「贖罪の奏鳴曲 」中山七里
14歳の御子柴の犯した罪は決して消えないし、
許されるものではない。
人はどこで罪を悔いるのか。
深い「贖罪」の意味。
そして少年院で院生から囁かれる
司法試験さえ受かれば弁護士になれる
そこには人格は関係ない、という言葉。
ドキリとする。
そうか、そうだよなぁ、理屈だけ言えばそうだよなぁ。
なんか怖い。
教官たちにバカにされながらも
有り余る時間を勉強に費やす御子柴。
そして、彼に気付きを与える
音楽の存在。
しかし、物語の大半を
「誰か御子柴をやっつけてぇ」と思っていたのである。
見た目と履歴書に書ける経歴は、
その人を表すほんの一部分でしかない。
犯罪を犯すはずのない人、なんて
ほんとはいないのかも。
いやぁ、読まされた。面白かった。
贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫) | |
中山七里 | |
講談社 |