Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

アフター・レイン

2015-01-16 11:47:00 | 






表題は、この短編集の中の一つの作品のタイトルを
とったものだけれど、代表作だからというより
この作家の作品のイメージに
重なるからではないだろうか、とふと思った。


雨上がり。
湿潤な空気が煙っているような
雨が降った直後の。


サマセット・モームに共通するものを
感じさせる著者のウィリアム・トレヴァーは、
アイルランド生まれ。イギリスに移住。


物語の背景は、いかにもな場面設定。
妻の死後、妻を知る女性との再婚、
独立して帰省しない息子を待つ両親、
娘と放蕩者との結婚の可能性にパニくる夫婦、
障害を持つ息子の行動に疑心暗鬼の母・・・


読者は作品のどれか、または複数に
他人事でないものを見つけるかもしれない。


日常の中で、はっきり形をなさないでいるか
直視を避けている感情が、
ある日、白日の下にさらされる。
淡々と静かな文と、すーと納まるべきとこに
納まっていく物語の終わり方は
かえって時折冷酷にさえ感じる。


読了感は、「ざわつき」。
刺激を受けたことは、確か。


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平成の絵師が見る日本画

2014-06-16 09:35:00 | 







ヘンな日本美術史」
山口晃著
祥伝社


コレは、去年11月の誕生日の
オットさんからのプレゼントの1つ。


もらった途端、アレ?
中を少し読んで あ~~~~!!
私は、この著者とその作品に記憶がありました。


ボランティアをしている滋賀県近代美術館に
一点『厩図』というのがあって、
それは、伝統的モチーフである厩図を
土台にしながら、良く観れば馬がバイクであったり
人物がビールを飲んでいるといった、現代を
とりこんだ不思議な作品なんですが、
はじめて観た時、
絵が、じょうずなひとだなぁ。
おもしろいなぁ。
どんなことを考えて描いている人なんだろうか?
と、感じました。
で、そのまま忘れていたのに
まさか、オットさんが適当に選んだ本が
その画家の著書とは。


以来、忙しかった時や体調不良の時を
はずして、のんびりゆったりした気持で
読める時まで、大事にとっておいたんです。


いきなり、
実は好きじゃなかった「鳥獣戯画」
と、はじまった時は一歩引いたけれど
読み進んでみると文章の書きっぷりも
内容も、期待を裏切らないものでした。


ヘタな日本美術史入門書より勉強になるし、
画家の感性をフィルターにしているので
とてもリアルに深い突込みが魅力。
率直で、解りやすい。
そして創造する側の人間としてのことばが
節ふしに現れるのにも、共感・・・といったら
おこがましいのですが、現代作家として
活躍している著者に、親しみを感じました。


絵って、人柄がにじむんですよね。
だから、『厩図』を
一目見た時から画家自身に興味を
感じたのかもしれない。



+ + +





1年ぶりに、伊坂幸太郎
なんと首相暗殺の濡れ衣を着せられる主人公。
他の作品同様、なにが起こっても
主人公のぶれない人間性が魅力。


巨大な悪があって、裏切りもあって、、、
それでも、
一度信じた人を信じ続ける主人公のまっすぐさは
むしろ哀しくなってくるのだけれど、、、。
弱さを許しあった上で信頼はうまれるのか。。。
友人の為にリスクをおしてなにか出来る人たち
に人間ドラマを感じる。
スリルのあるストーリーは面白い。
まさに、エンターテイメント。


でも、ラストはちょっと納得できない。
それ?っていう肩すかし感。。。




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歴史小説だけれども。

2014-06-05 10:10:00 | 







本は、図書館や「Book off」利用が多いワタクシ、
例によって、新刊ではなく
初版平成20年、6版が24年の本です。

「乾山晩秋」 
葉室 麟


歴史は、小説でも苦手なんですが・・・、


尾形光琳と乾山の関係は、
ぼんやりとでも興味を持っていたので
光琳亡き後の乾山からの目線で
描かれた表題作に惹かれました。


赤穂浪士との関連など、いかにも
歴史小説的な匂いのする箇所は、
ちょっと拒否反応が起こりましたが
表題作だけでなく、
狩野永徳、長谷川等伯、狩野探幽、
雪信、英一蝶 を中心に一話ずつ
収録されていますが、
絵が記憶にない雪信と英一蝶は
あまり面白く感じられず
狩野永徳、長谷川等伯、狩野探幽は
ドラマを見ているかのように
楽しめましたが・・・
長谷川等伯については・・・
その人物像・・・どうかなー。
狩野派のゴタゴタが書かれていても
ふんふん。そんなだったのかもねー。
と、読めるけれど、
等伯は・・・無意識に神聖化してきたのに。。。


没後400年『長谷川等伯』展の図録が
買ったまま、老後の楽しみに置いてあるのを
すみずみまで読もうと、思います。
イメージダウンが、怖いけど。。。



++++++


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きのう何食べた?

2014-05-17 13:38:00 | 







独身の頃、最寄り駅のすぐ近くに、
東てる美さんのマンガ主体の古本屋さんが出来て・・・
マンガの文庫本のまとめ買いなんてそれ以来・・・
と、思わず遠い昔を思い出す。
(あの頃は、古本のネット買いなんて想像もしなかったなぁ。)


・・・と、大変久しぶりにマンガをまとめ買いしました。


この本、Google検索すると「きのう」と
入力しただけでヒットするほどの
知名度だったんですね。




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通常、私は「ビッグコミック」しか読まないんですが
スパリゾート 雄琴 あがりゃんせ
リクライニングコーナーで
最近読み終わった『20世紀少年』のかわりに
ふと、ある有名ブログで紹介されていたこの本の
タイトルを思いつきました。


これが、すごくおもしろかった。


主人公が健康と倹約に留意する「ゲイの人」で
手近・手軽でヘルシーかつ美味しそうなレシピの料理も
「すぐ、作ってみよう♪」と思えて良いのですが、
子供のいない夫婦としては
ずっとふたりだけの関係のさみしさに
触れているあたりにも共感を覚えました。
パートナーや、両親、友人、仕事関連の人との
人間関係も、「ストーリーはあっさり」に
見えて、いや、なかなかリアル。


で、既読の3巻までも含めて1―8巻まで購入。
Amazonで注文後、24時間経たずして読了。
絵も少し乙女チックだけど、上手だし
すっかりはまってしまいました。



・・・で、どーしよ。


これ、まだ週刊「モーニング」に現在も連載中
毎週、「モーニング」買いたくないし
文庫化を待つほど気長でもない。。。


・・・どーしよ。

nose5




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はまった。

2013-12-22 06:12:00 | 



    

  


このところ、自分が選ぶ本よりも
オットさんが持ち帰る本のほうが・・・はまる
(なんか、しゃくだけど。)

伊坂幸太郎・・・なんて新鮮!!


えー、いまごろ?!・・・でしょ?
タイトルは目にはついていたのに、
あらすじとか紹介記事とか読んで、
荒唐無稽とか、ファンタジーとか苦手なので
食わず嫌いをしていました。


ところが、退屈しのぎに読み始めると
あれ?あれ?なんか、・・・あたらしい。
「この人の本はなに?」と、読みながらオットさんに聞く。
ジャンルが解らない。純文学かとも思った。


『3652』のなかで作家は、<以下抜粋>

佐藤哲也は、毎回、『他の何にも似ていない』
オリジナルの物語を創り出し、それを独特の
ユーモアでくるんで、提供してくれる、そういう作家です。

・・・と書いているけれど「ユーモア」のところを
なにか違うものに入れ替えれば、まったくこの人自身
に関して感じたままといえる。


そして、さみしさやせつなさ、
生きて行くシンドさ、時には悪や死まで
描きながら、ドコまでもやさしさ・
穏やかさを・静かさを感じる文章・・・
内面の傷つかない・動じない強い「善」が
どの作品の中にもかがやいているように思う。


ぼちぼちと、この人の著書を読んでいきたい book





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