日本共産党座間市議会議員もりや浩一のもりもりレポート

いつも元気もりもり!もりや浩一の活動の様子をお伝えします!市民の切実な声を出発点に活動します。

有機フッ素化合物汚染の対策を求めて一般質問

2023年06月03日 | 環境
6月2日に次の3テーマについて一般質問しました。

1.学校体育施設利用団体のトラブルと座間市立学校体育施設開放実施要領について
2.戦闘機の爆音とオスプレイをめぐる問題について
3.有機フッ素化合物汚染への対応と基準改定の見通しについて

傍聴してくれた皆さん、ありがとうございます。
この中の大項目3番目について質問内容をご紹介します。
答弁は自分のメモ段階ですが、
「(どういう分布状況ならばどう対応するのか)汚染原因を特定できないと思われる」
「市内の有機フッ素化合物の汚染分布状況の結果を踏まえて対応する」
「因果関係を明らかにできない段階ではキャンプ座間の立ち入り調査は求めない」
「県内の相次ぐ有機フッ素化合物問題があり土壌や水質の現状把握について緊急要請をした」
「風評被害につながるおそれがあり市内事業者の排水調査の協力は求めない」
「高濃度PFAS汚染の鳩川は農業用水には利用していない」
「活性炭フィルターやプラズマ処理も含めて様々な方策を注視する」
「データの蓄積をしていき、有識者の意見を参考にして対応する」
「専門家の意見をいただくようなチームの創設という点、ご意見を受け止め、国の水質基準の改定を見ながら検討する」
「第1水源と第2水源は暫定基準値を下回っている、国の基準が変わったときは対応する」
などでした。

----(以下、長文です)
続いて大項目3番目の有機フッ素化合物汚染への対応と基準改定の見通しについて伺います。前任者も取り上げていましたが、私は2022年3月議会から連続して一般質問で有機フッ素化合物の問題を取り上げてきました。有機フッ素化合物はペルフルオロオクタンスルホン酸、以下PFOSと、ペルフルオロオクタン酸、以下PFOAとしますが、総称PFAS(ピーファス)と言われています。環境省の暫定指針値は、PFOS、PFOAの合計で1リットル当たり50ナノグラムとなっています。
アメリカ環境保護庁では、一定レベルのPFASにさらされると、生殖への影響、子どもの発達の遅れや低体重児、ワクチン反応の低下、免疫能力の低下、乳がんや甲状腺疾患や潰瘍性大腸炎のリスクなどが出る可能性があるとしています。市民の方々からは、座間市の地下水は大丈夫なのか不安です、早く汚染原因をはっきりさせてほしい、などの声が寄せられています。
座間市で2021年10月、飲み水に使う第3水源から100ナノグラム/L検出されて取水停止となりました。宮ケ瀬ダムの県営水道で不足分を補足して県水受水費が約2000万円増加しています。第3水源はキャンプ座間の南東約1.3kmに位置していますし、下流には米軍の地下水施設があります。水質汚濁防止法では要監視項目にPFOS、PFOAが追加され、座間市独自で地下水源を測定していて、ずっと第3水源で暫定基準値を超過しています。市独自で河川と地下水の調査をすることになり2022年7月20日の座間市地下水採取審査委員会を開催して地下水の専門家などの意見をもとにして調査地点を決定しました。2022年9月15日の市内の井戸5地点と湧水1地点の検査、PFOSとPFOA合計で1リットルあたり最低6.2ナノグラム、最高18ナノグラム。同9月29日に河川2地点の検査、平和橋下流流入排水路(鳩川)でPFOSが170ナノグラム、PFOAが12ナノグラム。一方、寒川橋(目久尻川)は合計32ナノグラムという結果でした。2023年1月26日、市内の同じ6地点を検査した結果を見ると、ひばりが丘の井戸はPFOS17、PFOA5で合計22ナノグラムが最大で、緑ヶ丘の井戸はPFOS3.6、PFOA6.3で合計10ナノグラムが最小という結果でした。同じ6地点で2022年9月検査と比べると全体的に少し増えました。緑ケ丘の井戸を除いて他はいずれもPFOAよりPFOSのほうが高くなっています。また、神奈川県が2022年10月21日に実施した検査では、過去に暫定基準値を上回った市内2カ所でした。緑ヶ丘の地下水でPFOS41、PFOA24で合計65ナノグラムでした。鳩川の見取橋はPFOS14、PFOA8.8で合計23ナノグラムとのことでした。なお有効桁数2桁で処理しているため合算値は必ずしも一致していません。
PFOSは泡消火剤や金属メッキや半導体など、PFOAは繊維や包装紙やテフロン加工などに使われています。PFAS汚染原因の解明に向けて考察すると、座間市が発行する「湧水ざまップ」で第3水源の湧水と同じ低地部の流れが米軍キャンプ座間のところにあたります。また、座間市地下水保全基本計画で地層の東西方向の図では座間中学校南辺りで座間丘陵と相模原台地が区分され一番下の上総層群が盛り上がっているため、第3水源近くの座間中学校より西側から東側への(その逆も)地下水の移動は考えにくいです。第3水源を挟んでキャンプ座間と反対側に日産工場など市内事業所があります。上流部には相模原市南区の麻溝台アンド新磯野の再開発地帯があり、さらに上流に米軍相模総合補給廠があります。汚染原因を絞る方針が必要と考えます。そこで、1 2023年3月と5月の地下水採取審査委員会において有機フッ素化合物汚染への対応内容について伺います。また、PFOSの方がPFOAより高い値を示す中でどういう原因解明の方針としているのか、全市的な分布状況の把握にむけて調査地点を増やして、スピード感をもって対応すべきと考えますが、見解を伺います。

次に、PFOSを含んだ泡消火剤の処理についてです。環境省は800度以上の高温で燃焼処理を指定、保管場所の表示、半年1回点検、点検記録の帳簿は最後の記入日から5年間保存。これに違反すれば6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金としています。私は、沖縄の米軍基地や横田基地の周辺などで高濃度PFAS汚染であることから米軍キャンプ座間の泡消火剤の影響ではないかと指摘してきました。当局は「本州の在日米陸軍基地では2016年以降の訓練でPFOSを含む泡消火剤は使用せず、適切に管理している」「市内の汚染分布状況を把握して、米軍基地への立ち入り調査は分布状況を見て検討する」と答弁してきました。では、米軍が泡消火剤の処理を適切に行っている(いた)のか立ち入り調査が必要と考えます。2 防衛省や南関東防衛施設局に対して、有機フッ素化合物汚染の原因解明のため米軍基地に立ち入り調査の協力を求めないのか伺います。
この点で、日米の環境補足協定では現に流出などがないと効力がありませんが、過去の事例や疑いのある段階でも適用できるように環境補足協定の改定や日米地位協定の改定を求めないのか伺います。

市は水質汚濁防止法で水質基準とならないと事業者に排水検査はできないとのことでした。そこで私は、1998年制定の「座間市の地下水を保全する条例」第5条、事業者の責務としての地下水保全という項目があり、これをもとにして排水調査へ協力してもらうよう提案してきました。
2023年度当初予算で調査費用が予算化されました。本年5/20付の神奈川新聞によると、2023年5月19日、座間市地下水採取審査委員会が行われて。2023年9月、平和橋近くに設置されている排水路口から河岸段丘に位置するキャンプ座間までの約500mの範囲。埋設されている排水路をさかのぼる形で10地点の雨水桝を分析するとのことです。私は、これは第3水源の汚染原因の解明につながることを期待していますし、キャンプ座間の立ち入り調査の必要性を示せるか注目したいと思います。そこで伺いますが、3 地下水保全条例に基づき市内事業所に排水調査の協力を求めたのですか、まだならどんな状況が出てくれば実行するのか伺います。

次に、農業用水について伺います。藤沢市では高濃度PFASが検出された引地川を農業用水に利用していることがわかりました。引地川の値は今でも15年前と殆ど変わらず150ng/Lあるそうです。引地川水系の農業用水をみると、上流から大和市内の若宮堰(せき止めるのでなく、川底から取水する方法)で取水します。過去には大和市内の農家が農業用水で使用していました。現在は下流の藤沢市の農家が水田に使用。次の長後堰でも現在水田として使用しているそうです。座間で鳩川を農業用水に利用して影響が懸念されるかは今後の検討課題になると考えます。4 藤沢市で引地川水系の農業用水が水田などに利用されていて、過去には大和市でも利用されていましたが、座間市内では鳩川水系の利用がどのようにされているのか伺います。

次に、化学工学の世界では、水(酸、塩基)に溶ける親水的なものは吸収塔で、疎水的なものは活性炭の吸着塔でと習うそうです。PFOSはフッ素の部分(C8F17)は疎水的で、カルボン酸の部分(SO3H)は親水性です。粒状活性炭フィルターを設置するなど市営水道を維持すべきと考えます。また、有機フッ素化合物の血中濃度検査を求めてきましたが「国に求めず市でも行わない」といった答弁でした。日米地位協定の第3条第3項では、米軍が周辺の住民の生活に妥当な考慮を払わなければいけない。日米地位協定に基づく損害賠償を求めることもあり得ます。防衛省、外務省、環境省、厚生労働省など国の責任で事態の根本的な打開をはかるべきと考えます。水道は生活する上で最も重要なライフライン、住民の命や安全が脅かされているという認識に立って、安全で安心できる水道事業を営む座間市の責務を求めます。5 有機フッ素化合物汚染への対応で活性炭フィルターの検討を伺います。活性炭フィルターではPFOAを減らせてもPFOSはあまり減らせないという研究結果もありますが、「逆浸透膜・活性炭フィルター」という実例あり。飲み水対策のこういう点について精通するような組織や機関を新たに設置してはどうかと、上下水道局の見解を伺います。

次に、プラズマを使って有機フッ素化合物を分解する研究についてです。東京工業大学の安岡康一教授らの水中気泡内プラズマリアクタで分解するという研究があります。水中気泡内プラズマリアクタが20万円と電源システム30万円と電力とガス代が出せれば稼働できるとのことです。PFOSの泡消火器の管理や処分について環境省が、800℃の燃焼処理することと定めているので、プラズマは研究段階なのでしょう。既にある紫外線利用やウルトラソニックに比べて、より少ない電力で水中気泡内プラズマリアクタはPFOSを分解できるそうです。もともとプラズマは界面活性特性を有する物質の分解に効果的だったことから、この可能性に着目し、実証レベルにまで仕上げたという研究です。
6 プラズマによる化学物質の分解は高エネルギーの電子によって結合を切ることから、水中気泡プラズマ装置による有機フッ素化合物汚染への対応の検討を伺います。飲み水対策のこういう点について精通するような組織や機関を新たに設置してはどうかと考えますが見解を伺います。

次に、基準改定の見通しについてです。いま世界中でPFAS規制強化の流れがあり、アメリカ環境保護庁は規制強化の動きを示しています。英文を私は見ましたが1兆分の4、0.004ナノグラムという記載があり、4ナノグラムになるかわかりませんでした。本年5月7日、この問題の専門家である小泉昭夫教授の解説を聞く機会がありました。腎臓がんのリスクからすれば0.27ナノグラムなのに、検出限界が4ナノグラムで「検出下限値より低い値を基準にされてもどうなのか」というコメントを考慮したとのことです。現在の日本の暫定目標値50では高すぎること、今後、世界保健機関の一機関であるIARC(International Agency for Research on Cancer)という国際ガン研究機関がPFASを発ガン性分類のクラスⅡbからⅡaに引きあげる可能性があること、そのための専門家とデータを求めていること、日本が50の基準のままでいくには専門家もデータも出すべきであること、もし発ガン性分類のクラスⅡaに引き上げられたら日本の基準も発がん性物質に対応するのでより厳しくなるだろうということ、がわかりました。7 有機フッ素化合物の基準が世界的に厳しい傾向、国の暫定基準値が変わることもあり得ますので、飲料水対策としてその準備をしているのか、準備すべきと考えますが上下水道局の見解を伺います。

座間市の第1水源と第2水源は20~40ナノグラム検出されています。環境省が基準を厳しくすれば座間市の残る二つの水源も取水できず県営水道だけになりかねません。8 第1水源、第2水源は暫定基準値を下回っているとはいえ比較的高い値となっていることの分析に加えて、国や県の測定数値などもあるので全体的にならして考えて、座間市全体の地下水に対する分析はどうなっているのか伺います。
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再質問で
東京の多摩川での汚染の実態を調査して汚染源を三つに絞り込んだそうです。それは、電子部品・デバイス製造業、輸送機械器具製造業、横田基地でした。排液調査で順に58000ナノグラム、240ナノグラム、410ナノグラムでした。どういう汚染分布なら汚染原因をしぼれるのですか?

秦野市では約8割が地下水で、飲用でない井戸で200ナノグラム検出されて問題になっています。これまでは工業地帯の水源を測って20ナノグラム程度検出していたそうです。2023年度から全地域の原水と浄水の検査をすることとなったそうです。秦野市と情報共有をしながら対策を進めてはどうですか?

2016年3月10日の第190回国会参議院外交防衛委員会会議録第4号10頁に、「米国側から通報がない場合であっても、日本側として環境汚染を疑う場合には、1973 年合意に基づき、米国側に調査要請や立入許可申請等を行うことができる」とあるので立ち入り調査はできるのではないですか?

これらの再質問にいっていの答弁がありました。

今後も有機フッ素化合物問題の対策を求めていきます。
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