森本光☆ラグビーが好きやねん

関西エリアで活動する森本光のブログ

体を張った衝撃映像の行く末は?

2005-11-24 17:07:04 | ラグビー

21年ぶりとなる全国大学選手権への出場を決めた天理大学ラグビー部を取材。強さの秘訣を体感しようと、キャプテンの小野選手のタックルを受けることに。まずはお手並み拝見。軽く肩を当ててもらう。ドンッ!という重い当たり。振動で脳が揺れるような感覚だった。軽くやってもらってこのレベルだ。本気でタックルされるととんでもないことになるのが目に見えた。次は8割程度の力加減で小野選手にぶつかってもらう。ズドンッ!全身に強い衝撃が走り、また脳が揺れた。これで充分だ。いかに激しいタックルをしているかが映像で伝わるはずだ。ところが、スタッフのYやSは「もう1回お願いします!」「今度は全力で!」と僕の思いを無視して言っている。周りにいた天理大の部員たちも「120%!」とか「長州力!」とキャプテンに声援を送る。その声に小野選手のスイッチが入ってしまった。太い腕をラリアットするかのように振りまわし、マウスピースをしっかりと固定した。獲物を狙う肉食動物のような目になった小野選手。構える僕はたまったもんじゃない。しかし、もう逃げられない。よし、来いっ!身長175センチ、体重86キロの鍛え上げられた肉体が低い姿勢で近づいてくる。角度を切り返しトップスピードになって僕にぶちあたる。ドゴンッ!一瞬にしてこちらの体が「く」の字に折れ曲がり高く宙を舞う。そして腰から地面に叩きつけられた。想像以上のド派手な光景にグラウンドが沸く。さらに、スタッフのYやSも大喜び。打撲は誰が見ても明らかな僕を心配する様子は一切ない。「いやー最高でしたね」「森本さん飛んでましたもんね」「カメラまわってるのに思わず声を出しちゃいました」それぞれの興奮を言葉にするY&S。「大丈夫ですか?」と気遣ってくれた唯一の人は小野キャプテンだった。痛みよりもそのやさしさに涙しそうになった。
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今回の取材は、是非やらせてほしいと自ら企画したものだった。Iディレクターが多忙のため、現場では僕が出演だけでなくディレクターも兼任した。テレビ局に戻って衝撃のシーンをモニターで確認する。「うわぁーっ!」誰もが揃って声を上げるほど超一級の迫力ある映像だった。一緒に映像を見たIディレクターも珍しく興奮した様子だった。しかし、すぐに「このシーンは森本さんの思い出ということで、オンエアでは使いませんから」といつもの冷静な口調で言い放ち、場の空気をクールダウンさせた。「あしたきっと打ったところ痛いですよ」との言葉をプレゼントしてくれたIディレクター。残念ながら打ち身で腫れ上がった腰を冷やしてくれるプレゼントにはならなかった。12月3日が放送日。はたして体を張って撮影した衝撃シーンはお茶の間に届くのであろうか?編集を担うIディレクターの判断に注目してもらいたい。