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moon

吐き出す私 3

夫は家にきちんと決まった額のお金を入れる。
マンションのローンと、仕事の運営費用と、女と遊ぶお金。
時々、壊れる電化製品の買い替え、パソコン関係の費用に
光熱費や携帯代などもろもろの諸経費。
すべて夫が支払う。
と思えば、到底私にまかなえる金額ではない。

それだけしてもらえたら十分じゃないか、と思う。
まぁ、そうだろう。
私一人なら、ワーキングプアまっしぐらだ。
感謝だね。

書いていてびっくりだ。
結構、いいとこあるじゃん。
初めて気付いたよ。ありがとう。

しかし、しかしだ。
これが、とても美しくすっぱりと
割り切れるものでもないことは事実。

10年前の泥のような気持ちは私の中に常にあり、
私は決して、人として夫を許すことはないと思う。

許すことで自分が楽になる、なんていう人もいて
許さねば・・・と思ったこともあるけれど、
「許せない自分を許してあげよう」と思うのだ。
伊集院静、まったくいいこと言うよ。
そこにとらわれ過ぎて、私は楽しめないでいるんじゃないかと
思うのだ。

だからと言って、不倫を肯定することは決してない。
そんなの、刑事罰にすればいいのに、と思ってる。
大体、民事だからお金請求するわけで、
賠償請求の話になると、いっつもお金お金だな、
「金に汚い」と言われるのがオチ。
世間的にもそういう意見が多いような気がする。
いや、いいんだよ、二人とも一緒に刑事罰になるんなら。

と、当時の私はいつも思っていた。
今も思っている。

賠償請求はしなかったけど、
したら何か変わっていただろうかねぇ。

この、泥のような気持ちはなくなっただろうか。
いや、きっと、そんな簡単なものじゃないな。

 

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