昨日(18日)午後、御津虎倉(みつこぐら)地区の住民が、同所に設置される産廃処分場の建設差止を求めた裁判で、岡山地裁は住民の訴えを退けました。
同日夜に地元で開かれた判決報告会で、弁護団は次のように述べました。
裁判所はこの請求の法的根拠について、人格権(生命や健康などが侵害されない権利)に基づく差止請求権だとして、それが認められるためには、社会生活上受忍すべき限度を超えて、生命の安全、身体の健康が侵害される蓋然性が高いと認められることが必要だとしています。これで、勝訴のハードルを高くしています。
遮水シートが破損して有害物質が漏れる危険性については、遮水シートが規格基準を上回っているので耐久性に問題ないとしています。シートの破損事故がたくさん起きていることについては顧みられていません。
遮水シートの劣化の可能性については、規格値を満足しているので、劣化により有害物質が流出する可能性が高いとはいえないとしています。可能性がないとは言っていません。
原告は、シート破損の場合の破損部分の特定や補修が困難である、被告の漏水検知システムは不十分であると主張していました。判決は、漏水検知システムの設置は法令上要求されていない、遮水シートが破損する蓋然性が高いとはいえない、仮に遮水シートが破損した場合も、浸出液が処分場から漏出しないような計画になっている、これらを考えると、漏水検知システムに欠陥がある、シートの補修に困難性があるという理由で、有害物質を含む浸出液の漏出の蓋然性が高いとはいえないとしています。補修できなくても構わないという感じですね。
原告は、調整池の容量が不足していて、広い処分場に大量の雨が降ると、浸出液が流出すると主張していました。判決は、過去の降雨量から算出すると、有効容量を超える場合があって、豪雨時における対策がなければ浸出液が流出する可能性を否定することはできない。しかし、対策マニュアルが作成されており、対策としての合理性が認められ、ブルーシートの敷設を行う対策が他の施設でも採用されているから、降雨の流入を防ぐことが可能であり、集中豪雨時に未処理の浸出液が流出する蓋然性が高いとはいえないとしています。
原告は、焼却炉の処理能力とダイオキシン類排出の規制基準の問題で、2基の焼却炉の処理能力を合算して規制すべき(規制基準値は1ナノ)だと主張していました。判決は、複数の焼却炉があっても、処理能力は合算しない(規制基準値は5ナノ)としました。
原告は、被告がいろいろ問題ある行為をしていて、産廃業者としての適性を欠くと主張していました。判決は、被告はこれまでに行政指導を受けたにとどまり、指導を受けて直ちに是正する措置をとっており、改善命令や措置命令が発令された事実は証拠上認められない。行政指導の原因は、意図的に廃棄物を不法投棄したり、大量の有害物質を長期にわたり漏出させたなど廃棄物処理施設の適切な管理運営が期待できないと言えるに足りるような重大な違反があったり、悪質性が認められるものではないとしています。非常に甘いと思います。箕島の処分場で許可容量を超過する違法な埋立処分をしている点についても、裁判所は、不適切な行為であるものの、経緯等に鑑みれば、適性がないと評価できる程度の悪質性を認めることができないとしました。元従業員の大藤さんの証言については、解雇されて会社に敵意をもっているから信用性がないとしました。
被告が住民に対してきちんと説明会を開いていないことについては、住民の側の対応も一因になっているとして、問題ではないかのようにいっています。
資金計画について、経理的な基礎がないので適切な管理運営ができないとうい主張について判決は、経理的基礎がないとはいえない、適切な管理運営が行われないことによって施設から有害物質が排出されて原告らの生命等に社会生活上受忍すべき限度を超えて被害を与える蓋然性が高いとはいえないとしています。
裁判所は、業者の言い分を無批判に受け入れ、裁判所の責任を果たしていません。
われわれは、「将来受忍限度を超える自己の人格権侵害が発生する高い蓋然性が認められ、かつ現段階で差止の必要性があること」を立証して裁判所の判断をくつがえすだけの立証をやりきるために力を尽くすとともに、その基本的な判断の枠組みを打ち破ることにも力を尽くしたいと思っています。岡山地裁は、危険性はあるけれども一定の対策をしているから構わないなどと言っても、われわれの安全を保障してくれるわけではないのですから、控訴して裁判を闘うとともに、裁判以外のいろいろな場面でも建設させないための運動をやっていかなければならないと思います。
参加者からは、「安全が保障されないので安心などできない」、「豪雨になったとき、何枚のブルーシートを何人で、何分で敷くのか。その段取りはできるのか」、「危険なものは予防すべきです。納得できません」などの意見が出されました。
そして、御津産廃阻止同盟の中原会長から控訴して闘う宣言が発表され、最後に団結ガンバロウを三唱して閉会しました。
同日夜に地元で開かれた判決報告会で、弁護団は次のように述べました。
裁判所はこの請求の法的根拠について、人格権(生命や健康などが侵害されない権利)に基づく差止請求権だとして、それが認められるためには、社会生活上受忍すべき限度を超えて、生命の安全、身体の健康が侵害される蓋然性が高いと認められることが必要だとしています。これで、勝訴のハードルを高くしています。
遮水シートが破損して有害物質が漏れる危険性については、遮水シートが規格基準を上回っているので耐久性に問題ないとしています。シートの破損事故がたくさん起きていることについては顧みられていません。
遮水シートの劣化の可能性については、規格値を満足しているので、劣化により有害物質が流出する可能性が高いとはいえないとしています。可能性がないとは言っていません。
原告は、シート破損の場合の破損部分の特定や補修が困難である、被告の漏水検知システムは不十分であると主張していました。判決は、漏水検知システムの設置は法令上要求されていない、遮水シートが破損する蓋然性が高いとはいえない、仮に遮水シートが破損した場合も、浸出液が処分場から漏出しないような計画になっている、これらを考えると、漏水検知システムに欠陥がある、シートの補修に困難性があるという理由で、有害物質を含む浸出液の漏出の蓋然性が高いとはいえないとしています。補修できなくても構わないという感じですね。
原告は、調整池の容量が不足していて、広い処分場に大量の雨が降ると、浸出液が流出すると主張していました。判決は、過去の降雨量から算出すると、有効容量を超える場合があって、豪雨時における対策がなければ浸出液が流出する可能性を否定することはできない。しかし、対策マニュアルが作成されており、対策としての合理性が認められ、ブルーシートの敷設を行う対策が他の施設でも採用されているから、降雨の流入を防ぐことが可能であり、集中豪雨時に未処理の浸出液が流出する蓋然性が高いとはいえないとしています。
原告は、焼却炉の処理能力とダイオキシン類排出の規制基準の問題で、2基の焼却炉の処理能力を合算して規制すべき(規制基準値は1ナノ)だと主張していました。判決は、複数の焼却炉があっても、処理能力は合算しない(規制基準値は5ナノ)としました。
原告は、被告がいろいろ問題ある行為をしていて、産廃業者としての適性を欠くと主張していました。判決は、被告はこれまでに行政指導を受けたにとどまり、指導を受けて直ちに是正する措置をとっており、改善命令や措置命令が発令された事実は証拠上認められない。行政指導の原因は、意図的に廃棄物を不法投棄したり、大量の有害物質を長期にわたり漏出させたなど廃棄物処理施設の適切な管理運営が期待できないと言えるに足りるような重大な違反があったり、悪質性が認められるものではないとしています。非常に甘いと思います。箕島の処分場で許可容量を超過する違法な埋立処分をしている点についても、裁判所は、不適切な行為であるものの、経緯等に鑑みれば、適性がないと評価できる程度の悪質性を認めることができないとしました。元従業員の大藤さんの証言については、解雇されて会社に敵意をもっているから信用性がないとしました。
被告が住民に対してきちんと説明会を開いていないことについては、住民の側の対応も一因になっているとして、問題ではないかのようにいっています。
資金計画について、経理的な基礎がないので適切な管理運営ができないとうい主張について判決は、経理的基礎がないとはいえない、適切な管理運営が行われないことによって施設から有害物質が排出されて原告らの生命等に社会生活上受忍すべき限度を超えて被害を与える蓋然性が高いとはいえないとしています。
裁判所は、業者の言い分を無批判に受け入れ、裁判所の責任を果たしていません。
われわれは、「将来受忍限度を超える自己の人格権侵害が発生する高い蓋然性が認められ、かつ現段階で差止の必要性があること」を立証して裁判所の判断をくつがえすだけの立証をやりきるために力を尽くすとともに、その基本的な判断の枠組みを打ち破ることにも力を尽くしたいと思っています。岡山地裁は、危険性はあるけれども一定の対策をしているから構わないなどと言っても、われわれの安全を保障してくれるわけではないのですから、控訴して裁判を闘うとともに、裁判以外のいろいろな場面でも建設させないための運動をやっていかなければならないと思います。
参加者からは、「安全が保障されないので安心などできない」、「豪雨になったとき、何枚のブルーシートを何人で、何分で敷くのか。その段取りはできるのか」、「危険なものは予防すべきです。納得できません」などの意見が出されました。
そして、御津産廃阻止同盟の中原会長から控訴して闘う宣言が発表され、最後に団結ガンバロウを三唱して閉会しました。