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DVD「彫刻家佐藤忠良 本郷新を語る」

2005年06月04日 11時52分13秒 | 2005年度の展覧会など
会場で上映しているDVD「彫刻家 佐藤忠良 本郷新を語る」が好評です。
新制作派協会彫刻部を一緒に立ち上げるなど本郷と長く親交のあった佐藤忠良が、酒井忠康世田谷美術館館長を聞き手に、昨年の10月6日に自らのアトリエで本郷の思い出を語ったものを約30分にまとめています。本郷との出会い、新制作派協会彫刻部創設、趣味、彫刻の社会性についてなどユーモアたっぷりに語っています。若いころに本郷が時々佐藤のアトリエを訪れて制作中の作品を本郷調に直してしまったことや、佐藤がシベリア抑留から復員したときに親子で品川駅まで出迎えにきてくれたこと、さらには本郷の邁進ぶりを「本郷さんは、ふんどしをつけずに素っ裸で走って行ってしまう。僕たちはふんどしを後から持って追いかけていく」と仲間でよく言っていたことなど、親しかった佐藤ならではの話が盛りだくさんです。
 このDVDは、札幌彫刻美術館が本郷新生誕100年記念事業の一環として製作したもので、両会場のみの上映になります。なお、その内容は展覧会図録にも収録されています。

名著「彫刻の美」復刊

2005年06月04日 11時00分12秒 | 2005年度の展覧会など
 生誕100年を記念し、本郷新の名著『彫刻の美』が中央公論美術出版から復刊されました。初版は1942年、彼が36歳の時です。簡易な言葉で彫刻の魅力をさまざまな角度からわかりやすく綴ったその内容によって、当時戦時下でありながら大ベストセラーとなったものです。60年以上を経た現在読み返しても、そのまま十分に通用する確かな彫刻観にはいまさらながら驚かされます。本郷が亡くなった1980年に自ら監修し一部付け加えて再版されたものの、その後長く絶版状態が続いており、このたび待望の復刊となりました。彫刻の入門書として、多くの方に読んでいただきたい一冊です。
 美術館売店で3,255円で販売しています。
 また、本郷新の次男で役者の本郷淳が記した『おやじとせがれ』には、息子の目を通して見た彫刻家本郷新の姿がユーモアを交えながら綴られています。本郷新を公私を含めて知ることができるオススメの本です。こちらも美術館売店で1,800円で販売しています。
 ぜひ展覧会とあわせてお読みください。