岡山の水を守る岡北の会(岡北の会)は12月6日、岡山市に対し、御津虎倉の産廃処分場設置許可の取り消しと、御津河内の産廃処分場設置の不許可を申し入れました。
岡北の会から8人が参加し、遠藤佐紀子代表世話人は、応対した岡本道弘・岡山市環境局審議監に申し入れ(下記)を手渡してそれを読み上げ、「
岡山の水を守るため御津の産廃処分場の中止を求める署名」360筆分を手渡しました。
申し入れは、虎倉、河内ともに、岡山市民の水源地の上流に設置することは市民の健康などに被害が出る可能性があり、設置施設から有害物質が出る可能性があり、民間業者による管理運営は安全性より利益が優先される恐れがあると述べ、虎倉の業者については行政指導を受けた問題業者であると述べています。
岡本審議監や山地吉記・産業廃棄物対策課長は、環境省が定めたマニュアルに基づいて適正に処理をしていると述べましたが、参加者からは、問題業者に許可を出すことは不適正な処理ではないか、などの意見が出されました。
岡山市は後日、申し入れに対する回答を送ることを約束しました。
<申し入れ書(
PDF)>
2010年12月6日
岡山市
市長 谷茂男 様
岡山市の水を守る岡北の会
代表世話人 遠藤佐紀子
代表世話人 清須 幸治
代表世話人 武本万里子
御津の産廃処分場設置に関する申し入れ
岡山市は、市民の福祉増進のために奮闘されていることと存じます。
私たちは、岡山市の水を守るために、岡北地域を中心とする市民や団体の有志が集まり、今年10月に結成した市民団体です。
次のとおり申し入れますので、ご回答をお願いします。
1、御津虎倉では、岡山市が管理型産業廃棄物処分場の設置を許可し、地元住民は許可の執行停止などを求めて提訴しています。
私たちは、御津虎倉の管理型産廃処分場設置は、次の点で問題があると考えます。
① 設置場所の問題
設置計画場所の御津虎倉は、旭川支流の宇甘川、その支流の大野川の上流にあるため、有害物質が流出すれば、下流の岡山市民40数万人の飲用水などに流入して市民の健康等に被害が出る可能性があり、また、農畜産業や関連産業にも悪影響がでる可能性があります。
また、設置される焼却施設や冷却装置、産廃搬入車両等から多くのガスが排気され、大気や環境を汚染します。大気などの汚染は、近年の規制が行われる以前から蓄積されていて、今後わずかな汚染の増加でも大きな被害が出る可能性があります。
とりわけ計画場所付近は、「オオタカ」や「キンラン」などの希少種が生息する自然豊かな地域であり、森林伐採や処分場から出るガスや浸出物などで環境が破壊される可能性があります。
② 設置施設の問題
埋立地に敷かれるポリエチレンシートの「耐久性は約50年」とされていますが、これは実証されておらず、数年で劣化・腐食し破損する可能性があります。現に全国各地で破損事故も起こっています。シートが破損しても、それを検知するシステムや事故処理の計画は不十分です。破損すれば、有害物質が浸・流出して土地や下流が汚染される可能性があります。また、50年経っても、廃棄物は無害化しない可能性があります。
また、ゲリラ豪雨などによって、浸出液調整池などがあふれ出す可能性もあります。
③ 管理者の問題
民間業者による管理運営は、安全性より利益が優先される恐れがあり、業者の倒産などによっては管理運営が中断・放棄される可能性もあります。
本件の業者・(株)西日本アチューマットクリーンは、自社が管理運営する箕島の産廃処分場で許可容量を大幅に超過して埋め立てを行い、岡山市から行政指導を受けている業者であり、安全な管理がなされない可能性があります。
2、以上の点から、市民と社会の安全を守るため、御津虎倉の産廃処分場設置許可を取り消してください。
3、御津河内では、OMエコクリーン(株)が安定型産業廃棄物処分場の設置を申請し、岡山市が審査しているところです。
私たちは、御津河内の安定型産廃処分場設置は、次の点で問題があると考えます。
① 設置場所の問題
設置計画場所の御津河内は、旭川の上流に位置しているため、有害物質の流出があれば、下流の岡山市民40数万人の飲用水などに流入して市民の健康等に被害が出る可能性があり、また、農畜産業や関連産業にも悪影響がでる可能性があります。
また、産廃搬入車両等から多くのガスが排気され、大気や環境を汚染します。大気などの汚染は、近年の規制が行われる以前から蓄積されていて、今後わずかな汚染の増加でも大きな被害が出る可能性があります。
② 廃棄物と設置施設の問題
廃棄物が「安定型」に限られるとされていますが、工場の解体くずや廃プラスチックなどに付着する有害物質は除去されないまま廃棄される可能性があり、全国各地で「安定型」産廃処分場の周りで有害物質が検出され、問題となっています。
また、ゲリラ豪雨などによって、浸出液調整池などがあふれ出す可能性もあります。
③ 管理者の問題
民間業者による設置と管理は、安全性より利益が優先される恐れがあり、業者の倒産などによっては安全な管理運営が中断・放棄される可能性もあります。
4、以上の点から、市民と社会の安全を守るため、御津河内の産廃処分場設置は許可しないでください。
以上