岡山市の水を守る岡北の会

旭川流域で有害物質が浸・流出する危険性のある御津産業廃棄物処分場を建設・操業することに反対し、岡山市の水を守る活動を発信

建設差止仮処分申立が却下される

2010-12-22 | 記事
 岡山地裁は22日、御津虎倉産廃処分場の建設差止仮処分申立を却下しました。
 御津産廃阻止同盟は同日夜、宇甘西コミュニティハウスで報告集会(写真)をひらきました。
 弁護団は、裁判所の却下理由について、住民の将来の健康被害を考えない常識を欠いた不当なものであると述べました。
 阻止同盟の中原寿会長は、建設を阻止するために闘い続けるとのべ、集会宣言文(下記)を提案しました。宣言文は参加者の大きな拍手で承認されました。


 本日、岡山地方裁判所は御津産廃処分場建設阻止仮処分事件に関し、私達の住民の申し立てを却下する旨の不当な決定を出しました。

 本決定は、私達が指摘してきた産廃処分場の多くの問題点、危険性については一顧だにせず、この裁判のなかでより明確に産廃処分場の危険性が明らかになったにもかかわらず、一方的に業者の主張をそのまま認めたものになっています。我々には、地域で安心安全に暮らす権利があり、また地域の持つ良いところを守っていく義務があります。

 私達の命と水を守り、子孫に豊かな生活環境を残すため、この産廃処分場を決して建設させてはなりません。産廃処分場建設阻止実現まで、一致団結してあらゆる手段をもって頑張り抜くことを宣言します。

平成22年12月22日
御津産廃阻止同盟
緊急集会参加者一同


(2011.1.14記事の一部修正)

岡山市に御津の産廃処分場の中止を申し入れ

2010-12-06 | 記事
 岡山の水を守る岡北の会(岡北の会)は12月6日、岡山市に対し、御津虎倉の産廃処分場設置許可の取り消しと、御津河内の産廃処分場設置の不許可を申し入れました。

 岡北の会から8人が参加し、遠藤佐紀子代表世話人は、応対した岡本道弘・岡山市環境局審議監に申し入れ(下記)を手渡してそれを読み上げ、「岡山の水を守るため御津の産廃処分場の中止を求める署名」360筆分を手渡しました。

 申し入れは、虎倉、河内ともに、岡山市民の水源地の上流に設置することは市民の健康などに被害が出る可能性があり、設置施設から有害物質が出る可能性があり、民間業者による管理運営は安全性より利益が優先される恐れがあると述べ、虎倉の業者については行政指導を受けた問題業者であると述べています。

 岡本審議監や山地吉記・産業廃棄物対策課長は、環境省が定めたマニュアルに基づいて適正に処理をしていると述べましたが、参加者からは、問題業者に許可を出すことは不適正な処理ではないか、などの意見が出されました。

 岡山市は後日、申し入れに対する回答を送ることを約束しました。


<申し入れ書(PDF)>
2010年12月6日

岡山市
市長 谷茂男 様
岡山市の水を守る岡北の会
代表世話人 遠藤佐紀子
代表世話人 清須 幸治
代表世話人 武本万里子

御津の産廃処分場設置に関する申し入れ

 岡山市は、市民の福祉増進のために奮闘されていることと存じます。
 私たちは、岡山市の水を守るために、岡北地域を中心とする市民や団体の有志が集まり、今年10月に結成した市民団体です。
 次のとおり申し入れますので、ご回答をお願いします。

1、御津虎倉では、岡山市が管理型産業廃棄物処分場の設置を許可し、地元住民は許可の執行停止などを求めて提訴しています。
  私たちは、御津虎倉の管理型産廃処分場設置は、次の点で問題があると考えます。
① 設置場所の問題
  設置計画場所の御津虎倉は、旭川支流の宇甘川、その支流の大野川の上流にあるため、有害物質が流出すれば、下流の岡山市民40数万人の飲用水などに流入して市民の健康等に被害が出る可能性があり、また、農畜産業や関連産業にも悪影響がでる可能性があります。
  また、設置される焼却施設や冷却装置、産廃搬入車両等から多くのガスが排気され、大気や環境を汚染します。大気などの汚染は、近年の規制が行われる以前から蓄積されていて、今後わずかな汚染の増加でも大きな被害が出る可能性があります。
とりわけ計画場所付近は、「オオタカ」や「キンラン」などの希少種が生息する自然豊かな地域であり、森林伐採や処分場から出るガスや浸出物などで環境が破壊される可能性があります。
② 設置施設の問題
埋立地に敷かれるポリエチレンシートの「耐久性は約50年」とされていますが、これは実証されておらず、数年で劣化・腐食し破損する可能性があります。現に全国各地で破損事故も起こっています。シートが破損しても、それを検知するシステムや事故処理の計画は不十分です。破損すれば、有害物質が浸・流出して土地や下流が汚染される可能性があります。また、50年経っても、廃棄物は無害化しない可能性があります。
 また、ゲリラ豪雨などによって、浸出液調整池などがあふれ出す可能性もあります。
③ 管理者の問題
 民間業者による管理運営は、安全性より利益が優先される恐れがあり、業者の倒産などによっては管理運営が中断・放棄される可能性もあります。
本件の業者・(株)西日本アチューマットクリーンは、自社が管理運営する箕島の産廃処分場で許可容量を大幅に超過して埋め立てを行い、岡山市から行政指導を受けている業者であり、安全な管理がなされない可能性があります。

2、以上の点から、市民と社会の安全を守るため、御津虎倉の産廃処分場設置許可を取り消してください。

3、御津河内では、OMエコクリーン(株)が安定型産業廃棄物処分場の設置を申請し、岡山市が審査しているところです。
  私たちは、御津河内の安定型産廃処分場設置は、次の点で問題があると考えます。
① 設置場所の問題
  設置計画場所の御津河内は、旭川の上流に位置しているため、有害物質の流出があれば、下流の岡山市民40数万人の飲用水などに流入して市民の健康等に被害が出る可能性があり、また、農畜産業や関連産業にも悪影響がでる可能性があります。
  また、産廃搬入車両等から多くのガスが排気され、大気や環境を汚染します。大気などの汚染は、近年の規制が行われる以前から蓄積されていて、今後わずかな汚染の増加でも大きな被害が出る可能性があります。
② 廃棄物と設置施設の問題
 廃棄物が「安定型」に限られるとされていますが、工場の解体くずや廃プラスチックなどに付着する有害物質は除去されないまま廃棄される可能性があり、全国各地で「安定型」産廃処分場の周りで有害物質が検出され、問題となっています。
 また、ゲリラ豪雨などによって、浸出液調整池などがあふれ出す可能性もあります。
③ 管理者の問題
 民間業者による設置と管理は、安全性より利益が優先される恐れがあり、業者の倒産などによっては安全な管理運営が中断・放棄される可能性もあります。

4、以上の点から、市民と社会の安全を守るため、御津河内の産廃処分場設置は許可しないでください。
以上

御津産廃阻止同盟が決起集会ひらく

2010-12-05 | 記事
 12月5日午後、御津産廃阻止同盟は、産廃建設差止訴訟の仮処分請求訴訟(12月20日ごろ決定が出される予定)で勝利決定を勝ち取るため、岡山市北区の岡山国際交流センターで決起集会をひらき、岡山市御津地域や岡山市中心地域から約180人の市民が参加しました。

 集会では、中原寿会長が開会あいさつ、県議1名と市議4名が来賓あいさつ、国会議員2名からのメッセージも紹介されました。また弁護団代表から、訴訟経過が説明されました。

 そして、地域環境研究所代表の中川鮮(あきら)氏の「命を育む里山を守ろう」と題した講演がおこなわれました。
 中川氏は、産廃を作ろうとするのは、儲かるからですと前置きし、次のように述べました。

 計画がずさんであり、シートの破断・漏水の検知システムでは漏水および漏水箇所の検知が困難であり、検知できたとしてもその補修は困難です。全国でこれまで補修できた例はありません。
 遮水工や遮水シート(高密度ポリエチレンシート)が持つのは最初だけで、廃棄物が増えれば必ずひび割れ、破断して汚染水がもれる。
 水源地の上流に産廃を建設することは危険であり、また、豊かな自然(森林)、水(水源地)、山地地盤、里山環境を守ることが大切だ。御津の里山環境を守ることは岡山市民の命の水を守ることです。

 最後に参加者は、産廃建設阻止のためガンバロウと三唱しました。