「今朝の春―みをつくし料理帖」高田 郁
月に三度の『三方よしの日』、
つる家では澪と助っ人の又次が作る料理が評判を呼び、
繁盛していた。そんなある日、伊勢屋の美緒に大奥奉公の話が持ち上がり、
澪は包丁使いの指南役を任されて――(第一話『花嫁御寮』)
シリーズ4作目。
清右衛門は苦手だったのだけれど、
今回は中々男前なところがわかってよかった。
澪の「私が三枚におろします」と女衒にいうところ、
そんなこと言うんだぁ澪ったらと思った。
澪の切ない恋はとても素敵な恋だと思う。
叶うことがないとわかっているのは、
この時代でなければと思わずにはいられないけれど。
おりょうさんの一家も一段落でよかった、よかった。
安定の面白さのなかに次に続く動きを感じられ、
次も楽しみ。
そして、旬を味わうとはなんと贅沢なことか、
といつも思う。
丁寧に食材を扱おうと
いつも思う
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)高田 郁角川春樹事務所