美月葉月

言の葉 ゆらり

恋しい

2009-05-31 22:25:11 | 美月葉月

 

雨が滴ると

開く
恋こころ

忘れた蕾の
恋こころ

恋しさが
雨の雫を
呼んで

雨の雫が
恋しさの蕾を
開かせる

どれくらいの
花のいのち

次の
雨の雫が
滴るまで

朽ちて
茶色に

いろ
褪せるまで

 


深緑

2009-05-30 23:35:19 | 美月葉月

 
 

深緑の好きな
そんな 沼地に
足を 踏み入れましょう

抜け出せないのを 承知で
いえ
抜け出せないから こそ

ずぼずぼと
わざと 音を立てて
足を 踏み入れましょう

そして
わざとらしく
助けを 呼ぶの

私は
沼地に沈みたいのか
深緑になりたいのか

腰までも
胸までも

どんなに 浸かっても
まだ

わかんない



立ち尽くす

2009-05-30 11:17:04 | 美月葉月

 

いつも
見えるのは 後姿ばかりで
追いかけて ばかりで

追いつくことも
出来ず

いつも
見たい姿は いずれも
見えず

憧れなのか
羨望なのか
自嘲

今 私は
追いかけることも 追いつくことも
諦めた 私は

たった ひとすじ
その
残された影を見つめ

後戻りもせず
かと言って 小走りになることもせず

ここで しばらく 立ち尽くして
いよう