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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

時の半径

2010-04-06 22:34:34 | 日々随想
手帳に予定を書き込む度に
僕の未来が 長くなった錯覚に陥る
生きてるのは 過去と現在だけなのに





時間の半径は いつだって歪なものだ
現在と過去という 記憶の延長に
何の保証もない 未来が待っているというのに


新円なら
僕は 過去の記憶とおなじくらいに
未来の距離を うまく把握していることになる


ふうん


そんなワケないよね
だから 円は ハレー彗星のように
過去ばかりが 長い尾を引く歪になってしまう


でも 僕は ちょっと記憶力に障害があるから
存外 過去と未来のバランスは
普通の人より 新円に近いのかも・・・


夜 突然 友人がやってきた


慌しく 僕のパソコンで
オークションを制して
勝ち誇った笑顔で さっさと帰っていった


僕は 唖然として
彼の背中を見つめながら
彼の 時間の半径を推測したが 無駄だった


どうやら 僕は
僕が思ってる以上に
弱っているようだ

ガラスの箱

2010-04-05 18:33:01 | 日々随想
初めて 韓国に行ったのが2001年
あれから 9年も経ったのか


ふうん





ガイドブックの通り
カタカナで カムサハムニダしか
話せなかったんだっけ


それなのに 宿も予約しないで
ソウルで一泊して
翌日は 国内線で束草まで飛んだんだっけ


東海沿いの 北朝鮮との国境も見て
バスに乗って 途中の停留所で地図を買って
その日は 春川で下車して 二泊目


ふうん


若かったんだなー
怖いもの知らずで


今日は ソウル出張の宿舎の予約をした
最近 頻繁に使用していたレジデンスは満宿だったから
前に一度だけ泊まった 民宿のような宿にした


なんてたって 今回は 11泊12日
たぶん 仕事で埋まらないから
また 板門店に 行ってみたいなー


9年前 初めての訪韓で
初めて買ったCDが ユリサンジャ
韓国のオフコースのようだったから


ここ数年 韓国出張の前に ときめかないんだ
あの9年前の 初めての気持ちは
どこに行ってしまったのかな


訪韓する度に 買い集めたユリサンジャ
サウンドが流れ出すと
懐かしい セピア色のトキメキに出会えるんだ


出張前に もう一度 聞きなおしてみようかな


静かな頭痛

2010-04-04 23:55:48 | 日々随想
渋滞を超えて
楽器を下ろせば
車も 心も 軽くなる





体調が かなり ムムム
普段 健康の塊のような人生を謳歌してるだけに
ちょっと 異変があるだけで 妙に弱気になる


不規則な日々が 続き過ぎたね
もっと 人間らしく 生きなきゃ
成人式より 還暦の方が 近い歳なんだし


健康診断とか したことないから
どんな 病気が進行してるのか
さっぱり 分からないんだけどさ


いや きっと
病名なんか 知らない方が
ギリギリまで 笑っていられる気がする


ふうん


免疫は 徹底的に排他的
自己でない異物を 
絶対に 排斥するらしい


ある動物に 別の動物の脳を移植して
最初は 順調に成長していくんだけれど
ある時から 免疫が脳を否定して 脳は死んでしまうらしい


脳って 絶対じゃないんだね


免疫は 自分が死んでも
自己でないものを 否定する力を持ってるんだ


自己って何?


きっと 免疫にも 答えられないだろうね
僕の体の中では
まだ 脳も 免疫も共存していてくれている


とりあえず 自己なまま
事故もないまま
無事であったことを 感謝するか

4年ぶりの オンザマユゲ

2010-04-03 23:32:35 | 日々随想
楽器をセッティングして
リハの為の調律をしていると
続々と 演奏者が会場入りしてくる


「おはようございます ソプラノの○○といいます」
『あ どうもどうも 調律のアノニモスです』
「どうぞ よろしくおねがいします」





終演後 彼女は もの凄い勢いで謝ってきた
『すいません 朝は・・・ アノニモスさんだと分からなかったもんで』


ふうん


変な挨拶だなとは 思ったんだ
まるで初対面な雰囲気だったし
4ヶ月くらい前 彼女のリサイタルで調律したのに


『髪型が違って お名前も 似たような人がいるんだなと思って』


で 軍服を着た本番で
初めて 僕が誰だか 分かったらしい
『すいませんでした 切腹ものですよね』


いや 腹切らなくても いいから


確かに 半年前の坊主頭から比べると
数年ぶりに 前髪を垂らしてみたんだけど
名前聞いても 分からないってこと ないでしょ・・・


うん でも
僕は 髪型とか 服のインパクトが強いから
顔は 覚えにくいくらい 平凡なのかもね


でも 本名は 凄いインパクトだと思うんだけどさ


それを聞いた 回りの演奏者も
『それ カツラですか?』って・・・


夏に韓国に行った時は 坊主だったから
次回 韓国出張に行った時
同じ現象が起きそうだな・・・


ちょっと 楽しみ


僕は きっと
ちょっとや そっとでは
警察に捕まらないくらい 変装の名人なのさ

春風のせい

2010-04-02 21:19:51 | 日々随想
みゃー みゃー みゃー
名古屋は 寒いだぎゃあ!
ん? ちゃんと 名古屋弁になってるのか?





朝 春風に起こされた
家が飛ばされそうな音で
雨まで加速して 地球を攻撃!


嵐だな


しかーし 出勤前に
苦手な電話で 打ち合わせをすませ
なんとか 韓国出張の予定が決定!


そして 航空券をゲットして
他の予定の メールを返信していたら
すっかり パニック・・・


たぶん 普通の人には 
理解して もらえないだろうけど・・・


僕は 複数の案件を 同時に処理すると
パニック症を引き起こしてしまうんだ


それも 重要度が高いものばかりが続くと
途中から 何が何だか 分からなくなってくる・・・
あやうく 今日の出張も失念しかけたくらい・・・


でも まあ 無事に出勤!


しかーし 東名高速道路は怖かった!
暴風に 小さな車は 簡単に煽られて・・・
トロトロ トロトロ


落ち着かない日々が続くけど
五月になれば きっと 平常が戻ってくる
それまでは もう少し 春風に惑わされていようか

ちょっと悔しい回り道

2010-04-01 19:22:15 | 日々随想
作業を終えて 
そんな時間だったから
「一緒に昼食でも どうですか?」





気になっていた イタリアンがあるという
僕らは 早速 スタジオを出て
彼女の案内のまま 歩き始めた


店内は 女性ばかり
「これが 本当の 年増宴」
なんて ヤボなジョークは 飲み込んで


ドデカゴンの話をしながら
アルデンテを堪能して
店を出た


『近くに桜が綺麗な公園があるから 行きましょう』
断る理由もなかったから
彼女の案内のまま 歩き始めた


『紫より この色の方が 綺麗です』
そう言ってもらえたから
複雑な気持ちで そうかも と思うことにした


『きっと 印刷所の人 わざと間違えたんじゃないですか?』
「うん 意外に美大出身で 勝手に色を変えたとかね」
『そうですよ だって この方が 売れそうですもん』


ふうん


神田川沿いの 細い道
満開の桜が すでに風に乗って ハラハラ
川面には 花びらが 天の川のように 流れていく


「桜は 好きじゃないんですよ」
『実は 私もです』
「でも 桜を眺める人の顔は 素敵だと思います」


春の花で 一番好きなのは 白いモクレン
桜は 雪のように 偽善の塊に見えてしまうんだ


ただ それを見上げる人々の顔は
なんだか ときめきで 輝いて見える
それは 桜より ずっと気持ちいい


「あ でも 枝垂れ桜は 凄く好きです あのデザインが」
『分かります』
「重力を 美しく描けるのは 枝垂れ桜と 枝垂れ花火だけなんじゃないかな」


駅まで 戻る道すがら
僕は ひとつも嘘をついてないことに気がついた
あーあ せっかくの エイプリルフールだったのに

マイミクに逢えない日々

2010-03-31 23:34:07 | 日々随想
ミクシーに入れなくなって
もう 1週間以上になる
きっと 誰かが侵入して 暗証番号 変えちゃったのかな


ふうん





もともと 僕は ∵25という名前で
ミクシーの中に存在していて
携帯を変えた時 別の人間 アノニモスを造ったんだ


∵25の友人で アノニモスは生まれて
でも やがて 二人はマイミクをやめて
密かに 別々の人間になりすましていたんだ


でも もう アノニモスの中に 戻れない
せっかく出来た 何人かの友人
どうしているだろうか


もう一度 ∵25に帰って
別の人間を 造り出そうか
今度は なんていう名前にしようか


また 一人に戻ってしまった
また 一人から始めよう
それが 自然の成り行きなら


遠すぎた紫

2010-03-30 20:15:03 | 紫々猫想
・・・がっかり


せっかく 今年2度目の ブルームーンな夜なのに
こんなに がっかりしてるよ
怒れれば 少しはマシなんだろうけどさ





昨日には 届いてるはずの ドデカゴン
連絡もないから 昨夜 電話したんだ 
そしたら まだ 終わってないと・・・


ふうん


でも 急げば 今日の夜には終わらせられるというから
中野まで 仕事の帰りに 車を飛ばして
約束の時間に 辿り着いたんだ


担当者が 印刷が遅れたことを 詫びてくれて
それでも まあ どうにか間に合ったから 
笑顔で 「かえって 急がせてすいません」
なんて チグハグな返答をして


念のため 仕上がった冊子を チェックしてみると・・・


え・・・・? 何 これ!


僕は 表紙と背表紙の装飾は 紫で指定したのに
出来上がった冊子の それは
なんていうか 名前の無い色


赤というか 茶色というか
やや色盲の気がある 僕にとっては
なんと呼べばいいか 分からない色で印刷されてる・・・


「あの これ 紫で指定したハズなんですが・・・」
担当者は 慌てて確認したら やっぱりミスで
『おかしいな 印刷機の不具合かな・・・』って


ふうん


泣きたくなったよ
遅れたあげく 割高の色指定の印刷が間違って
全部 やりなおしてもらおうと思いながら ページをめくってみた


でも そこには 長い間 頑張ってきた
見慣れた というか 見飽きるくらい つきあってくれた
モノクロのドデカゴンが ぎっしり


うん 本質は こいつらだ


こいつらが 生きていてくれてるんだったら
この100冊の冊子の 紙やインクは
無駄死にする必要ないよね


そう 表紙の紫だけ 僕が我慢すればいいこと


「これで いいです 本当にありがとうございました」
『本当に すいません』
「もし 増刷することがありましたら その時は 紫で!」


だから 紫は おあずけ
こんなマニアックな冊子 100冊もさばけるワケないし
増刷する見込みなんて ないんだけどさ


がっかり


交差点で 見上げれば ようやく会えた満月
「だめだったよ」 語りかければ
なんだか 僕の心が ブルームーン


「でも これでよかったと 思える日が来ますように」
そんな 消極的な願い事しか 出来なかったから
ルームミラーの上の 紫の猫に聞いてみたんだ


「これって 何色だと思う?」
『錆びきった色 君の心の色だよ』
「ふうん」
『紫には まだ早かったってことだよ』


やわらかい午後

2010-03-29 20:46:58 | 日々随想
左手にさげた 半透明のビニール袋には
うっすらと お菓子が いっぱい
そして 右手には 熊のぬいぐるみ


渋滞で 往生してる 僕の車の横を
彼は ゆっくりと 歩きながら
すれ違っていった





きっと お父さんなんだろうな
小さな 娘さんが いるんだろうな


ふうん


人には いろんな名前がある
仕事では 役職だったり 先輩だったり 部下だったり
家庭では 妻だったり 夫だったり 親だったり


そして それぞれの名前の数だけ 顔があって
険しかったり 優しかったり
そんなふうに 人は社会の中で 生きてるんだろうな


でも 僕の名前は たったひとつ
夫でも パパでも 上司でも 部下でもない
帰宅すれば一人 組織にいないから仕事も一人


それぞれの名前には それぞれの責任と
その責任を超えた 充足もあるんだろうな


彼は ぬいぐるみの手を持っていた
だから ちょっと 不恰好に
ぬいぐるみと 手をつないでいた


あの お菓子と ぬいぐるみに
喜ぶ子供の笑顔は
きっと 彼には 大きなエネルギーなんだろうな


ドアミラーの中で 彼は遠ざかって 小さくなっていった
ブラブラした 熊のぬいぐるみも 小さくなっていった
僕は 空っぽの車の中で ひとつだけの名前を 
大切にしようと思った


日曜の夜と月曜の朝

2010-03-28 23:34:03 | 日々随想
会える人には
会える時に
会っておくもの





会いたいと伝えよう
会えなくてもいいから
会いたいと伝えよう


会える人には
会えなくなる前に
会っておくもの