内向的性格を生きる

不安と共に生きる
  by mo-ri-tan
(対人緊張・抑うつ感・劣等感を持ちつつ)

井上常七先生のことば

2009-04-06 19:40:45 | 森田療法関係の本
生活の発見会の月刊誌が届いた。
井上常七先生の話というのは
いつもとても参考になる。

森田先生の日常が垣間見られて、
何を大事にされようとしていたのか、
その辺がとてもよく伝わってくる。

『診断は「君治らないよ」と言うんですよ。
もういいから帰れって、これっきりなんです。こんなばかな。
なぜですかと聞いたら、
「僕と同じだから治らないんだ。
僕は今君の診察をしているんだけど、
(庭で作業している患者が見えるんですね)
あの作業が間違ってはいないか、
どうしているかなと見たり、それも気になる。
外来の患者がきになったり、
いろいろ気にしながら、君のことを見てるんだ。
少なくとも三つ四つのことに心が流れてるんだ。
これが雑念でなくてなんだ。
君と同じじゃないか。
治さなくてもいいよ。治らないよ。もういいから帰れ。』
(生活の発見 4月 p.55)

井上先生が初めて森田先生の診察を受けたときのことだそうである。
こんなこと言う先生なんて、よっぽど変わっている。
けれども、実に的を得ている。

『今、森田関係の書物にあるような技法は
森田修養療法にはないんです。
お釈迦様の言葉に応病与薬とありますね。
人を見て法を説けともありますね。
「君と柿原さんとは違うんだ。
だいたい男と女の違いが分からないのか。
年も違う。同じ神経質といっても百人いれば百人違う。
主婦でも年もいっているし、
君のようにストレートに言ったら悲観して来ないよ。
そうすると一生救われないよ。
君は若いし、少しずうずうしいし、
しつこいから本当を言ったんだ。
治らないのが本当だ」といいましたね。』(p.56)

森田療法も色々変わってきているように思う。
私個人としては、井上先生、宇佐先生のように
森田先生に忠実な教えのほうがぴったりくる。

最近の見聞している森田療法の一部の試みは
何かと心にアプローチしすぎているような気がしているが、
そんなことはないだろうか。
専門家でないから、よくわからないけれども。

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