王様の椅子じゃなくてもいい
多少おしりがはみ出てもいい
ほんとのこと言うと
あまり人気のない
その椅子がいい
滲み出る汗と
気まぐれの夜風が
快と不快を交叉する
若干不快に傾く瞬間
妙に快が
顔をもたげる
お気に入りの真夏色の
袖なしワンピースのファスナーを上げ真っ白なサンダルつっかけ
真夏のスタートにダッシュする
庇の下に安堵して
陽射しも恋しくて
さかいめの白線を
越えたり引き戻ったり
変わりなく
ワタシのココロに
真っ赤な薔薇
咲かしてくれる
そのひと。
じわじわと侵略される
分岐点はどこ
薄墨色と漆黒の
境い目で落ちるから
眠りに
約束の指きりの小指はわからないように
するりと抜き去る
約束っていの一番に水に溶けて
しまう色に似ているんだもの
こんなにもカタチがないのに
感じられる
どこかで一点たった 一点だけど 一点
それさえあればの一点
足首を絡めれば
知っている温度が
ドクドクと
私を絡める
ほとりまで 来て
せせらぎ聞いて
水辺の浅瀬
素足先だけ水に浸し
天の川を渡る
今 ちょっと前