「世界地図の下書き」朝井リョウ
これまで読んだ朝井リョウとはひと味違う。
虐待を受ける子ども、愛してほしい子ども。
夢も希望も捨てなければならない子ども。
虐められる子ども。
だけれども、別の道に別の場所に
生きる光を見つけようとする。
「逃げる」とか「生きる場所を変える」という選択肢は
これができなければ終わり、
とか、ここでしか生きていけないとか
思いがちな追いつめられた人に与えられるものなのだと
気付かされる。
このことを知っていれば、
きっともっと多くの子どもたちが
今も生きていたのではないかと思ってしまう。
また、知っていれば、
別の生き方をした多くの人がいたのではないかと思う。
私も、しかり。
「願いとばし」、私もやってみたい。
どんな願い事をしようか・・・
主人公の太輔(たいすけ)っていい名前。
これは亡くなった両親からの贈り物だからね。
大切に。
考えさせられる、いい作品だった。
朝井リョウ | |
集英社 |