SAMニュース

美術館の最新ニュースをお届けします。

次回展覧会のお知らせ

2007年06月27日 19時04分30秒 | 2007年度の展覧会など
ご無沙汰しております。
そうこうしている間に、札幌にも夏の足音ですね。

本日は通常通りの美術館ニュース。
真夏の展覧会のお知らせです。

「澁澤龍彦-幻想美術館」
独自の美意識をもつ評論家・フランス文学者として知られる澁澤龍彦が愛した
古今東西の美術作品によって、彼の人生行路を紹介する展覧会です。
会期は8月10日(金)~9月30日(日)。お楽しみに!

ヴェネツィア、日本館外観

2007年06月14日 11時01分35秒 | 2007年度の展覧会など
6月10日、午後3時半まで日本館受付をし、
その後大急ぎで荷をまとめ、5時の水上バスで帰国の途につきました。
私の体は札幌へ戻りましたが、スーツケースはまだ、
ロストバゲージでイタリアのどこかをさまよっています。

写真は、最後に見た日本館の外観。
夏の日射しを浴び、人々のざわめきに包まれていました。

20日間、ここで、コミッショナー港さん、アーティスト岡部さんらと一緒に、
1152点のフロッタージュ作品を展示し、ワークショップの運営に取り組みました。
いま振り返ると、対話と実験を積み重ねながらの作業は、
展示空間だけでなく、10人をこすスタッフの結びつきを
構築する日々でもあったように思います。

すべて展示し終えたとき、ばらばらだった1152点は
一つの空間として息づき、圧倒的な存在感を放ち始めました。
11月の閉幕まで、より多くの人が
日本館の展示を見に来てくれることを願ってやみません。

他のスタッフはさらに1週間滞在し、
ワークショップやローマでの展覧会準備に、現在もあたっています。
                          (終わり)
         
今井里江子(岡部昌生プロジェクト・スタッフ、札幌芸術の森美術館学芸員)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ美術展 日本館
「私たちの過去に、未来はあるのか」
コミッショナー:港 千尋(写真家、評論家、多摩美術大学教授)
アーティスト :岡部昌生(美術作家、札幌大谷大学教授)
会期:2007年6月10日~11月21日
会場:ヴェネツィア、ジャルディーニ地区ビエンナーレ会場内(イタリア)
主催:財団法人国際交流基金

今回のヴェネツィア・ビエンナーレについての詳細は、
国際交流基金の以下の記事が参考になります。
http://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/art/j/52/index.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヴェネツィア、アルセナーレ

2007年06月13日 22時14分24秒 | 2007年度の展覧会など
500年以上の歴史をもつ、アルセナーレ(造船所)の二つの塔です。
ヴェネツィア共和国千年の歴史は、ここで作られ出航した
膨大な数の船によって支えられてきました。

ビエンナーレのもう一つの会場が、ここにあります。
日本館のあるジャルディーニ地区から、徒歩10分程。
総合ディレクターのストー氏が企画したグループ展を、駆け足で観覧。
1週間前、ここの壁をフロッタージュしたワークショップも、
だいぶ昔のことのように感じられます。

初日にスタッフ全員で「よろしく」と乾杯したトラットリア(食堂)も、
北海道新聞社のK記者が大転倒してしまったのも、この界隈。
通勤ルートでもあります。
毎朝、手前の橋を渡りながら、携帯電話を片手にブログを書いてきました。
さまざまな思い出がうまれた場所です。

ヴェネツィア、グランド・オープン初日

2007年06月13日 22時02分12秒 | 2007年度の展覧会など
グランド・オープン(一般公開)初日も、
ベルニサージュに引き続き、多くの報道陣や美術関係者が
日本館を訪ねてきました。

写真は、この20日間使ってきたスタッフ用通行証。
あと数時間で帰国するので名残おしく眺めていると、
とある男性が声をかけてきました。
「あなたがたの展示をみて、とても感動しました...
 作家の岡部さんと、ぜひお話ししたい。
 無理ならば、この手紙を渡していただけませんか」
と、小さなメモ用紙を差し出しました。

みると、著名なビデオ・インスタレーション作家のV氏です。
この春、森美術館で彼の展覧会を見たばかり。
岡部さんはインタビュー中だったため、
日本館の展示について少しだけお話しさせていただきました。
Vさん、言葉少なでしたが、
心を突き動かされました、とおっしゃって、
人混みの中に消えていきました。

あれほど静かに、強く心をふるわせている人があったでしょうか。
彼の感動が、私の胸にも伝わってきました。
印象に残るお客様でした。

ヴェネツィア、開会式

2007年06月13日 21時16分47秒 | 2007年度の展覧会など
6月10日(日)午前10時、ヴェネツィア・ビエンナーレが
グランド・オープン(一般公開)しました。

10時30分からは、イタリア館前で開会式が催されました。
テレビカメラの陣取り合戦に押されつつ、なんとか前から2列目を確保。
そして撮影成功しました。
向かって右が、ビエンナーレ総合ディレクターのロバート・ストー氏
(元MoMAシニア・キュレーター、イェール大学美術学部学部長)。
今年のビエンナーレ全体テーマについて話してくださいました。

そのテーマは、赤と黄緑のバックボードにも記されています:
「pensa con i sensi/senti con la mente l'arte al presente」
(think with sense/feel with mind about the contemporary art)
(感覚で考えよ/心で感じよ/現在進行形のアートについて)
とでも訳せるでしょうか。
展示作業期間はずっと雨で寒かったのに、
昨日から真夏の日射しが照りつけるようになりました。
ヴェネツィアの夏、到来です。