Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

ナイロビの蜂

2006-05-27 10:50:03 | 映画・観劇
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 ナイロビは東アフリカ:ケニアの首都。
「蜂」は、出てくる製薬会社の名称にかけたもの。

 原題は、「The Constant Gardener」。なんとも、イギリス的。

 主人公ジャスティンは、まさに「The Constant Gardener」。
良識と節度と人間的優しさを身に着けた外交官で、
「庭弄りを好む人」。
 なのに彼は、自分自身を消耗してしまうほど情熱的な
活動家テッサと出逢ってしまう。

 スクリーン上のケニアの懐かしい自然や人々をみつめながら、
段々とストーリーに取り込まれていき・・・、
                久しぶりに、すてきな映画に出逢えた。



 
 郷愁に近いものを感じてケニアを舞台にした映画は
つい見に行ってしまう。
 今回はナイロビのスラム、雑踏、塩湖、フラミンゴ・・・
そして、独特の空の色、地の色・・・・。人。こども。
 どれもが別の土地でロケしたのでは得られないだろう臨場感。 
 
 『ナイロビの蜂』は、弱者を犠牲にすることでより巨大な
利を得ようとする大きな力や、夫婦の信頼・個人の生き方など、
沢山のことが織り込まれて過ぎていて一つの主題を訴える
強さに欠けてしまっているというコメントを耳にした。

 が、私にはそれらがとてもいいバランスでストーリーを
組み立てているし、作品にリアリティーと深みを
持たせていたように思う。

 例えば、ケニアの子供達。私の知っているケニアの子供達と
スクリーンの彼らは、まったく変わらなかった。
 かわいい人懐っこい笑顔。でも、彼らは頻繁にその同じ顔に、
幼いながらの哀しみ・忍耐をにじませる。
 彼等、特に女の子の働きぶりには時に敬意すら感じずには
いられなかった。

 ジャスティンがテッサを理解した時、飛行機の中で、以前
病院からの帰り、車の中でジャスティンとテッサが交わしたのと
酷似する会話がパイロットとジャスティンとの間で交わされる。
そして、次に起こったことに心を打たれない人はいないだろう。

 小さな彼女らが見せる滅私的な行動は、決して絵空事ではない。
ケニアの貧しい女の子なら、そんな行動を多くの子がとるだろう。

 同じケニアの中で、ナイロビのスラムと外交官達の暮らしぶり!
ケニアの貧しい階層と白人社会とのギャップ。
 
 その境界の中で守られた、美しい庭から出て妻の軌跡と死を
追い始めたジャスティンの行動が、いかに彼を穏やかな外交官から
変化させたことか。

 「知る」ことのないままに、危険な方向に進んでいるのは
貧しい階層のケニアの人々ばかりではない。
 「利便」を求めて、ひずみや犠牲を他の国の人々に強いているのは
製薬会社だけではない。(薬害エイズのことも思い浮かばずには
いられなかったけれど。)
 
 そして、孤立をおそれ保身していては、何かにつけ真摯に
問題追求し、発言できない社会。

 せめて、身近な人のイタみに鈍感にならない想像力はもって
いたいと思う。。。
 

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