前回に続いて、このブログを読んでくださっている皆さんにご挨拶しております。それで、このブログを続けるにあたっての宣言が続くのですが、、、
私は巷で流行っているブログのような、朝食べたものの話とか、仕事場でやらかした些末な失敗談とか、そういうのはここに書きません。というか書けない。苦手です。
たとえば、私はこの夏、子供にせがまれてカブトムシを飼っています。7才の子どもと林に探しに行って、メスを一匹捕まえました。オスを店で買ったら、二匹は順調に契って、卵を産んで、今、幼虫が順調に育っていますが、こんな話は子供たちとしさえすればいいこと、書いても空しいので二度と書きません。
また、多くの監督さんたちがやっておられるように、今やっている仕事の話を、同時進行で書くという事は、やってみたいですが、なかなか難しい事情があります。たとえばスタッフ同士、その場その場でいろんなことを言い合いますが、その中には、いちいち真に受けていたらキリがないような軽口もあります。そうしたやりとりを通して、笑ったり怒ったりというのが、作品作りの毎日というもので、その激しい渦の中にいる限り、客観性を見いだしにくいのです。書いたことが結果的に事実を言っていない、嘘になってしまう可能性があるので、同時進行で書くのは難しいのです。「猫の恩返し」のように、3年ぐらいたてば、距離を置いて真実を見通せるのですけどね。
ただ、作品世界についての話や、演出意図についての話は、できるだけ書きたいと思います。先日の「マチスモ」の話や「起承転結」の話も、今の仕事の問題意識から生まれています。「監督日記」のカテゴリーに入れているのは、そういう意識からです。実はこっそり、仕事にかなり直接関係していることを書いていますので、そうした意識で読んでいただけると私の本意にかないます。
そして、これは細かい話ですが、私は出来るだけ、人の話も実名で書きます。書かれる人の身になると、考えどころなのですが、たとえば私が「プロデューサーと話していて・・」と実名を隠すと、読んだ人は「猫の恩返しの監督だから、そのプロデューサーとは鈴木敏夫さんだな」と誤解してしまう事が多いのです。そういうことがないようにと、たとえばT橋さんとか、限りなく実名が分かる伏せ字にするというワザがありますが、そんなんだったら最初から、はっきり名前を出した方がよい、と考えます。ですが、これだけは約束したいのですが、人に深刻な迷惑をかけたり、誰にもまったく無益なことなどは書きません。読んで面白い話、役立つ話を書く事につとめたいと思います。
そして最後にひとつ、表明いたします。私はこのブログ上で、アニメーターの仕事について考え抜いた論考をまとめたいと思っています。相当時間がかかるかも知れませんが、歴史、私の経験、技術論など、すべてを網羅して、アニメーターの仕事について考え抜くということを、このブログ上での、私のライフワークにしたいです。
本当はそうしたことは、仕事場で仲間を巻き込んでやるべきことかもしれないのですが、これが今まで20年、意識してきてまったく出来なかったことなのです。商業アニメーションの余裕のない現場では、やはり限界がある。このまま、現場で抱えた疑問や不満がずっと解消されないのはイヤなので、糸口を見つけだすために書きます。
私は、お調子者で、饒舌と思われがちですが、対話が下手で、議論で相手の言うことに即座に反論する、という反射も鈍い。前回書いた、雑誌の取材で短くうまく話すのに失敗するという話は、与えられる時間の問題よりも、これが原因です。前述の「裸木」の私の文章を読んで、私と会ったある人(忘れた)は
「あの文章の印象から、もっとしっかりした人物が現れるかと思った」
と言いました。監督としての素養にも関わる問題なので、私は大いに危機感を感じます。私が、ここに長々と論説を連ねるのは、自分の言葉を鍛えたいと思っているからでもあります。
こんな私の面倒くさい話を読んでくださっている方、本当にありがとうございます。コメントやメールでの反応を刺激にして私も書き続けられます。ま、おそらく、こんな小難しいブログに、反響が押し寄せることもないでしょうから、いただいた反応には、できるだけ返信いたしますので、疑問や質問、批判などありましたら、遠慮なく送ってください。公開のコメントに気が引ける方は、このgoo専用のプライベートアドレスにどうぞ。毎日はチェックしないので、返事が遅れるかもしれませんが、必ず読みますので。
goaisatusita@goo.jp
今後もよろしくお願いします。
私は巷で流行っているブログのような、朝食べたものの話とか、仕事場でやらかした些末な失敗談とか、そういうのはここに書きません。というか書けない。苦手です。
たとえば、私はこの夏、子供にせがまれてカブトムシを飼っています。7才の子どもと林に探しに行って、メスを一匹捕まえました。オスを店で買ったら、二匹は順調に契って、卵を産んで、今、幼虫が順調に育っていますが、こんな話は子供たちとしさえすればいいこと、書いても空しいので二度と書きません。
また、多くの監督さんたちがやっておられるように、今やっている仕事の話を、同時進行で書くという事は、やってみたいですが、なかなか難しい事情があります。たとえばスタッフ同士、その場その場でいろんなことを言い合いますが、その中には、いちいち真に受けていたらキリがないような軽口もあります。そうしたやりとりを通して、笑ったり怒ったりというのが、作品作りの毎日というもので、その激しい渦の中にいる限り、客観性を見いだしにくいのです。書いたことが結果的に事実を言っていない、嘘になってしまう可能性があるので、同時進行で書くのは難しいのです。「猫の恩返し」のように、3年ぐらいたてば、距離を置いて真実を見通せるのですけどね。
ただ、作品世界についての話や、演出意図についての話は、できるだけ書きたいと思います。先日の「マチスモ」の話や「起承転結」の話も、今の仕事の問題意識から生まれています。「監督日記」のカテゴリーに入れているのは、そういう意識からです。実はこっそり、仕事にかなり直接関係していることを書いていますので、そうした意識で読んでいただけると私の本意にかないます。
そして、これは細かい話ですが、私は出来るだけ、人の話も実名で書きます。書かれる人の身になると、考えどころなのですが、たとえば私が「プロデューサーと話していて・・」と実名を隠すと、読んだ人は「猫の恩返しの監督だから、そのプロデューサーとは鈴木敏夫さんだな」と誤解してしまう事が多いのです。そういうことがないようにと、たとえばT橋さんとか、限りなく実名が分かる伏せ字にするというワザがありますが、そんなんだったら最初から、はっきり名前を出した方がよい、と考えます。ですが、これだけは約束したいのですが、人に深刻な迷惑をかけたり、誰にもまったく無益なことなどは書きません。読んで面白い話、役立つ話を書く事につとめたいと思います。
そして最後にひとつ、表明いたします。私はこのブログ上で、アニメーターの仕事について考え抜いた論考をまとめたいと思っています。相当時間がかかるかも知れませんが、歴史、私の経験、技術論など、すべてを網羅して、アニメーターの仕事について考え抜くということを、このブログ上での、私のライフワークにしたいです。
本当はそうしたことは、仕事場で仲間を巻き込んでやるべきことかもしれないのですが、これが今まで20年、意識してきてまったく出来なかったことなのです。商業アニメーションの余裕のない現場では、やはり限界がある。このまま、現場で抱えた疑問や不満がずっと解消されないのはイヤなので、糸口を見つけだすために書きます。
私は、お調子者で、饒舌と思われがちですが、対話が下手で、議論で相手の言うことに即座に反論する、という反射も鈍い。前回書いた、雑誌の取材で短くうまく話すのに失敗するという話は、与えられる時間の問題よりも、これが原因です。前述の「裸木」の私の文章を読んで、私と会ったある人(忘れた)は
「あの文章の印象から、もっとしっかりした人物が現れるかと思った」
と言いました。監督としての素養にも関わる問題なので、私は大いに危機感を感じます。私が、ここに長々と論説を連ねるのは、自分の言葉を鍛えたいと思っているからでもあります。
こんな私の面倒くさい話を読んでくださっている方、本当にありがとうございます。コメントやメールでの反応を刺激にして私も書き続けられます。ま、おそらく、こんな小難しいブログに、反響が押し寄せることもないでしょうから、いただいた反応には、できるだけ返信いたしますので、疑問や質問、批判などありましたら、遠慮なく送ってください。公開のコメントに気が引ける方は、このgoo専用のプライベートアドレスにどうぞ。毎日はチェックしないので、返事が遅れるかもしれませんが、必ず読みますので。
goaisatusita@goo.jp
今後もよろしくお願いします。
既に何度か投稿させて頂いておる者です。
監督の事は「猫の恩返し」でお名前を知り
(とてもさわやかな感じがして好きな映画でした)
その後、最近になって知り合いから薦められた
「ぼくらの」(良いか悪いかはさて置き「凄い
漫画だなぁ」と思います)で、再びお名前を
お見かけした次第です。
「あの時の監督が、この作品をどんなアニメに
するんだろう」などと興味を持ち、色々調べて
いるうちに、このブログに辿り着きました。
既に多くの方がコメントを寄せられていて、
自分もその流れに乗って投稿してしまいました
が、熱くなり過ぎてしまい、反省しております。
暫く頭を冷やそうと思います。
私も、監督と同じ「物語でしか話せない人」です(笑)書き出すときりがないのでこの辺で止めます。
良い作品を創る事ができますよう、応援させて
頂きます。