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 無名の民による゛世間遺産゛

2007-01-11 20:15:48 | 日記・エッセイ・コラム

61_11  風のようにやってきて、風のように帰っていく。

 ウォッチャーの岡崎直司氏から先日電話がかかってきた。大分の写真家・藤田洋三さんが伊予市・鵜崎の和田家に゛タイル゛を見に来るという。タイルって?と思ったが、「藤田洋三」と聞いて即座に翌日同行。藤田さんに初めてお会いしたのは、6年前の安心院町のグリーンツーリズム研修の折。鏝絵の案内の後、会長・宮田静一さんのブドウ園で農家民泊。地ワインをいただきながら、夜遅くまで「石灰・漆喰で世界の歴史がわかる」藤田流゛お石灰(せっかい)史観゛のご高説を賜った。とにかく博識なのには驚く。その後「全国藁こずみ大会」や別府でもご一緒した。久しぶりなのに、いつも近くにいるような不思議な方だ。無名の民の「世界遺産」ならぬ「世間遺産」を記録してきた藤田さんは、『鏝絵放浪記』(石風社)『藁塚放浪記』(同)に続いて、タイトルもずばり『世間遺産放浪記』(同)を2月に出版するという。分厚いゲラを見せていただいた。西日本新聞新年号にも紹介記事があった。

Img_0424_edited_1  和田家は、砥部との境界・鵜崎峠にある庄屋であった。「タイルが珍しい」と今回発見・紹介したのは岡崎直司氏。お世話をされているご親戚の好意で見学させていただいたが、私の関心はもっぱら入母屋造りの庄屋屋敷。旧伊予市に遺されている庄屋の建物は、「上野・玉井家」「下三谷・宮内家」、そしてこの「鵜崎・和田家」と数少ない貴重なものだ。現在住まわれてはいないが、眼下に両沢・唐川の棚田風景を望む和田家をこのまま廃屋にするには惜しい。

Img_0486_edited_2  藤田さんの語る「人の営みがつくりあげた風土・景観」という意味では、地域の歴史的建築物もまた無名の民がつくった「世間遺産」といえるかも知れない。「『世間遺産』の定義って? 『世間遺産フォーラム』を全国各地でやれば面白いねえ」などと話しているうちに、藤田洋三さんは、また風のように九州へと帰っていった。


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2 コメント

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私も眞一さん。 (monta)
2007-01-12 15:57:16
私も眞一さん。
先日の和田家タンケンごくろうさま。
「世間遺産」のお宝ばかりでしたね。今後とも鏝絵を
はじめ伊予・中山・双海の「世間遺産」ウォッチング
ご教示下さい。眞一つながりで、よろしく!
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和田家探索ではお世話になりました。世間遺産、堪... (私も眞一)
2007-01-12 12:48:16
和田家探索ではお世話になりました。世間遺産、堪能しましたー。さすがに藤田さんは奥深い。
岡目八目を見てたら、ここにたどり着きました。これからはちょこちょこのぞこうと思います。
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