむなくタクシーを拾いました。
釈然としないものはありながらも、これでどうにか間に合ったとその時点では思ったのです。ところが直後に追い討ちをかける出来事が待っていました。券売機で当然買えると思っていた、「しらさぎ」から北陸新幹線に乗り継ぐ特急券が買えないのです。乗継案内の機能から照会を試みても、米原で新幹線から乗り継ぐなどという的外れな回答しか返されず、その一方で発車時刻は迫ります。今から窓口に並んでいては間に合いません。車内で買うしかないと判断して改札をくぐり、どうにか発車の15分前にホームへ上がるという顛末です。
予想外の緊迫する場面が続き、乗車前からすっかり疲れ果てました。それでも奮闘した甲斐はあり、おおむね狙い通りの位置に着席することができました。身構えていた連休初日の混雑も、蓋を開ければそれほどでもありません。大垣を出た時点でも隣の席は空いています。米原で混んだとしても、福井を出れば空くでしょう。おおむね快適な移動となってくれそうです。

★名古屋1148/しらさぎ7(7M)/1448金沢
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晩秋の能登を行く - 白川公園

2019-11-02 10:15:00 | 東海
結局九時台の列車も見送りました。「大甚本店」の巡礼が恒例化してからというもの、名古屋というと夜の姿しか知りません。日中の姿を久々に見ていきたくなったとでも申しましょうか。宿に不要な荷物を預け、やってきたのは白川公園です。
「大甚」から「末廣屋」へ向かうとき、この公園を横切ります。一角にある博物館に、電車が展示されており、かねがねそれが気になっていました。屋外の展示ながらも夜間は立ち入ることができず、遠巻きに眺めるしかなかったのです。今回ようやく明るいうちに訪ねることができました。
戦前に製造され、市電の廃止まで走り続けた1400型の記念すべき1号車で、半流線型の出で立ちに当時の流行が偲ばれます。特筆すべきは、自身の影が映り込むほど艶やかに磨かれていることです。屋外展示でこの状態を保っているとは恐れ入ります。塗り直すだけでなく、定期的に洗車をしているのかもしれません。この状態を保つためなら、夜間立入禁止とするのもやむなしです。
惜しまれるのは、広場の中央に鎮座しているにもかかわらず、街灯が近くに建っているために、十分引きがとれないことでしょうか。もう一つ惜しいのは、隣に展示されているはずの蒸気機関車が見当たらないことです。案内板には工場で分解・検査中とあります。静態保存ならその場で塗装すれば済みそうなものを、わざわざ搬出してから整備しているということです。ならば電車の美しさも宜なるかなと思えます。二両が揃い踏みした姿も一度は見てみたいものです。
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晩秋の能登を行く - 名古屋クラウンホテル

2019-11-02 08:44:52 | 東海
昨晩の名古屋の宿は空いており、予約サイトで照会すると170を超す候補がありました。こうなると値段だけ比べていても決まりません。大浴場付きという条件で五分の一ほどに絞り、料金と利便性も勘案して選んだのは、結果として前回泊まった名古屋クラウンホテルでした。
「大甚本店」が徒歩圏内、大浴場付きで料金も格安という、自分にとって理想的な宿というのが前回泊まったときの印象です。今回宿泊するにあたり、自分の中の候補としていの一番に浮かんだのもここでした。五年ぶりという事情もあり、念のため一通り調べてはみたものの、元の鞘に収まるという結果です。上前津にあるという和室の旅館も捨てがたかったものの、「大甚」の看板が気になりだすに至り、店まで歩けるという条件が決め手となりました。
記憶していた以上の大きい宿です。広大なロビーと宴会場を備え、低層階では100近く、高層階でも50もの客室があります。11階まであるということは、単純に考えても五百室を大きく超える宿ということです。適度に古びたところを含め、宇都宮のホテルニューイタヤを彷彿させる雰囲気があります。ただし、文字通り巨大な大浴場は、あちらにもない美点です。

これで五千円台後半なら申し分ありませんが、今回はさらなるおまけがつきました。素泊まりと思って手配したはずが、実は朝食付きだったのです。予約サイトで県下一位に選ばれたそうで、館内にはそのことを喧伝する幟が立ちます。そこまでして喧伝されると、期待も否応なく高まるというものでしょう。しかしてその結果は、期待を超えはしないものの、さりとて裏切ることもないというものでした。
まず思ったのは、これが県下一かということです。自身の中で最高峰に位置付けられる朝食といえば法華クラブですが、あちらに比べやや見劣りするように感じられました。その理由に気付いてきたのはしばらく時間が経ってからです。見劣りする点は味、献立というより食器にあります。お椀型の食器を中心に樹脂製の安物が多用され、なおかつそれがくたびれているために、同じものを盛り付けてもみすぼらしく見えてしまうのです。言い換えると、内容的にはあながち悪くないということでもあります。
海老フライ、串カツ、どて煮を始め、いかにも名古屋らしいものが揃い、味噌汁はもちろん八丁味噌。秋刀魚、蓮根、菊芋など、惣菜にも八丁味噌が使われるのが名古屋ならではです。1100円の正規料金を払ってまでいただきたいと思うほどではないものの、宿泊料に含まれるなら十分な値打ちがあります。おかげで朝からすっかり満腹、昼は抜いてもよさそうです。
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晩秋の能登を行く - 二日目

2019-11-02 07:30:13 | 東海
おはようございます。前座の名古屋編はひとまず終わり、今日は能登への移動という一仕事が控えています。金沢行の「しらさぎ」は七時台、八時台、九時台に出て、そこから先は二時間おきの運行です。七時台の列車にはもう間に合わず、八時台の列車に乗ろうとしても慌ただしくなります。朝食をいただいて朝風呂を浴び、十時前の列車に乗る流れとなりそうです。
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晩秋の能登を行く - 名古屋中郵便局

2019-11-01 22:39:39 | 東海
「末廣屋」を訪ねたのは一石二鳥でもありました。大須の局にゆうゆう窓口があるからです。名古屋駅では待ち客があまりに多くて退散せざるを得ませんでしたが、これで埋め合わせができます。観世音の提灯と鯱鉾、テレビ塔をあしらった、名古屋の局と一目で分かる風景印を、ゾロ目の日付でいただきました。
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晩秋の能登を行く - 名古屋の夜

2019-11-01 19:03:19 | 東海
風景印を求めて名古屋中央郵便局を訪ねるも、平日の帰宅時間に重なったのがまずかったか、待ち客が80人以上というまさかの事態が起きていました。それでは話になりません。地下鉄に一駅乗って市街へ移動し、投宿して風呂から上がったところです。
ただでさえ早い「大甚本店」の看板が、品切れにより繰り上げられることも多いと聞きました。看板がとりわけ早い土曜のことではありますが、六時を待たずにほとんどの品が切れ、終盤の様相を呈していたという経験もあります。それだけに、一刻も早く暖簾をくぐりたいのはやまやまでした。しかし、重荷を担いで歩くうちに、かなりの汗をかいたため、何はさておき一風呂浴びずにはいられませんでした。ようやくさっぱりしたものの、身体の芯が温まっています。この状態で屋内に入り、燗酒などいただけば再び汗が噴き出すでしょう。そうなると落ち着いて呑めたものではありません。もう少し汗が引くのを待ってから出直します。
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晩秋の能登を行く - 関西本線

2019-11-01 17:38:30 | 東海
その後はまっすぐ桑名駅へ戻りました。50km少々走ってレンタカーでの活動は終了、投宿地となる名古屋へ戻ります。
行きは深く考えないまま近鉄電車に乗りましたが、よくよく考えると桑名なら関西本線も使えます。時刻表を調べたところ、近鉄の方が若干早く着くものの、10分足らずの違いしかありません。その結果、運賃が100円安く、クロスシートに座って帰れる関西本線を選ぶという顛末です。
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晩秋の能登を行く - 糸吉果言侖

2019-11-01 16:10:01 | 東海
その後は大安の鉄橋で上り列車を撮影。二時過ぎから保々の手前の直線区間に移動して下り列車を撮り、四時過ぎに来た赤電塗色の701系をもって打ち止めとしました。
多少は盛り返したものの、逆転勝ちには持ち込めなかったとでもいえばよいでしょうか。二時前から晴れる時間が長くなり、三時前に来る下りの貨物列車は狙い通りに仕留めました。しかし、四時前から西と北の空が分厚い雲に覆われて万事休す。それでも感度を上げれば撮れてしまうのはデジタル写真の威力ですが、いかにも中途半端な一駒となってしまいました。
終わってみれば、文句なしの快心作といえるのはせいぜい二、三にすぎませんでした。駅から歩ける程度の撮影地だったことを考えると、乗車の合間に撮る程度でよかったともいえ、車は必要なかったということもできます。しかしそれはあくまで結果論です。少なくとも、名古屋へ向かう時点では、撮影を主体にするのが最善の選択だったのは事実なのです。既出の撮影地であっても、再訪により新たな撮り方に気付くという収穫もありました。それが次以降に生きてくると信じたいものです。
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晩秋の能登を行く - 画竜点睛

2019-11-01 12:04:02 | 東海
午前から昼にかけて三岐線を撮影するなら、最も手堅い場所の一つが通称ミルクロードこと県道140号線の跨線橋です。藤原岳を背に南下する上り列車を撮影し、正午前の列車でひとまず切り上げました。
雲一つない快晴に喜び勇んで車を借りたはよいものの、こちらへ着くや雲行きが変わりました。岐阜との県境の方から大きな雲がいくつも流れ、日が射す時間と陰る時間が半々程度になってしまったのです。着いた直後に来た列車は、日が陰ってしまい仕損じました。後続列車は仕留めたものの、本命の貨物列車の一部が陰ってしまいました。一部で済んでよかったともいえますが、画竜点睛を欠いてしまったのは否めません。正月に通ったときも、名古屋では晴れていたにもかかわらず、沿線では曇ってしまったという経験が何度かあります。地形の関係で雲が出やすい場所なのでしょうか。
とはいえ、雲がいささか多すぎるということであり、空全体が曇っているわけではありません。そのうち晴れると期待して引き続き粘ります。
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晩秋の能登を行く - 桑名郵便局

2019-11-01 09:20:37 | 東海
直ちに列車を撮るかというとさにあらず。まずは郵便局に立ち寄ります。実は、レンタカーの営業所で用紙に記入を求められたとき、今日の日付がゾロ目なのに気付いたのです。改元初日の5月1日、風景印を記念にもらえばよかったと翌日になってから気付き、思わず臍を噛みましたが、今回も危うく忘れるところでした。名古屋に戻り次第、あちらの局でもいただくことになるかと思います。恰好の記念の品となりそうです。
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晩秋の能登を行く - 木目木奉

2019-11-01 09:07:06 | 東海
桑名に着きました。車を引き取って出発します。本日の相棒は名古屋ナンバーのカローラアクシオです。
レンタカーでの活動を思い立ったとき、まず考えたのは名古屋駅の営業所です。しかし、平日という条件を考えると、市街への出入りがいかにも面倒そうでした。そこで、桑名にあってくれれば好都合と考えて調べると、バジェットレンタカーがあったため、こちらの世話になるという顛末です。丹生川が最寄りという、タイムズカーレンタルの風変わりな営業所があり、こちらを使えば乗車もできて一石二鳥だったのですが、どういうわけか直前の手配ができず、11時以降になるとのことでした。千円引きのクーポンが使えるという条件もあり、今回はバジェットレンタカーに決まった次第です。こうして訪ねた桑名駅前店、その昔は賑わっただろう、しかし今は廃れた駅前の名店街に入居する、少し怪しい店舗でした。
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晩秋の能登を行く - 近鉄電車

2019-11-01 08:38:34 | 東海
名古屋に泊まると申しましたが、滞在するとは申しませんでした。好天をどう生かすか思案の末、近鉄電車に乗り継ぎました。目当ては三岐鉄道です。
乗っても楽しい路線だけに、久々に乗車するにもやぶさかではありません。しかし、雲一つない快晴ならば、乗るよりも撮りたくなるのが人情ではあります。撮影を主体にするなら車の方が圧倒的に便利です。せめてもの貢献をしていきたいのはやまやまながら、今回はレンタカーでの活動となります。
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梅雨空の京都を行く 2019 - 痛み分け

2019-06-08 14:18:58 | 東海
大垣で降り、面倒と思いながらも跨線橋を渡りました。しかし、待てど暮らせど米原行の列車が入線してきません。ホームで延々待たされた挙句、ようやく入線してきたのは発車の五分前です。結局岐阜から来た後続列車が先に着いてしまいました。とはいえあながち無駄だったともいえません。後続列車が着く以前の段階で、相当数の待ち客が出ていたからです。その状況で加わっても、着席できるかどうかは何ともいえませんでした。一番手で待ち、首尾よく着席できたため、痛み分けということにしておきましょう。

★大垣1410/3223F/1445米原
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梅雨空の京都を行く 2019 - 争奪戦

2019-06-08 13:42:34 | 東海
梅林公園と加納宿に寄ってから自転車を返却。四時間半にわたる滞在はこれにて終了です。再び西へ下ります。
15分間隔で運転される大垣までの区間に対し、そこから先は本数が半減します。つまり、大垣で米原行に接続するのは二本に一本ということになりますが、やってきたのは接続しない列車でした。正確にいうと、急げば間に合うかもしれない前の列車をあえて見送り、接続しない方の列車を選びました。本数だけでなく両数も削減される区間です。大勢の乗り換え客が我先にと跨線橋を渡っていく、争奪戦のごとき様相を呈するのが経験上分かっています。あれを嫌ったというのが真相です。

★岐阜1335/5503F/1347大垣
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