愛知県立美術館:愛知芸術文化センター10F
1月14日
愛知県立美術館
『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』
を、観てきた。
同展チラシ
私が生まれる前年に
交通事故で逝ったこの画家はあまりにも有名。
でも、この人の特徴的な技法である
ポーリング(流し込み)
ドリッピング(滴らし)
スパタリング(撒き散らし)によって
描かれた(?)
オールオーヴァーといわれる全面同じ調子の絵は
あまり好きではなかった。
少し興味を持ったのは、
去年、滋賀近代美術館の解説班研修で
制作に没頭する姿やインタビューを受ける
ポロックのビデオをみたり
同年代のNYの画家達とあまり迎合せず
他の多くのモダンアートの画家達のように
多弁ではなかったと聞いてからだから、
ごく最近の事だ。
そういうタイミングで
作品や関連展示物はもちろん
何種類も創られたポスターや
チラシの豊富なコンテンツ、
作品リスト+鑑賞ガイド・・・
どれ1つをとっても学芸員の熱意がひしひし感じられるような
この回顧展を観れたことは、とてもラッキーだったと思う。
ポロックの絵が、ポロックの絵になるべくしてなった
必然性と過程をすこし理解できたようにおもう。
抽象表現に至る前の『西へ』
全盛期、有名な『ナンバー7,1950』『インディアンレッドの地の壁画』
和的なイメージを受けた1951頃制作の石を表面につけた『無題』
奇妙なほど強いインパクトを感じた『ナンバー21,1951』
これらのどれをも、実物を目にすることが出来てよかった。
それらは決して安易なものでも単調なものでもなく
深く、複雑で、リズム感を持った美しいものだった。
撮影可だった、会場内に再現されたポロックの原寸大アトリエ。
図録の中のモノクロ写真を見ると、
板壁は隙間から外光がはいっていて、
どうやら、そのまま外装のよう。
緑の中にある、
簡素で大きなアトリエは
とてもかんじがいい。
ポロックはどんな人だったのだろう。
飲酒とおぞましい家族の肖像(?)。
成熟期の絵からの変化・・・。
読み応えのありそうな図録を
ゆっくり開くのが楽しみだ。
□ □ □
余談だけれど・・・
ビデオの中で、制作前に靴を履きかえるポロックに
オットさんが
「芸術家にしては、几帳面。」
とボソッとつぶやいたのが、なんだかおかしかった。
身のまわりのものに気を配らないという点において
キミは、とても大胆だからね。