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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(75)デッサン

2008-11-23 19:28:10 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(75)デッサン

「痛てえよう、早く医者を呼んで下さい。死んじゃうよ」。
「後藤、お前でも痛いか。いままでお前がして来た事を考えて反省しろ。今までして来た事の報いだと思え。約束守れよ」。二人はそう言い残してその場を離れた。
「頼みま~す、約束は守りますから救急車を呼んで下さ~い」。
後藤の叫ぶ声がエコ~がかかって鳴り響いていた。そして車に乗り込むと京平は救急車を呼んでやっていた。
三河は車を出すと日暮里の谷中霊園に向かった。そして途中でサイレンを鳴らして走る救急車と擦れ違った。
「紺野さん、次は私にやらせて下さい。それで今度呼び付けるのは小宮大介と前田二郎の二人です。堤徹に言われたと言って入団したい男がいると谷中霊園の東側へ十時半と言って下さい」。
京平は次々と出てくる名前に驚きながら電話した。すると何故か相手は疑いもなく言う事を聞くのだった。
「三河さん、随分詳しく調べあげたようですね」。
「ええ、奥さんに別荘で言われましたからね。やるなら覚悟して中途半端なやり方は駄目だって。あの言葉は効きましたよ」。
するとパトカーがサイレンを鳴らしながら何台も連なって走り回っていた。
そんなパトカーを横目で見ながら薄笑いを浮かべていた。
そして谷中霊園の手前の空き地に止めて車を降りた。
すると、派手なワンボックスカーがクラクションを鳴らして走り抜けて行った。そして霊園の駐車場に入った。
二人は脇道に入ると気付かれないように霊園に入った。そして人気のない事を確かめると準備をした。すると、ワンボックスカーのスライドドアが開いた。男女四人が降りて来た。
「クソ~ッ、女も一緒か。どうします紺野さん」。
「仕方ないですね。あの恰好を見て下さい、ブランド品で着飾って、どうせ巻き上げたか盗んだものでしょう」。
「ええ、小宮の女と前田の女でチーマーのリーダーの加奈とサブで美里ですよ、みせしめに始末しますか」?
「そうですね、悪ならみせしめになるでしょう。でも女性は始めてです。気が引けますがやりますか」。
「ええ、私がやります。ここから見ていて下さい」。
三河はそう言うと墓石に隠れながら近付いて行った。
京平は男の一人に狙いを付けていた。すると、「お前たち」と三河は女の背後から銃を構えて声を掛けた。
すると男女四人は声も出さずに固まった。
すると音もなく女性が次々と倒れた。京平は小走りに駆け寄った。真っ暗な墓地に目が慣れて、駆け寄ると石畳みには女は頭から血を流して俯せに倒れていた。そしてじわじわ血が流れ出ていた。
「小宮大介と前田二郎だな。暴走族を解散しろ」。
「てめえは誰だ、そんな面なんか付けやがって。女は殺しても幾らでもいるさ。族を解散しろだと、てめえ二百人の族と喧嘩するてっか。え~っ」。
「黙れ!」三河は次の弾を発射した。
「ドスッ」と弾が当たる音と共に貫通して後ろの墓石にめり込んだ。同時に小宮の体が背後に舞った。前田は口を開いたまま、ただわなわなと震えているだけだった。
「前田、さっきの勢いはどうした。貴様はどうだ。死にたいのか、それとも二百人の暴走族と私達組織と張り合うか。返事次第では引き金を引くぞ」。
「はははい、かかか解散しします。おお願いですから殺さないで下さい。ぼぼぼ僕は何も見なかったです。はい何も見ませんでした」。
「そうか、何も見なかったか。もし約束を敗ったら殺すからな。何処へ逃げても隠れても組織が捜し出してきっと殺す。分かったな」。
「はははい、わわ分かりました。いいい言いません」。
「よし、いままでしてきた悪行の報いに痛い思いしろ」。三河は京平を見た。京平は太股を掠めるように撃った。
「あああっ痛てえ~っ。ここ殺さないって言ったじゃないっすか」
「黙れ!、声を上げたら今度は殺すぞ。掠めただけだ、死なないよ。後から救急車を呼んでやる。いいな、約束だぞ」。
男はくしゃくしゃな顔をして、口をグッと綴じて頷いた。
そして三河は倒れている男のポケットから毀れ落ちた携帯電話を拾うと墓石に溜まった水の中へ入れた。そして男に手を出した。
すると黙って携帯電話を差し出した。三河は同じように水の中へ入れた。
「女の携帯も処分しろ」そして沈黙の中、二人の女のバックを拾うのを持ち、携帯を処分するのを確認して京平と二人その場を離れた。
そして車に戻ると走り去った。三河は流石に後味が悪かったようで口を開こうともせず、黙って次の目的地、荒川に架かる扇大橋の下に向かった。
京平は携帯を手にすると救急車を呼んだ。
「紺野さん電話をお願いします。また前田組みの若頭の名前で残りの四人を呼んで下さい。話がまとまったと言って下さい」。
「それはどう言う事です」?
「ええ。二つのグループが前田組みの仲介で一つに合併して関東一の暴走族にする計画があるんです」。
「そんな計画が、じゃあ大人数で来るかも知れませんね。そうなったら諦めますか。それとも問答無用で始末しますか」。
「いえ、必ず二人づつで来る筈です。もし外のグループに知れたら騒ぎが大きくなると考えますから。そうなる前に合併したいと言う飯島聡のグループと大塚好明の意見が一致したと言う訳です。
仲介に入っている前田組みの若頭はいま別件で警察で取り調べ中です。その事はまだ誰も知りません」。
「三河さんが逮捕させたんですね。なるほど、分かりました」。
三河はチラッと京平を見ると黙って頷いていた。京平は携帯を持つと四人の男達に電話をいれた。そして声を低くどすの効いた声で次々と電話を入れた。
誰一人として疑う事もなく、誘いに従っていた。すると前方で通常検問が行われていた。三河はポケットから警察手帳を出して準備していた。
そして二人の車に夜間警備用の赤い灯火が降ろされた。
「お忙しい所済みません。検問実施中ですのでご協力お願いします」。
「御苦労さん。本庁の三河だが、何か事件か」?
「はっ、これは三河警視、失礼しました。先程神宮の森と北品川の倉庫で殺人事件が相次いでありましたので。その検問です。失礼しました。どうぞお通り下さい」。NO-75-81


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