森田宏幸のブログ

Morita Hiroyukiの自己宣伝のためのblog アニメーション作画・演出・研究 「ぼくらの」監督

原作漫画とアニメーションの関係 その2

2006年08月30日 02時22分07秒 | 監督日記
 分かりやすい例をもうひとつ。今度は日本語教師Mさんからの指摘にまつわる話。  私がドイツに行った時、Mさんは、日本から送ったすでに放送中のMONSTERのビデオを見ていた。私はMONSTERの絵コンテマンに過ぎないのだけれど、スタッフのひとりがはるばる日本から来たというだけで、とても喜んでくれたのだ。そして張り切って、ビデオを見た感想を聞かせてくれる。感想を話しながら自然とMさんは、アドバイザ . . . 本文を読む
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原作漫画とアニメーションの関係 その1

2006年08月28日 02時26分57秒 | 監督日記
 では、私が言うところの原作漫画とアニメーションの微妙な関係とは何か。  それにはまず、微妙ではなく極端な例から紹介するほうが分かりやすい。それは、マッドハウスで制作されたテレビシリーズ・MONSTERだ。この作品は浦沢直樹氏の原作漫画どおりに作られた例で、そうなり得たのは、原作がまるで、映画化を想定して描かれたのではないかと思われるぐらい映画的な漫画だったからだ。私は、この作品で絵コンテや原画 . . . 本文を読む
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続・ファシリテーション

2006年08月23日 02時51分44秒 | 監督日記
 先日は、和食か洋食かという例で、話を分かりやすくしたけれど、本当はこんな簡単なものじゃない。もしも「我々は日本人だから和食」と言い出す人がいるとしたら? 日本人とは何かという、文化や民族の枠組みをとらえなければ議論できない。それは生半可なことじゃない。もしも我々の文化や生活習慣を否定されたら? 私たちの足元が直接揺さぶられかねないのである。  意見の対立が深刻なものであるとき、その意見は、その人 . . . 本文を読む
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ファシリテーション

2006年08月22日 02時36分04秒 | 監督日記
 ファシリテーションという技術があるらしい。アメリカで考案された、会議を円滑に進めるためのノウハウ。今や日本の企業でも取り入れているところが多いと聞く。  ファシリテーションの技術を屈指し、会議の司会進行を務める人のことをファシリテーターという。ファシリテーターは会議に参加するメンバーのひとりひとりの意見が明確になるように舵を取り、いかなる少数意見も無視せず取り上げ、構造化し、全員一致の結論を導き . . . 本文を読む
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花火大会の場所取り

2006年08月20日 18時43分39秒 | サン・アート
 もう先週のことになってしまったけれど、梅原健二さんの誘いで、六郷土手の多摩川河川敷での花火大会に出かけてきた。  毎年梅原さんがご家族で見物する場所をとってくれて、サンアートのメンバー数人で花火見物するというのが恒例になっているが、その場所の取り方が独特である。  4畳半ぐらいの大きな敷物を敷いて、その真ん中に「梅原組」と書くのである。見た人はヤクザ関係者と恐がって近寄らない。窮屈に混み合う河 . . . 本文を読む
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蜃気楼文明

2006年08月13日 01時27分32秒 | 監督日記
 ナスカの地上絵を思い出して資料を探したら、面白い本に出会った。  ヘルムート・トリブッチ著「蜃気楼文明」(渡辺正訳 工作舎 1989年初版)  あのナスカの地上絵って一体なんなのか? 私が子どもの頃、宇宙人がUFOに乗って地球にやってくるときの目印であるとか飛行場であるとかいう説をテレビで見て印象に残っているけれど、まさか定説ではあるまいと思っていた。恐竜の謎も年々更新されていく昨今である。 . . . 本文を読む
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ゲドで一言

2006年08月10日 04時00分00秒 | ただの日記
 ここのところゲド戦記のことを、特に吾朗氏が監督をやったことをどう考えているのかと、尋ねられることが多いのですが、、、、、  そりゃあ悔しいです。だって、永年この仕事に携わってきたプロが中途半端なものを作るよりも、才能のある素人の方がマシだと思われたわけですからね。  吾朗氏は企画意図を周囲に語る時ある種の才能を感じさせる人物ですが、それを映画的なアイディアにする術を持ち合わせていません。ただ、 . . . 本文を読む
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続・正しい批判のしかた

2006年08月05日 04時00分47秒 | 監督日記
 切っ掛けは7月26日の朝日の記事です。ここでゲド戦記が酷評されていると聞いたのでした。私の知人たちが「公開前にここまで書くか」と怒っていたのです。  私は前回書いたように、具体的であれば批判は大いに結構だと思うし、正直な批判に公開前も後もないと思っています。興行する側は、できるだけ多くのメディアに作品タイトルが露出するように覚悟の上で、試写会に取材記者を招くのですから、「そういうこともあると思う . . . 本文を読む
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