3月14日(土)あめのちはれ
白い世界を創る日々はいづこへ
頭の中の科学者は自転車に乗って猛スピードで通り過ぎていった。
しろ、シロ、白
夜な夜な目を閉じて創ってみた世界。
真っ白を創るのは難しく、
雪が降る空の灰色っぽい白に近い世界に傾くのだ。
傾いた白を、限りなく真っ白に近づける科学者。
その科学者がいなくなった。
良い科学者ではなく、眠るために創り出した偽科学者にすぎない。
彼が去ったことでわたしの休息は快適なモノに近づいた。
白い世界を創り出さなくて済むことは嬉しくもあるが、少しさみしくもある。
それでもいつの間にか眠りに落ちることが幸せでならない。
無意味に考えすぎた日々が懐かしくおもえる。
何かを見つけるってのはすごく良いことだ。
もうひとり居るはずの、良い科学者への贈り物