博物館の次は京都市美術館。
「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム」展へ。
みどころは・・・
・修復によりよみがえったモネの傑作「ラ・ジャポネーズ」。
・マネ、ドガ、ロートレック、ルノワール、カサット、ゴーギャン、
モネ、ゴッホら印象画の画家たちの作品と日本美術の対比。
・アメリカを代表するジャポニズム作家の名品。
・絵画、版画、祖廟、写真、工芸など、ボストン美術館の名品150点。
・モネの初期作品から晩年の作品まで、ジャポニスムの変遷をたどる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/79/51dab3ed39a949ef1d0ab0a442d5e157.jpg)
ジャポニスムとは、日本趣味(ジャポネズリー)にはじまって革新へ
と深化する「西洋における日本美術の影響」のことを言うのだそう。
ジャポニスムとひとくちに言ってもその表現はさまざま。
明らかに浮世絵を模写したものから、構図を真似たもの、配色が類似
しているもの、モチーフやシチュエーションを参考にしたものなど。
中にはその対比はちょっと強引すぎるんじゃないの?(笑)と思って
しまうものも・・・。
興味深かったのは、「自然」がモチーフになった工芸品。
1点だけ出品されていたエミール・ガレを出すまでもなく、今ではすっ
かり西洋のデザインだと思っているものも、もとをたどると日本美術の
影響を受けたものだったり。自然観察に秀でた日本美術ならではのデザ
インや技法をあらためて見直す機会にもなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/7b/6ea1509f3bd3dc33b6490f93526394be.jpg)
今回のポスターやフライヤーに使われている「ラ・ジャポネーズ」から
睡蓮へ。モネの作品の変遷がやはり面白い。
日本趣味の作品「ラ・ジャポネーズ」。モデルは夫人のカミーユ。
背景に団扇がいっぱい飛ぶわ、金髪の女性が纏った刺繍の打掛には武者
が描かれているわ。日本人がゼッタイに描かない妙チクリンな絵。
だけど色鮮やかで、なんとも気になる作品ではある。着物のモチーフと
なっているのは謡曲の「紅葉狩」と書かれていた。モネは浮世絵コレク
ターでもあったそうなので、むしろ歌舞伎の「紅葉狩」の役者絵から
とったものならよくわかる気がする。こちらを向いて微笑んでいるのは
更科姫実は鬼女で、武者は平維茂。着物を纏うだけでその関係になる。
モネの遊び心と敬意が感じられる作品だ。
検索してみて、この絵の構図とよく似た役者絵があった。
この絵の延長上に、あの素晴しい睡蓮の絵が生み出されようとは!
自宅の庭に日本風の太鼓橋や、睡蓮の池まで造ってしまったモネ。
季節を変え、時間を変え、ひたすら描き続けた睡蓮の絵の一部でも見る
ことができたのはよかった。大山崎山荘美術館で見た睡蓮の絵とはまた
違った色彩だった。
モネの睡蓮に惹かれるのはそれがジャポニスムだからではなく、自然の
風景を描きながらも深い何かを感じさせるものがあるから。
そんな画家が日本美術の影響を受け、ほんの一時期に咲かせた花が
「ラ・ジャポネーズ」だったのだと思う。
ジャポニスムの検証。たしかに興味深い切り口ではあるけれど、絵の見方
が限定されてしまわないようにしないと。
そういう意味ではジャポニスムの画家ひとりに焦点をあて、その変遷を
たどることができる京都国立近代美術館の「ホイッスラー」展も併せて
見たほうがよかったかも。道を挟んでお向かいで開催中。
>>「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム」展のオフィシャルサイト
「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム」展へ。
みどころは・・・
・修復によりよみがえったモネの傑作「ラ・ジャポネーズ」。
・マネ、ドガ、ロートレック、ルノワール、カサット、ゴーギャン、
モネ、ゴッホら印象画の画家たちの作品と日本美術の対比。
・アメリカを代表するジャポニズム作家の名品。
・絵画、版画、祖廟、写真、工芸など、ボストン美術館の名品150点。
・モネの初期作品から晩年の作品まで、ジャポニスムの変遷をたどる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/79/51dab3ed39a949ef1d0ab0a442d5e157.jpg)
ジャポニスムとは、日本趣味(ジャポネズリー)にはじまって革新へ
と深化する「西洋における日本美術の影響」のことを言うのだそう。
ジャポニスムとひとくちに言ってもその表現はさまざま。
明らかに浮世絵を模写したものから、構図を真似たもの、配色が類似
しているもの、モチーフやシチュエーションを参考にしたものなど。
中にはその対比はちょっと強引すぎるんじゃないの?(笑)と思って
しまうものも・・・。
興味深かったのは、「自然」がモチーフになった工芸品。
1点だけ出品されていたエミール・ガレを出すまでもなく、今ではすっ
かり西洋のデザインだと思っているものも、もとをたどると日本美術の
影響を受けたものだったり。自然観察に秀でた日本美術ならではのデザ
インや技法をあらためて見直す機会にもなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/7b/6ea1509f3bd3dc33b6490f93526394be.jpg)
今回のポスターやフライヤーに使われている「ラ・ジャポネーズ」から
睡蓮へ。モネの作品の変遷がやはり面白い。
日本趣味の作品「ラ・ジャポネーズ」。モデルは夫人のカミーユ。
背景に団扇がいっぱい飛ぶわ、金髪の女性が纏った刺繍の打掛には武者
が描かれているわ。日本人がゼッタイに描かない妙チクリンな絵。
だけど色鮮やかで、なんとも気になる作品ではある。着物のモチーフと
なっているのは謡曲の「紅葉狩」と書かれていた。モネは浮世絵コレク
ターでもあったそうなので、むしろ歌舞伎の「紅葉狩」の役者絵から
とったものならよくわかる気がする。こちらを向いて微笑んでいるのは
更科姫実は鬼女で、武者は平維茂。着物を纏うだけでその関係になる。
モネの遊び心と敬意が感じられる作品だ。
検索してみて、この絵の構図とよく似た役者絵があった。
この絵の延長上に、あの素晴しい睡蓮の絵が生み出されようとは!
自宅の庭に日本風の太鼓橋や、睡蓮の池まで造ってしまったモネ。
季節を変え、時間を変え、ひたすら描き続けた睡蓮の絵の一部でも見る
ことができたのはよかった。大山崎山荘美術館で見た睡蓮の絵とはまた
違った色彩だった。
モネの睡蓮に惹かれるのはそれがジャポニスムだからではなく、自然の
風景を描きながらも深い何かを感じさせるものがあるから。
そんな画家が日本美術の影響を受け、ほんの一時期に咲かせた花が
「ラ・ジャポネーズ」だったのだと思う。
ジャポニスムの検証。たしかに興味深い切り口ではあるけれど、絵の見方
が限定されてしまわないようにしないと。
そういう意味ではジャポニスムの画家ひとりに焦点をあて、その変遷を
たどることができる京都国立近代美術館の「ホイッスラー」展も併せて
見たほうがよかったかも。道を挟んでお向かいで開催中。
>>「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム」展のオフィシャルサイト