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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(77)&CG

2008-11-25 01:16:26 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(77)&CG

「ええ、どう出るか見物ですね。あれで本当に解散するか、また逆に団結して徒党を組んで行政に刃向かって来るか。賭けですね。ただ気になる事があるんです」。京平はそう言い初めて口を閉ざした。それは三河昇が決死の思いでこの計画を立てた事が充分分かっていたからだった。
「紺野さん、それは模倣犯の事ですね。私もその事は考えました。私はこう思っています。起きて結構だと逆に願っているんです。と言うのは、今まで市民や行政が暴走族に対して甘過ぎたと思っているんです。
この事が起因して行政も市民も暴力団を町から追放したように、暴走族に対しても徹底的に排除する気持ちを持って欲しいからなんです。その事に因って市民や警察関係者に多少の犠牲が出ても止む無しと考えています。
私はやりますよ、もし市民に暴走族がお礼参りしたなら捜し出して始末します。
私は警察を辞めてもやります」。
京平はその勢いに言葉はなかった。そして聞いて見た。
「三河さん、あの銃と弾丸を製作出来る人はいますか?・・・」。
「ええ、一人だけいます。私が拳銃の密造の事を知って未遂で終わらせた機械工の腕の良い職人がね。今は地道に旋盤工をしています。まさか作らせようって言うんじゃないでしょうね」。
「いえ、そのまさかです。一度合わせて貰えませんか」。
「ええ、いいですが。でも工場は何処へ作るんです」?
三河は京平のシートの背に身を乗り出して耳元に息が係るほど乗り出していた。
京平は真っすぐ前を見据えてしばらく考え倦んでいた。
「やっぱり止しましょう。そんな事をしたら殺人組織が出来上がってしまいます。聞かなかった事にして下さい」。
「ええ、それが良いでしょう。仲間を増やせばそれだけ足が割れる可能性も高くなります。それに資金も係ります。止めましょう」。そしてノンストップで豊科インターを降りたのは五時半を過ぎたころだった。
京平は車を止めると携帯で美保に電話した。すると、すぐに出た。美保は寝ないで待っていた。
「京平さん遅いじゃん、づうっと待っていたんだよ。それでいま何処なの」。
「ごめん心配かけて、豊科インターを降りた所だよ。三河さんが検問が厳しくなってくるからって一緒に乗ってくれてるんだ。今からじゃ父さん達に言い訳出来ないから別荘に泊まるからね」。
「うん、無事だったんだね。分かった。それで明日は」?
「十時頃には帰るから、心配させて悪かったね。早く寝なさい」。
「はい、じゃあ気を付けてね。お休みなさい」。
美保の声は少し涙声になっていた。そして車も少ない国道を走り続けた。そして濡れた路面は幾分凍っていた。
そんな道をゆっくり走り、一時間ほどで別荘に到着した。
そして部屋に入ると冷やっと冷たい空気が鼻を射した。
直ぐにファンヒーターに火を入れるとケトルに水を入れてコンロに掛けた。そして三河の部屋の支度を始めた。
ベットメイクをして電気毛布を敷いてスイッチを入れておいた。
京平は普段妻の美保がしてくれている事がこんなに大変な事だったのか。と思いながら、自分の寝室に行くとベッドに電気毛布を敷いてスイッチを入れた。
終わると額には汗が滲んでいた。これじゃ電気毛布はいらないか。と口にはださなかったが薄笑いを浮かべながら居間に戻った。
すると三河がコーヒーを入れてくれていた。部屋も暖まり、二人はソファーに掛けると今日の出来事を思い返していた。
すると、三河がジャケットの内ポケットから女物のシステム手帳を出した。
「これを見て下さい、これは谷中霊園で始末した二人の女のバックに入っていた手帳です。援助交際した月日と時間、相手の名前にアドレス。
それを種に恐喝した男の名前、その内容、金額。凄い数です。二人ともです。二人は二十歳でした」。
三河はそれを見て始末した事を正当化させたかったのだ。
京平にはそう理解するしかなかった。
その事には触れず、軽井沢と大浜の事件の事に話をすり替えた。
「ええ、結局あの事件は謎の殺し屋の仕業と言う事で捜査犯は縮小されて数人の捜査員が追っているだけです。それも複数の事件を担当しながらですがね。
紺野さん、今だから話しますが、あの荒川の河川式で柿沼が銃を出したのに気が着きませんでした。有り難うございました」。
自信を無くしていたように頭を下げて言葉に元気がなかった。
「そんな事は良いですよ、それより初めてああ言う手合いに接して警察の苦労が分かりましたよ。テレビでは良く観ていますが、あれほど扱いにくい連中だとは思いませんでしたからね」。NO-77-86


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