劇場用ポスター
原題
Darwin's Nightmare
タンザニア第二の都市ムワンザを舞台にしたドキュメンタリー映画。
「ダーウィンの箱庭」と呼ばれたアフリカ・ビクトリア湖の豊かな
生態系が、外来魚「ナイルパーチ」の放流で壊滅的な打撃を受ける
一方、欧米や日本へ輸出するためのナイルパーチ漁が盛んになる。
グローバル化の進行によって、現地の人々がより厳しい生活を
強いられるようになっていると主張する。
107分。フーベルト・ザウパー監督。(仏)
『はてなダイアリー』より引用
滋賀県下で上映されるのを待っていた作品。
今日は、映画レディースデー。とはいえ、平日の
午前10時からの上映のためか、観客席には、女性7名。
私同様、独りで来ている人が多かった。
このドキュメンタリー映画の内容は、知っていたものの、
あまりにも暗部だけを隙間なく繋ぎ合わせた内容に
いたたまれない気持ちになった。
資本主義国家が、スマートな紳士面でアフリカから
搾取をする構図は、一体いつまで続くのだろう。
この映画に撮られている、貧困・飢餓・売春・等々は、
ビクトリア湖・ナイルパーチとは無関係にもともと存在
していたかもしれない。あるいは、その誘引として
ナイルパーチを悪者にしすぎているかもしれない。
もしかしたら表現に、誇張・やらせがあるかもしれない。
けれど、観光で行ったのではなかなか見えないアフリカの
真実は、コンパクトにではあるものの、リアルに描かれていた
と思う。
危険と向かい合いながら、享楽的な表情で外国人を相手に
するプロの女性達。
パンガ(斧)で襲ってくる夜盗に、弓矢など時代離れした
武器で守る夜警(この人はとても理知的だった)。
経営・商売をして豊かに暮らすインド系の人々。
貧しく、そこから抜け出る為の武器として教育を受けることを
切望するアフリカの貧しい子ども・大人達。。。
ドキュメンタリーとしては、物足りないし、叙情的過ぎたり
登場人物の語りに頼りすぎているのではないかと感じた部分も
多かったけれど、総体的には、観にいけてよかったと思う。