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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(65)&CG合成

2008-10-08 04:39:10 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(65)&CG合成

その晩、食事を済ませた二人は部屋に閉じこもった。そして三河警部から渡された写真を前に堂元の日課を読んでいた。
「堂元の住まいは中村町か、一匹狼といいながら用心棒を二人雇っている。前川大輔三十才と大谷衛三十才か、二人は通いで堂本は一人住まい。
六時起床で安倍川の土手を毎日二十分のジョギングを欠かさず走っている。ここは無理だな、隠れる所がない。
六時四十分には家に戻って、通いの家政婦が七時に来て食事を作って、夕方四時には帰るのか」。
「京平さん。毎週火、木、土と十三時には必ず出掛けているわね。後は月、水、金と十五時に出掛けている。何しに行っているのかな」
「いや、それは書いてない」。
すると、美保は別の書類を広げた。それは堂元の自宅から二百メートル周辺の地図だった。美保はじっと見ていた。
「京平さん、この地図って正確だよね」。
「たぶん正確だと思うけど、何か良い場所あったのか」。
京平は地図を覗き込んだ。すると美保は或一点を指さした。
「堂元の家を正面に東と西に工事中のマンションがあるわよ。この地図からだと百五十メートルはないと思う」。
「よし、西のビルにしよう。寝室は二階だ、一度や二度は窓際に立つだろ、そこを狙う。鉄鋼弾と炸裂弾を同時に発射する。鉄鋼弾は頭、炸裂弾は胸部。確実に仕留めるにそれしかないな」。
「うん」。すると
「コンコン、入っても良いかしら。美保さんお茶」ドアを開けると母良江トレーを持って立っていた。
「二人して何を相談しているのかしら」。母良江は中には入らず二人の顔を見ていた。
「母さんちょうど良かった。二人で静岡へ行って来てもいいかな」。
「ええ、それは良いけど。警察に呼ばれているの」。
「うん、一度現場に来て話をしてくれないかって言うからね、ついでに営業もしてこようと思ってさ」。
「いいわよ、京平たちの都合の良い時に行ってらっしゃい。パンフレットはどれくらい用意したらいいのかしら」。
「うん、三百部もあれば良いかな。三河さんが部下や関係者を紹介してくれるって言うからさ、ついでに前の会社の取引間系の会社を廻って来るよ。それから美保が勤める事になっていたスーパーもね」。
「そう、分かった。それでいつ行くの」。
「早い方がいいから月曜日に出て二~三日行って来るよ」。
母良江は頷くと戻って行った。
そして二日、十月十九日月曜日。朝から小雨交じりの寒い朝だった。京平と美保の二人は午前中は仕事をし、昼食を済ませると支度を始めた。
京平は作業服の上下と安全靴、そして白いヘルメット二人分をスポーツバックに入れていた。用意が出来ると車に積んで戻ると着替え、事務所に降りた。
「支度出来たのか」。父良平はニコッと笑うとパンフレットが入った袋を渡した。「うん、じゃあ行ってくる」。
「美保さんこれは経費、持って行きなさい」。
「父さんいいよ、給料二人分貰っているんだから。なあ美保」。
「うん、お義父さん本当に大丈夫ですから。それより松達の事お願いします」。
「分かった。大事な狸さんは任せなさい。気を付けてな」。
二人は両親の見送りで美保のBMWに乗り込むと出発した。
両親は二人の車が見えなくなるまで見ていた。
「なんかお義父さん達に後ろめたいね」。美保は後ろを見て、見えない義父母を見るようにボソッと言った。そして京平の横顔を見詰めていた。
「仕方ないさ、でも営業する事は確かだから気にするな」。
「うん。ねえこの車で堂元の家を下見するの?・・・」。
「いいや、静岡に着いたら駅の駐車場に入れてライトバンを借りる。ライトバンなら目立たないし、夜の建設中のマンションの前に止めても疑われないだろ、作業服にメットに安全靴なら尚更だ」。
「アッハハハハ・・・本当ね。でも此れって凶悪犯罪なんだよね」。
こうして豊科に出ると中央自動車道に乗った。そして山梨へ入り、韮崎インターで降りた。そして国道52号線に入ると走りなれた国道を静岡へと向かった。
そして夕方、西陽を浴びながら清水区へと入った。
そして東名高速に乗って二十分。静岡インターを降りる頃には真っ暗になっていた。インターを出ると右折して堂元の家のある中村町に向かった。
そして、SBS通りのT字路を真っすぐに南幹線を「そこ右折よ、二つ目の交差点をまた右折」と美保は三河警部から渡された地図広げナビしていた。
そしてカーナビを見ながら照らし合わせ「そこよ、その正面の家がそう」。
目的地に車を止めた。そして堂元勝雄の自宅を確認するとその場を離れた。
そして堂元の家の裏の後方にあるビルの建設現場を下見して駅に向かった。
「美保はどっちが良いと思う」?
「私は裏のビルからの方が狙い易いと思う。それに、マンションの通りより人通りが少ないもん」。
「僕もそう思う。今から車を駅の駐車場に入れてレンタカーを借りる、ホテルにチェックインして食事して、着替えたら見に行こう。それでいいかな」?
「うん、でも京平さんは疲れてないの?・・・」。
「疲れてないよ」。
そう言うと手を延ばして美保の左手を握った。そして車を預け、荷物を持つとタクシーに乗り込んだ。そして千円を渡すと頼んだ。
「運転手さん近くて悪いけど此れでその先のレンタカー会社までお願いします。荷物が多いもんだから」。
「はい、こちらそこ目と鼻の先で千円も有り難うございます」。若い運転手は嫌な顔一つ見せないで車を出した。
そしてレンタカー会社の前に着くと、すかさず降りると後ろに廻り、美保の荷物を持って運んでくれたのだった。
「有り難う運転手さん、近くて済みませんでした」。
「いいえ、困っている時はお互い様ですから。失礼します」。
運転手は帽子を取って頭を下げUターンすると駅に向かった。
そして白のライトバンを借り、静岡駅の表に廻ると県庁に向かった。中央署と県庁の交差点を左折、静岡伊勢丹、直ぐ先にある北ワシントンホテルに向かった。そして車はホテルではなく、別の駐車場に入れてホテルに入った。
京平はフロントで名前を告げた。
「いらっしゃいませ。紺野様、奥様お待ちしておりました。お部屋は4012号室スイートでございます。ごゆっくりお過ごし下さいませ」。
するとベルボーイが横に来て、ペコッと頭を下げ、美保から荷物を受け取ると、部屋に案内してくれた。NO-65


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