goo blog サービス終了のお知らせ 

つづりかた

音楽・文学・日々・時々将棋

竜王戦予選 出場者決定戦1組 ▲山崎-△佐藤康 持将棋指直し

2014年05月11日 | 将棋
H26年5月8日
竜王戦予選1組4位 出場者決定戦
先手▲山崎八段、後手△佐藤康九段。
持将棋指直しと聞いて。一大事です。

対局開始は定刻の10時。持ち時間5時間。
持将棋成立は午前0時8分。
(相入玉により24点法で248手目持将棋成立)


以下、素人的ハイライトでお届けします。




130手目、先手・山崎の1一玉を、
後手・佐藤が3一玉と、玉将自ら詰めにいったところ。
二人の玉の距離が近すぎる…。
康光先生、本日も熱く語り合おうと気合十分!

ここからさらに137手目。



荒野の決闘。
熱い奴にはさらに熱く絡んでいくのが山崎流。
合駒なんかいらない…!素手でボコっていこうぜ!
康光さん、退いてくれよ!
おれだってタイトル欲しいんだよ!


この辺りで本当に山崎玉に詰みは無かったんでしょうか?
ソフトの方、よかったら解析お願いします。

150手目、魔術師・佐藤がテレポーテーションを唱えた。
ここから40手進んだ190手目。




華麗なる玉のワープ、完了。
まさかの相入玉。
ここからさらに50手進んで、まさかの持将棋成立。
まさかの残業確定。帰りたーいー、帰れない。
どうしてこうなった??
そんな疑問をよそに、
ルールにより30分後、指直し局がはじまる…。

0時38分、指直し局開始。
先後入れ替わって▲佐藤康-△山崎

とにかく桂馬が跳ねる跳ねる。
終電も出たし、どうせだ、ガッツリいこうぜ!とばかりに、
ますますヒートアップする盤上。

108手目。
世界の中心で愛を叫ぶがごとく、
盤の中心で3匹の桂馬がいななく。

佐藤玉の圧倒的無防備力も見逃せない。
山崎君は最近、居玉だの金銀バラバラだので、
独創的棋譜とか言われているらしいですが…、
独創の2文字は僕のものですから!




そして128手目。ついに終わりがきた。終局図はこちら。



終局は午前3時41分。

対局場である将棋会館最寄駅の千駄ヶ谷駅、始発は4時35分。
感想戦を1時間やると…ちょうどいいじゃないか。
両者そこまで読んでましたか、さすがです。



将棋界の一番長い日2014

2014年03月08日 | 将棋

今年のA級順位戦最終局が
たった今終了いたしました。

今期は三浦-久保戦が最も長く、26時終局。
最後は1分将棋を1時間にわたって繰り広げ、
今日の見所を全て持って行った感じです。

終局後は、張り詰めたままの緊張と
重度の疲労で、互いに口もきけず、
目も合わすこともできません。
ここまで戦える棋士の精神力を見せつけられました。


同世代対決の羽生-郷田戦は
郷田優勢の展開から8六桂と一気に羽生が攻め入り
そこから30手後には羽生が勝っているというミラクルがおこりました。

昨年の王将戦と同一カードの
渡辺-佐藤戦。
居飛車党の渡辺が、めずらしく四間飛車を採用。
佐藤はいつもどおり、独り荒野を行く前例のない手を採用。
夕食前までは、渡辺有利でしたが、
うまく自陣をまとめた佐藤が勝ちました。

行方-屋敷は終局が最も早く、
行方が一方的に押し勝ちました。
屋敷先生の作戦がうまくいかなかったようです。
この一戦に負けて、来期はB級1組へ降級が決まりました。

最後、谷川-深浦戦は感慨深いです。
谷川が32年守ったA級の地位。
しかし今期は既に降級が決まっており、その上での戦いです。
深浦に読み抜けがあったのか、谷川玉が7三玉から詰まない形となってしまい投了。
谷川はA級最終局を白星で締めくくりました。


来期A級にはB1から阿久津先生と広瀬先生が昇級。
A級順位1位は今年も羽生先生。
よって春の名人戦は今年も森内二冠と羽生三冠の対決となります。

















どうぶつ将棋

2013年12月30日 | 将棋
忘年会のレクリエーションにどうぶつ将棋を持っていきました。

これが非常にアツかった。
参加者の皆様が関心をお持ちかもしれないので、
関連動画をupしておきます。お暇な時にどうぞ。

武井壮が(ニャー)将棋で渡辺竜王と対決!



使用しているのは「3月のライオン」9巻付属「おでかけニャー将棋」。
携帯に便利です。
リンクamazonへ飛びます。在庫残り2点です。

3月のライオン (9)おでかけニャーしょうぎ付限定版


どうぶつ将棋の練習はこちらでできます。
http://rererenanora.web.fc2.com/doubutsuflash.html
難易度を上げると、かなり強いです。

電王戦の意味

2013年05月01日 | 将棋
電王戦が終わった事は知っていた。
しかし、暫く記事にできなかった。

ご存知の方も多いだろうが、
結果はソフト側の勝利に
終わったのである。

この事をどう考え、
どう感じれば良いのか自分でも不明瞭で。


ところで電王戦終局後、
更新された渡辺竜王のブログには驚いた。
PCとやる気がある文章だったから。

竜王のドライな性格を考えれば、
静観するのではないかと思っていたが違った。
今、このような発言が出来るのは
渡辺竜王だけだろう。

いつも通りの簡潔な文面だった。
しかし竜王の負けん気が騒いでいるのを感じた。


電王戦 阿部光瑠四段 vs 習甦

2013年03月25日 | 将棋
ブログに帰ってきました。
一ヶ月空けている間に電王戦の一回戦が
終わっていました。

阿部光瑠四段VS将棋ソフト習甦(しゅうそ)。
結果から言うと、あっけなく阿部四段が勝利。
もっと接戦になるかと思いましたが、
阿部四段の完勝でした。


ソフト側の特徴としては
基本的に攻めに重点を置いている
という点でしょうか。
多少無理やりでも駒損でも
攻めるようになっているみたいです。

ソフトだし、その辺りは計算して
もっと合理的に攻めて来るのかと思いきや、
意外に無茶な手を指すんですね。
特に終盤は明らかに無駄な手がありました。

この事はソフトが一つ一つを
個別の手として扱い、
そこに連続性がないということを
表していると思います。

連続性がないということは
経験という概念が無いという事です。

経験が無いという事は
ひとつひとつに対応する事は出来ても
「省く」作業が出来ない。
かつ、解へ向かって進む作業は出来るが
解を予想しながら進む事は出来ない。
ということなんだなあ、と感じました。

まるで一つ一つ指示しないと
こちらが求める結果が出て来づらい
新入社員の仕事ぶりのようです。

これはPC自体が電算機から始まっている、
という事に依拠するように思います。
ざっくり言えば、基本的に国語力が無いのです。
記憶したデータを反映させる事は可能だが
全体を見て50字以内にまとめたり、
作者の言いたいことを予想する事は
難しいという事でしょう。


合理的な考えというものが
実は非常に人間らしい、
洗練された考えであると
気付かされた一局でした。





A級順位戦最終局

2013年03月02日 | 将棋
次は3月末の更新とか言っておきながら。
最終局が感動的だったので。

来期のA級メンバーが決定しました。
羽生・三浦・郷田・渡辺・屋敷・
佐藤・谷川・深浦・久保・行方

来期も強豪ぞろい。

トピックスとしては、

・谷川九段が辛くも残留を決め、現役A級会長を続行。

・郷田棋王がまたしても2時間超えの大長考。
 その末に渡辺竜王に逆転勝ち。

・佐藤王将がまたしても独自の世界を展開。
 午前中で14手しか進まないという新世界感。

・羽生・橋本は76手という短手数で終局。
 しかしハッシーのがんばりに拍手。

・三浦・高橋戦の7六飛


只今、3月2日、26時20分。
最後まで続いていた三浦・高橋の感想戦が終わった所です。

今期の将棋界の一番長い日はこの感想戦終了を持って終了。
また春から、新しい順位戦がはじまります。

A級最終局まであと1週間

2013年02月25日 | 将棋
3月1日、A級順位・最終局まであと1週間!

で、大盤解説会ですが。
東京では森内名人・鈴木八段・阿久津七段・広瀬七段。
大阪では久保九段・山崎七段・糸谷六段が出演。
超豪華。

さらに。さらに大阪では浦野八段が登場。
なんと、「書籍アドバイザー」として、
将棋本の即売会を開くらしいです。
http://www.shogi.or.jp/kansai/club/KansaiKishiSignBookSale2013Mars1.html

浦野八段、いつから書籍アドバイザーに?
しかし、八段棋士が相談に乗ってくれるなんて
豪華で嬉しいですよね。
大阪らしいアットホームな感じもあったかいです。


本は全て、サイン入り。




うわー、宝の山。
上のほうに「光速・谷川浩司」の文字も見えますね。
3月1日、17時から即売開始だそうです。
綴り人は仕事で全然行けないんです(涙)。
じゃぱねっと浦野の異名を持つ
浦野先生の販促アドバイスがどのようなものだったのか、
訪問された方は教えて下さい。
(写真、勝手に関西連盟から
とってきちゃったけどいいのかな。
特に何も書いてなかったからとっちゃったけど。
問題あったら、コメント下さい。削除します。)




さて、綴り人はちょっと仕事が詰んできております。
経理担当なのでねぇ。3月〆があるんですよ。
順位戦と同じでこれからが大詰めなんです。
1ヶ月ほど、ブログの更新をお休みさせて頂きます。
次は3月25日にお会いしましょう。
ではでは。



第63期王将戦第3局 2

2013年02月17日 | 将棋
王将戦3局。

大変な事になっていた。

画面下段が先手・佐藤王将。
上段が後手・渡辺竜王。
9六香に8五桂。竜王の攻手が佐藤先生の玉に迫っている(左図)。
ここからまさかの(右図)。
 → 

8七玉。
玉が攻め手の方に上がっちゃった。
これがどれくらいあり得無いかというと、
火薬庫で煙草吸ってみた、というくらい、無い。

しかし、竜王もめげない。
9五飛車で火薬を倍増。(左図)。
しかし、さすが佐藤先生。
育ちが良すぎて嫌みが全然通じない(右図)。
8六玉とむしろ近寄る。
熱く語り合おうと。

 → 

近い近い!距離感保とうよ!
どん退きする竜王の飛車。
現代っ子の竜王はドライなのだ。


あ、そう。
いいよ、じゃあ。
お兄さんは一人で旅に出るから。
君はDSでダービースタリオンでもやってなさい。
という訳で、以下、佐藤玉の一人旅が始まる。

鴨川を水源へ遡るかのような典雅な手。
歩の従者を3人引き連れて(左図)。
馬に乗ってさらに上流を目指す(7三桂成)(右図)。
入玉の3段まであと一歩。水源はもう見えている。

 → 



この局面で竜王が投了。
持ち駒の桂香歩では、先手玉に詰みがないため。




王将戦だけに玉が最前線で戦う一局に
したかったのだろうか。
リスキーな手を自ら選んで指す
佐藤先生らしい一局。
全ての棋譜はこちら↓で。
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/etc/62/130213.html




第63期王将戦第3局 1

2013年02月14日 | 将棋
本日は第63期王将戦第3局2日目。

1・2局と連敗していた佐藤王将。
本日は緻密流が炸裂したらしい。
95手という比較的短手数で快勝。
17時7分終局。
ノー残業デーとなったようだ。

綴り人は対局見たさに日頃の三倍速で仕事をした。
そして定時で仕事を切り上げた。
しかし。その時にはすでに終了…。

ニコ生の中継が1分も見られなかったよ…。
本日は藤井九段と藤田綾女流という
ゴールデンカードでのニコ生解説だったのに。
ニコ生さん頼むから全局タイムシフトにしてくらさい…。

しかし今日は何も言うまい。
とにかく佐藤先生らしい1局になったのだから。
その事を喜ぼう。

これから中継ブログ↓で
http://kifulog.shogi.or.jp/ousho/
棋譜を見てきます。

詳細はまた明日にでも。



王位戦挑決 竜王対王将

2013年02月06日 | 将棋
本日は王位戦挑決白組1回戦2局。
渡辺竜王対佐藤王将。

これは現在進行中の、王将戦と同じカード。
王将戦は佐藤王将が竜王に連敗中。
綴り人は佐藤ファンなので
なかなかに辛かった。
しかし、本日は手放しで喜べる。


ただ、綴り人は渡辺竜王のファンでもある。
竜王は明快で爽やか。要はカワイイのだ。

合理的な手順で手堅く勝ちにいく竜王の将棋。
しかし只今竜王は、公式戦3連敗中と乱調気味。

発端は羽生先生との順位戦。
竜王が2手目で3四歩と角道をあけるという
めずらしい局。
竜王は飛車先の歩を伸ばしていく棋譜が多いのだが。

名人戦挑戦が見えて気負ってしまったのかもしれない。
大熱戦だったが結果はついてこなかった。


これが響いたか、次の棋王戦、本日の王位戦挑決も
落としてしまった。
棋戦のスケジュールが立て込んでいるのも
響いているのだろう。
多忙はトップ棋士のさだめとはいえ、
気の毒な気がする。





棋王戦第一局

2013年02月03日 | 将棋
本日は第38期棋王戦の第一局。
郷田真隆棋王VS渡辺明竜王。
http://live.shogi.or.jp/kiou/

ニコ生にてライブ配信を観覧。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv123788588?zroute=index
解説は鈴木大介八段と本田小百合女流三段。

鈴木先生の解説と聞いて期待していた。
うるさいと怒られてもしゃべっている、という饒舌家で、
読みも鋭いのだから
楽しくない訳がない。
期待を裏切らないトークで、本田女流との息もぴったり。
コンビで売り出しても問題ないくらい。

長年将棋を続けていると、
勝敗にはだんだん無感動になってくる、と鈴木先生。
いや、私は勝ったら嬉しいです、と本田女流。
それに対する鈴木先生の返答が胸を打った。

「それは幸せだねえ。」

寂寥感が漂う。
勝負の世界の厳しさを垣間見た気がした。


さて第一局。

終盤先手4五歩からは形勢が一手ごとに傾いたが、
郷田棋王の勝利。終局は18時45分。
好手に対して好手で返す、落ち着いた一局だった。
先後共に納得のいく対局になったのではないかと思う。



郷田棋王は長考派で有名。
名人戦での3時間26分の大長考は、もはや伝説だ。
長考派は早読みにも強い、という法則どおり、
持ち時間4時間の棋王戦でも勝ちを収めた。

ちなみに羽生世代では貴重な独身棋士である。
おそらく、極度のめんどくさがりなのだろう。

携帯不所持・PC嫌いの古風さで有名な彼だが、
今年の正月に出演した上州将棋祭りで、
最近ヤマダ電器でノートパソコンを購入した、と言って関係者を喜ばせた。
ヤマダ電器が主催のイベントだったのである。
剛毅な棋風だが、性格は様々に気遣う方なのかもしれない。




Massive Attackと電王戦

2013年01月30日 | 将棋
Massive Attack - Teardrop



最近の脳内ヘビロテ。
懐かしいマッシヴ・アタック。
「電王戦」のPVに使われていて、
この曲が好きだったのを思い出しました。
http://ch.nicovideo.jp/denousen

電王戦はプロ棋士が将棋のゲームソフトと
ガチで勝負する、という棋戦。
プロ側としては負けると存在価値を問われる為、
ある意味最もリスキー、かつスリリングな棋戦と言えるでしょう。

個人的に楽しみなのは、一回戦と五回戦。

1回戦は3/20で、カードは阿部光瑠四段VS「習甦(しゅうそ)」。
あべ・こうる、と読みます。青森出身の18歳。
フレッシュな感覚と抜けきらない青森弁がかわゆすな期待の若手棋士。
光速と評される読みで、ソフトを一蹴してくれそうです。


五回戦最終局は4/20で、カードは三浦弘行八段VS「GPS将棋」。
1/12のブログでご紹介した三浦八段、我らのみうみうが登場です。
http://blog.goo.ne.jp/modarn/s/%BB%B0%B1%BA

三浦先生、A級棋士のプライドにかけても
負けられない戦い。応援しています。

対する「GPS将棋」は東京大学が開発する現在最強の将棋ソフト。
棋戦当日は東大駒場キャンパス内にある
788台すべてのPCを起動し、
大規模クラスタを構成して戦うそうです。

棋士ひとりにクラスタ?ちょっと大げさだなあ、
とつっこみつつも、ニヤニヤが隠せないのですよ。
盤外が大げさになればなるほど面白いのが
対局というものですからね!
この対局、伝説がうまれそうな予感がしています。