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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(72)&CG合成

2008-11-10 03:37:30 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(72)&CG合成

「分かっています。もう少し練習して至近距離から狙うしかありませんな」。
すると別荘の入り口に設置してあるセンサーが鳴った。そしてモニターに美保のBMWが映った。間もなく庭に車が止まって美保が降りて来た。京平は部屋を出て階段を降りて滑る床に砂を撒いた。
「なんで私を除け者にするの。狡いなあ」。美保は冗談交じりに京平の手をつかんで階段を上がった。三河は申し訳なさそうに頭を下げた。
部屋に入ると暖炉の前に美保を座らせ、膝掛けを掛けると話した。
「有り難う、私の身体の事を心配してくれていたんだ。さっきはごめんなさい。それで警部の腕はどうなの?・・・やれるの」?
京平は返事に戸惑い三河の顔を見た。美保は察した。
「それでその暴走族は悪ばかりなの。警部がそう言うならそうなんでしょうけど、でも多いわね25人と言うのは」。
三人は互いに顔を見ては腕を組み、溜め息をついていた。
暖炉のバチバチ弾く音を聞きながら思案に暮れていた。
「ねえ警部、こうしたらどうかしら。その中で数人のトップを選んで始末するの。その後に声明文を出して、解散しなければもっと大勢の犠牲者が出る事になるって。実際誰だって死にたくないもの」。
「うん、それも一つの案だけど、トップを殺された配下は逆に団結してしまう可能性もあるぞ」。
「そうよね、そうなったら気の毒だけど、平々の一人か二人に犠牲になって貰うのね、そうすれば私達は本気だって事が分かって、平々は怖くなって暴走族から離れるわよ。
リーダーなんか子分がいてのリーダーでしょう。その子分を守れないとなれば自然崩壊するんじゃないのかな。
本気で解散させる気持ちでやるなら心を鬼にしてやらなきゃ。安易な考えでリーダーを始末すれば解散させられるなんて考えなら止めた方がいいと思う。ねえ京平さん」。
京平も三河もその言葉には驚いた。しかし美保の言う通りだった。
それは東京都内だけでも暴走族グループは三十五もあり。推定暴走族人員は青少年男女合わせて四千人はいると思われていた。
そして全国には数万人の暴走族がいたのだった。
そして広島のえびす祭りに合わせ、暴走族のリーダーの引退式が行われているのは広島市民なら誰でも知っている事だった。
京平も三河も美保の言葉に考え倦んでいた。
すると、三河はスッと立ち上がると拳を左手の平にバシッとぶつけた。
「やりましょう、法治国家も時には荒療治の必要もあります。暴力を押さえるにはそれ以上の事をしなければ。
警察内部にも凶悪犯にはアメリカ式のやり方も必要だと言う声も大です。だからと言って大勢の人間を巻き込んで実行すればい明るみに出る可能性が高くなります。いつかは誰かがやらなければならないんす。警察官の私がこんな事を言うのは変ですな」。
「それで、いつから始めるんです?・・・」。
「ええ、直ぐにでも始めたいと思っています。正月には初日の出の暴走がありますからね。毎年何千人も警官が出ても収まりが着きません。少し恐ろしい思いをさせてやりますか」。
京平は来週東京に行く用事を控えていた。その事を考えていた。
「京平さん、来週東京へ行くわよね。その時にどう?・・・」。
美保も同じ事を考えていたらしい。その言葉に三河は目を見開いた。
「うん、その事を考えていたんだ。警部、来週の月曜の二十一日にやりますか。僕は決行したらその足で白馬に帰りますが、そけで良ければ」。
「ええ、済みませんね奥さん。こんな時期に変なお願いに上がって。では誰をターゲットにするか相談しましょう」。
こうして話は美保の提案を聴き入れ、三河はバックからリストと顔写真を出し、テーブルに広げた。
「美保、お前は帰りなさい。きっと母さんが心配しているから。それにここは冷えるからね」。
「はい、分かりました。三河さん気を付けて下さいね。もし危険だったら無理して実行しないで次の機会を待って下さい」。
三河は顔を上げて笑みを浮かべると頷いていた。そして京平は滑る庭まで美保を送ると車に乗せた。
「お義母さんには前の会社の人が来ているって話しておくから」。
「悪いな。気を付けて帰るんだぞ」。美保は頷くと庭で車を回して帰って行った。そして京平は三河と二人でターゲーットの選別を始めた。
そして三河の考えで大きな暴走族五つのリーダーとサブの二人づつ十人に絞り込んだ。二人の計画とはシンプルな物だった。余計な策は使わず、携帯で呼び出しては次々に始末する事だった。
「警部、色々策は講じないでシンプルにしましょう。族のリーダーとサブを呼び出して掃除する。話せば若い連中ばかりです、仏心が出ないとも限りません。そうなればこちらの身が危険になります」。
「分かった、そうなれば族は手足をもがれたも同然ですな。私達が本気だと言う事が通じるでしょう」?
「ええ、装備は黒のフルフィスのメット、黒皮のツナギで行きます。強力な懐中電灯。逆光で面を見られる事もありませんし、眩しいですから動きを封じる事も来ます」。
「やっぱり一人より二人ですな。では当日までに車とマスクと懐中電気を用意して置きます。勿論盗難車と偽造ナンバーですがね。
落ち合う所は、そう、私の家が良いでしょう。家族は下の息子が高校を卒業するまで静岡です。来るのは来年の四月でないと東京へ来ませんから」。
「分かりました。じゃあそう言う事にしましょう。では銃は三河さんが持っていてくれた方が安全でしょう。弾は僕が持って行きます」。
こうして話はまとまった。京平は二丁の銃の入ったブリーフケースを渡した。「ではお預かりします」と三河昇は受け取ると東京へ帰って行った。
京平は地下室から弾丸を二箱持つと金庫に鍵を掛けて実家に帰った。そして帰ると美保に計画の内容を総て打ち明けた。
「流石ね京平さん、二十五人を始末する所を半分。もしかしたら半分の五人、もしかしたらもっと減る事になるかも。でも黙って無傷で帰すんじゃないでしょう」。
「うん。それなりに痛い思いをして貰わないと本気で暴走族を辞めてくれないから片輪にならない程度にね」。
「そうね、でも驚いたわね。三河さんがそこまで考えていたなんて。処罰が軽いから歯痒いんだろうね」。
「うん、警察が何カ月も掛けて捜査して逮捕しても。相手が未成年と言うだけで保護観察か少年院送致だからね。思い切った事をすれば後に続く連中も考えるだろ」。NO72


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