「乱れてもいいですよ」
OKサインをもらって参加したケーブルテレビK-CATの忘年会。楽しかった。今まででいちばん楽しい忘年会だった。タレントとスタッフさん、そして男女の割合といった参加者のバランスがいい。開催場所がスタジオというのも珍しい。みんなに景品が当たるビンゴも飽きない。こんな楽しい飲み会なら月に一度のペースで開いてもらいたい。
【川口友子さん、松浦美代さん、藤井郁子さん、永尾光湖さん】
【水津浩志さん】
【スタッフのカドちゃん】
このところ、飲むお酒の量と暴れっぷりのコントロールがうまくいかなかった。上品に飲むと物足りない。はしゃぎ過ぎると後悔する。そこで、忘年会を前にして出席する人たちに「乱れてもいいですか?」と聞いてみたら、「いいですよ」とうれしい返事をもらっていたのだった。アルコール度数の高いのをガンガンいって早めに壊れてしまおうと心の準備はできていた。でも、本当にそれを実行していたら後悔する結果になっていただろう。暴走を止めてくれたのはうちの父親だった。
忘年会当日、時刻は午後7時。駅で父親を見つけた。声をかけようとしたが、おやじの目はうつろだ。足もともふらついている。僕に気付かずおやじは、よれよれになりながらマンションの植えこみに。次の瞬間、「オエ、オエ」という嫌な音が。吐いている。幸いとろろ汁は出ていない。多少気分がよくなった様子でおやじはまた歩き始めた。めっぽう酒に強いことで有名なうちのおやじ。しかし、僕が見た植えこみに向かう丸まった背中は、もう無理はきかなくなっているということを表していた。しかも、まだ7時だ。吐くほど飲むならもっと深い時間にしてほしい。あんなふうになっちゃいけない。吐くほどは絶対に飲まない。吐く寸前でストップをかけようと決意して僕は忘年会へと向かった。
忘年会ではビールばかり飲んだ。日本酒はほんの少しだけ。飲む量はおやじの背中を思い出しながらセーブした。ニュースキャスターとは思えないお下劣トークに女性陣からは悲鳴も上がっていたがそんなのは聞こえないふりをした。男性陣の笑い声に気をよくした僕は場の空気よりも高い温度で走り続けた。いつも酒を飲むと後悔ばかりだったが、久しぶりに飲んだあと充実感を味わった。宴のあいだ、ずっとSディレクターがカメラをまわしていた。あれは何に使うのだろうか?あの映像をシラフで見たらたぶん自分のことが嫌になるだろう。僕もいつか我が子にダメな酒の飲み方を教える機会があれば、そのVTRを使うことにする。