むくむくと頭をもたげるその感情を
持て余していた時期もあり
懐かしんだ時期もあり
今 この頃は
取り戻したいと節に願う
ふっ と
息をかけてしまえば
消えてしまいそうな残り火に
情熱を足して
待つこゝろで
足を踏み鳴らし
軽いハミングして
どこかで落としてしまった
青臭い感情の
戻りを待ってみる
温度計は見るまでもなく
真夏の午后
畳に薄い褥
南の窓から温い風
快適とは言えず
かと言って不快でもなく
真夏の惰眠を貪り尽くす
ほろりほろり
涙腺弱くって
かなわないわ
引きずり出されたおもひで
いちいち乙女に
なっちゃたって
“だって スキなんだもん”
何も混ざっていない単純な色のそれを
表現できるタイムリミットは
いつまでもうまだ
欲しいものの色が
違う
ちょっとだけ違う
ちょっとだけでもそれは
欲しいものではなく
全くの 別物